Taliban Move to Address Pakistan’s Cross-Border Terror Complaints

(WAJ: アフガニスタンからの情報によると下記VOAの記事で論じられているパキスタン・ターリバーン(TTP)につづき、この8月にアフガニスタンでタジキスタン・ターリバーン(TTK)が組織されたとの噂がながれた。さらに9月に入ってジャマーアト・アンサールッラー(別名は前記と同じくタジキスタン・ターリバーン)が米国製武器を所持してタジキスタン国境警備隊と衝突したというニュースも流れたという。アフガニスタン・ターリバーンの存在はパキスタンやイランとの間だけでなく、タジキスタンとの衝突もアフガニスタン・ターリバーンが抱え込むことになるかもしれない。アフガニスタン・ターリバーンには過激テロ組織の管理がいよいよ重く覆いかぶさってくる。いっぽう、核保有国でありながら、深刻な経済不況と与野党の衝突、自然災害を抱えたパキスタンの苦境も深まっている。この地域の政治・経済・軍事情勢から目を離せない。)

 

June 05, 2023 2:48 AM
Ayaz Gul:reports for VOA from Islamabad, Pakistan.

2023年6月5日
アヤズ・グル:イスラムバードVOAの報告

アフガニスタンのターリバーン当局は日曜日(2023年6月4日)、避難民が隣国パキスタンで増大するテロの根源であるとの主張が続く中、数千人のパキスタン難民を国境地域から移動させる計画を発表した。

ターリバーンの首席報道官であるザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)はVOA(訳注:アメリカ政府が運営する国際放送機関)の電話取材に対し、難民は現在、ホースト州、クナル州、そして隣接するアフガニスタン国境のいくつかの州に居住していると語った。

「イスラム首長国は、彼らが(国境)線に近づいたり、攻撃やパキスタンで起こるその他の暴力行為に関与したりしないように、彼らを(アフガニスタンの)遠く離れた地方に移転させる計画だ」と、ムジャヒドはターリバーン政府の公式呼称を使って語った。

この計画は、ターリバーンが約22ヶ月前(2021年8月)にカーブルで政権を奪還して以来、パキスタンで国境を越えた過激派による攻撃が劇的に急増するなかでのことだ。この暴力により、特にアフガニスタン国境付近の地区では、パキスタンの治安部隊を中心に数百人が死亡している。

アフガニスタン国内で活動しているとされる非合法組織テヘリク・イ・ターリバーン・パキスタン(TTP)は、致命的な暴力の多くを自分の手柄だと主張している。(訳注:本サイト「トピックス」欄参照)

 

日曜日の敵意

最新の敵対行為は日曜日に不安定な北ワジリスタン国境地区で発生し、パキスタン軍は「テロリストの拠点」に対する警備襲撃により兵士2名と過激派2名が死亡したと発表した。

イスラマバードの政府関係者は、逃亡中のTTPの指導者や戦闘員とその家族は、2014年にパキスタンのワジリスタン国境地区で行われた大規模な対テロ軍事作戦から逃れてアフガニスタンに避難した数万人のパキスタン人の中に居住していると主張している。

ノルウェー難民評議会(訳注:第2次大戦後に設立された難民保護のための独立人権擁護組織)は2019年10月の報告書で、アフガニスタンの国土に定住した約7万2000人のパキスタン難民のほとんどが両国国境にあるホースト州の仮設キャンプで暮らしていると推計した。

<参考サイト>
https://www.nrc.no/resources/briefing-notes/left-behind-waziristan-refugees-in-afghanistan/

 

イスラマバード、カーブルに圧力をかける

イスラマバードは、国境を越えたTTPの暴力を抑えるようカーブルに迫っており、ターリバーンによるアフガニスタン占領後、TTPが「より大きな作戦の自由」を享受していることに不満を表明している。パキスタン当局によれば、アフガニスタンのターリバーンのメンバーもTTPの国境を越えた攻撃を支援しているという。

ムジャヒドや他のターリバーン幹部は、パキスタンや他の国を含むアフガニスタンの隣国を脅かすグループを許しているとの疑惑を繰り返し否定してきた。

ムジャヒドは日曜日のコメントでTTPを名指ししなかったが、パキスタン高官は先週VOAに、ターリバーンが最近イスラマバードに対し、国境地帯からアフガニスタンの遠隔地に “TTPメンバーを移転させる “意向を伝えたと語った。

ラナ・サヌラー内相は、ターリバーンの提案はTTPのパキスタンへのアクセスを制限する可能性があると付け加えた。彼は詳細を説明していない。

パキスタン・ターリバーンとして知られる過激派グループTTPは、パキスタンでの反政府活動は政府転覆が目的だと主張し、かれらはパキスタン政府は “非イスラム的 “であると非難している。

ワシントンもTTPを世界的なテロ組織として非合法化している。

 

和解交渉決裂

TTPはアフガニスタン・ターリバーンの分派であり、緊密な同盟組織である。アフガニスタン・ターリバーンが2021年に政権を掌握するまでの約20年間、米国主導の国際部隊や旧アフガニスタン政府に対して反政府的な攻撃を行う際に、パキスタン国内に隠れ家を提供し、アフガニスタン・ターリバーンに新兵を提供した。

アフガニスタンを掌握した直後、アフガニスタン・ターリバーンはTTP指導者とパキスタン政府高官との和解交渉のための会談を主宰した。しかし、昨年11月、パキスタン・ターリバーンはパキスタン政府との停戦を一方的に打ち切り、暴力的なキャンペーンを激化させたため、このプロセスは崩壊した。

この暴力は、ターリバーンが支配する内陸国アフガニスタンとパキスタンとの関係を緊張させている。アフガニスタンは、二国間貿易や中継貿易を行うために、隣国の陸路や海港に大きく依存している。

原文(英語)を読む

https://www.voanews.com/amp/taliban-move-to-address-pakistan-s-cross-border-terror-complaints/7122978.html

 

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