20241002
NO JAIL 詩人の活動
広島・長崎・沖縄からの永遠平和詩歌集
報復の連鎖からカントの「永遠平和」、賢治の「ほんとうの幸福」へ
2024年8月8日、コールサック社刊行(鈴木 比佐雄、座馬 寛彦 (編集)、& 2 その他)のアンソロジーに“NO JAIL”詩人登場!
掲載順に、高柴三聞「白い鳥」、大田美和「晴(ぱ)りん 雨てぃあ 無(にゃーん) 辺野古を詠む」、ソマイア・ラミシュ「(私はまだ生きている、)」、岡和田晃「病院に爆弾を落とすな!」、高細玄一「もぎ取られた言葉――マリア・コレスニコワは去らなかった」「こどもを殺すな」らの作品が掲載されている。A5判384ペー、2200円(税込み)
本書は、広島、長崎、沖縄、アフガニスタン、ウクライナ、ガザ、をはじめ、世界を舞台に永遠平和を希求する269名の詩人・歌人・俳人たちの作品を集めたアンソロジーである。
ヒロシマ・ナガサキでは 地球を終わらせるほどの威力をもった原爆が実際に落とされた現場を題材に戦争遂行者たちと科学への糾弾の作品が並ぶ。ヤマトンチューの犠牲とされいまもされ続けているオキナワの作品は、本サイトでも取り上げている琉球弧へのミサイル配備という今日現在の実相も摘発されている。
編集を担当した鈴木比佐雄氏によれば作品公募の要点は24万人もが犠牲になった沖縄戦、広島・長崎の被爆者たちの放射能被害の実相とその後の人生の苦難、戦乱止まぬ世界にあってイマニエル・カントや宮沢賢治の永遠平和に向けた提起に、独自な観点で応えてほしいとの願いで作品を集め、本書を編んだという。
有名な作家もいればそうでない作家もいる。本書に収録された作家群と作品群はこれまで日本で創作された膨大な作品のほんの一部であるだろうが、それでも読み応えある重い問いかけが詰め込まれている。
峠三吉の「ちちをかえせ ははをかえせ」は本書の冒頭を飾るにふさわしい文句なしの作品だろうし、それにつづく栗原貞子の「生ましめん哉――原子爆弾秘話――」「ヒロシマというとき」は本サイトでも掲載したばかりの心打つ永遠の命を持つ作品だろう。また、アフガニスタンにおいてターリバーンの詩作禁止に抗して詩をもって闘う詩人の応援をしているわれわれにとって、戦時下に反戦句を詠み弾圧され創作を禁じられた西東三鬼や渡邊白泉が取り上げられているのは時空を超えた人類史的つながりを感じる。
世界を見渡せば、正義と正義が相争って血を流している。ソマイア・ラミシュがいうように「世界はどこも夜」としか思えない。しかし、本書のなかである詩人は「正義は人の数ほどあるけれど/道理はひとつしかないんだよ」(330ページ)という。バカの壁ではないけれど、道理をみずしておのれファーストの正義を振りかざしお互いに傷つき合っている。そして別の詩人は「世界のあちらこちらで/上げた拳を自分では下ろせない人がいる」(313ページ)と透徹したまなざしを投げる。そしてそこから逃げず、逆に飛込み、そのような人々に寄り添って拳を握ってやれば出口への手がかりがみつかるのではないか、とその詩人は自問する。
詩には、ひとつしかない道理に人々を導く力がある。
(本書の購入はココをクリック)
【野口壽一】
202408
フランス・ペンクラブ
アフガン女性への弾圧強化に関する声明
Afghanistan : une répression accrue contre les femmes !
2024年8月
ターリバーンが政権に返り咲きアフガニスタン国民に鉛の覆いを課してから3年が経った。われわれは現行政府がその始まりより女性を第1の標的にしていたことを知っている。その手法は様々であったが、まず最初にとられたのは少女たちが小学校より上の学習を続けることの禁止で、続いて彼女らをハイスクールと大学から追放した。さらに労働、公園内の散歩、自由な移動と旅行も禁じた。
あたかもこのジェンダーアパルトヘイトでは飽き足りぬとばかりに、「勧善懲悪」のための114ページにもおよぶ新法がこのほど公布された。男の髭の長さに関する取り決めの他に、女性の声が公の場でもはや聞かれてはならぬと決めた。理由は誘惑の源になるから。只今より、アフガン女性は歌も詩の朗唱もただ単に公に話すことも禁じられる。公の場からその姿が文字通り消されたのに次いで、今度は沈黙へと文字通り零落させられる。
われわれフランスペンクラブはアフガニスタン女性の窮状を最大限に力を込めて非難する。彼女らは二流市民に変えられ、自国にいながら生ける屍へと零落させられた。全人口の半分にたいする表現の自由への集団攻撃をわれわれは糾弾する。自殺しか手立てを見つけられないアフガンの少女と女性の数を心配する。アフガン社会の各場面から女性の存在を消し、物言わぬ影におとしめれば国全体のチャンスを損なう。生まれ出ても、こうした生きる屍によって育てられては、誰が明日のアフガン人になるだろうか? こうした状況は新世代の未来を深刻な危険にさらす。
われわれは最も基本的な権利のこうした否定に対する義憤をここに表す。アフガニスタンの女性の権利への尊敬を要求する。1948年12月10日に国連総会で採択された世界人権宣言が示すように、「すべての人間は、尊厳と権利において生れながらにして自由かつ平等であり」さらに、「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、民族若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる」のだから。
セシル・ウムアニ
フランス・ペンクラブ:危険にさらされている作家と表現の自由委員会議長
20240904
柴田望さん
旭川ケーブルテレビで『詩の檻はない』について語る
<放送日>
◆ 8月28日(木) 17:00/20:30/24:00(地デジ11ch)
◆ 9月2日(月)〜9月8日(日)13:00-15:30(地デジ10ch)
『詩の檻はない』日本語版の編集人で、発行者バームダード(ソマイア・ラミシュ)の日本窓口を担当している柴田望さんが地元旭川のケーブルテレビ「ポテトにこんにちは」に出演し、自身が主宰する『フラジャイル』の活動と併せて、アフガニスタンの検閲と芸術の弾圧に対する詩による抗議運動について、下記のように話しました。
⑫ 昨年1月にターリバーン暫定政権により、アフガニスタン国内での「詩作禁止」令が発令されました。芸術の自由が脅かされています。女性の教育機会や就業機会が奪われるなど、人権の危機的状況に抵抗するソマイアさんの活動に、連帯する詩人たちの作品が世界じゅうから寄せられました。
昨年8月15日に日本が世界に先駆けて、アンソロジー詩集『詩の檻はない』を、この旭川から私たちが発行しました。12月にはKSJ全国大会にソマイアさんが来日、今年1月にはフランスペンクラブの主催でオンラインイベントを開催、日本の詩人も参加し、活動の輪が世界に広がっております。
今年の11月3日、日本の文化の日に、『詩の檻はない』の第二版と、ソマイア・ラミシュさんの詩集を出版しますよ、という発表を今月、行いました。準備をただいま行っております。詳細につきましてはSNS等で随時報告をさせて戴きます。どうぞ宜しくお願い致します。
両日の放送内容のダイジェストはココで読めます。
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20240824
ソマイア・ラミシュさんの場合
ターリバーンから逃れたアフガン女性たち「中にとどまるのは拷問だった」
(WAJ:ターリバーンの政権奪取から満3年が過ぎ、各国メディアで特集記事が組まれている。日本の新聞もその例に漏れず重厚なリポートを出しているが、いかんせん有料記事でハードルが高い。そこへ、オランダでナチスへのレジスタンス期(1943年)に地下新聞として創刊された骨太紙「Trouw(誠実)」がアフガン女性に焦点を当てたロング記事を発表した。各分野で活躍するオランダ在住の女性たちの声である。気前よく全文読めるので、ここに邦訳し掲載する。まずは当サイト(ウエッブ・アフガン)でお馴染みの亡命詩人ソマイア・ラミシュのインタビューから。)
私はいつも神の存在を疑って来ました。学校で必須だった宗教の時間には、臆せず疑問をぶつけました。いつも門前払いでした。流れに逆らって泳ぐことで、救いは言葉にあり、自由は詩を書くことにあると気づきました。
1986年、私の家族はテヘランに逃げました。教室ではアフガニスタンから来た外人。イランの少女たちは机を共有したがりませんでした。ある日、私たちに先生が宿題を出しました、母親に手紙を書けと。その手紙を返すとき先生は言いました、「ソマイア、君の手紙は全くの詩だ。」彼女は私の手紙を額装し廊下に貼り出しました。それは私の最初の小さな勝利のごとく感ぜられました。
20240815
バームダード(亡命詩人の家) 日本の連絡先 柴田望さんからのお知らせ
来る11月の、『詩の檻はない』第2版の発行につきまして
日頃よりバームダード(亡命詩人の家)へのご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
昨年の本日8月15日、ソマイア・ラミシュさんの呼びかけに応じた詩人の皆様の作品を収録したアンソロジー詩集『NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM詩の檻はない』(日本語版)を発行することができました。
以降、フランス語版、オランダ語版も刊行され、現在も各国語版の準備が進められております。
この活動は、各地でのイベント開催、各メディアによる報道や文芸・詩誌での特集、各文学団体のご支持も賜り、昨年12月にはKotobaSlamJapan全国大会へソマイアさんの来日出演の実現など、大きなうねりとなり、いまも広がりつつあります。皆様からの多大なるご支援のおかげです。誠にありがとうございます。
・2024年11月3日に、次の書籍の発行を予定致しますことを、本日発表させて戴きます。
『ソマイア・ラミシュ詩集』(仮題)
岡和田晃・木暮純 共訳
『詩の檻はない』第二版
(数篇の作品追加と一部内容の修正)
昨年は4月15日、「世界芸術の日」に向けて作品を募集させて戴きました。
11月3日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」祝日であり、日本にはCulture Dayがあることを、海外の詩人の皆様にも知って戴き、この日を目印に取り組んで参る所存でございます。
鋭意準備を進めて参ります。引き続き皆様のご指導ご鞭撻を賜りたく、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2024年8月15日
柴田望
バームダード(亡命詩人の家) 日本の連絡先
〒070-0876 旭川市春光6条2丁目5番8号 柴田気付
℡ 090-3396-6685
tao81nozomushibata@gmail.com
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20240802
(WAJ: 『詩の檻はない』の運動をBaamdaad(亡命詩人の家)日本連絡先代表として推進する柴田望さんがこれまでの活動の概要をまとめて発表しました。「もっと読む」をクリックすると詳細な全文を閲覧できます。柴田さんの記事の下段にある二条さんのレポートと併せてご覧ください。柴田さんによれば『詩の檻はない』の第2バージョンを文化の日である11月3日発行予定で作業を進めているそうです。乞うご期待!)
20240730
NO JAIL 詩人の活動
(WAJ: 『詩界 第271号』(令和6年6月10日、日本詩人クラブ発行)にNO JAIL詩人の二条千河さんが、昨年、ソマイア・ラミシュさんの呼びかけによってはじめられた日本での詩作による連帯活動の推移を、詩人の目と体験にそって寄稿しました。日本の詩人たちのこの歴史的な連帯活動は本コーナーでも紹介してありますが、二条さんのレポートには、ソマイアさんからの呼びかけを受け止め、それが本となって出版され、ソマイアさんが日本に招待され、運動が広がっていく様が、一詩人の感性によってビビッドに描かれています。昨年が『詩の檻はない』元年とするならば、二年、三年、いや幾年かかろうとも、アフガニスタンに詩や芸術への弾圧や、そして女性たちの人権剥奪が止むまで、続けられることを願い、祈ります。なお、出版原稿は縦書きでしたが、本サイトでは横書きに変更させていただきました。ただし数字は漢数字のママ、段落など若干変更しました。)
<『詩界』No.271号 「国際」欄 pp.85-89>
アフガニスタンから世界へ
夜明けの兆し ~『詩の檻はない』元年を振り返る
本稿執筆中の今は、二〇二三年の師走である。この一年の自分の活動を振り返って特筆すべきトピックといえば、八月に出版されたアンソロジー『詩の檻はない ~アフガニスタンにおける検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議』、及び同書を発行したバームダード(Baamdaad)との関わりを外すわけにはいかない。私個人にとっても、もっと広い視野で見ても大きな事件であったと認識しているので、この機に経緯を整理しておこうと思う。
とはいえ私自身は、一連の出来事の中心人物ではない。あくまで脇役の一人の視点から見えた範囲のまとめであり、遺漏も多かろうことはご容赦願いたい。
■ 一月
十五日、アフガニスタンのタリバン暫定政権が詩作禁止令を発し、他の芸術活動や女性の社会活動等と同様に厳しい弾圧を行う。日本での報道は非常に少なく、私もこの時点では事態を把握していない。
■ 二月
オランダに亡命したアフガン詩人、ソマイア・ラミシュさんが「亡命詩人の家 バームダード(ペルシャ語で「夜明け」の意)」を設立。詩作禁止令への抗議の詩を募集し、四月十五日の「世界芸術の日」にウェブサイトで公開したいと世界中の詩人に向けて呼びかける。
日本にこのメッセージが届いたのは中旬のこと。ウェブマガジン「ウエッブ・アフガン」編集長の野口壽一さんを通して、いくつかの詩人団体へメールが送られた。これにいち早く反応したのが北海道詩人協会事務局長の柴田望さん。団体ではなく個人として情報の裏取りや募集要項の確認を行い、積極的なPRを展開する。
柴田さんのSNSで事の次第を知った私は、学生時代に見たニュース映像を思い出す。タリバンによって破壊されたバーミヤン大仏の、あまりに無残な姿。とはいえ詩の募集期限は三月一日(後に十日まで延長)、それまでに納得のいく作品が書けるとも思えず、まずは動向を注視しようと決める。ところがその夜、意に反して頭の中に淀みなく言葉が浮かんできて、詩「虹彩」が一気に書き上がる。こうなれば、呼びかけに応じない法はない。
要項では日本語のみでも問題なさそうだったが、念のため自主的に英訳をつけ、十日ほどの推敲期間を経て、メール添付にてラミシュさんへ送る。
■ 三月
世界中から百編を超える詩がバームダードへ届き、うち二十余編(後に三十編以上と訂正)が日本からだったと報告される。
■ 四月
上旬、集まった詩はフランスで書籍として出版されることになったと知らせが入る。日本語詩の仏訳については、機械翻訳をベースに小樽商大名誉教授の高橋純氏から監修を受けるという方法で柴田さんが用意するという。オランダにいるラミシュさんとの意思疎通や原稿のやりとりに苦労されている様子を聞き知っていたこともあり、拙作の訳文については自前で調達することを申し出る。英語版を原本に複数の翻訳機にかけて照合し、最低限の趣旨は通じそうな文面になったところで監修のみ依頼。やはり英訳を用意しておいてよかった。
十五日、二条個人のツイッター(現X)スペースにて「世界芸術の日 朗読&トークライヴ」を決行。ゲストに柴田さんをお招きし、ご自身および佐川亜紀さんの詩を朗読していただく。私も拙作を日英両バージョンで披露。ささやかな協賛企画だったが、実施後に柴田さんや佐川さんがいろいろな場で言及してくださり、リスナーから温かい感想も頂戴する。
■ 五月
あとはフランスでの出版を待つばかり、と思っていたら月末になって急展開。ラミシュさんから日本でも書籍を出版したい、それも八月十五日(二〇二一年にタリバンが政権を奪取した日)付けで、との要望があったと柴田さんより。あと二ヶ月半しかない!
■ 六月
柴田さんから執筆者校正原稿が届き回答。加えて、他の日本人執筆者のページ、北大名誉教授の安藤厚氏が日本語に訳した海外詩人の作品群、表紙・前文・あとがき等も含んだ全体の校閲を引き受けることになり、青木由弥子さん、岡和田晃さん、木暮純さんとともにチェックに当たる。十数回に及ぶ改訂の過程で、フランスから参加したセシル・ウムアニ氏の詩句より『詩の檻はない』という書名が確定。
■ 七月
上旬、柴田さんから入稿に間に合ったとの報告を受け一安心。発行後には旭川市で記念イベントを開催するとのこと、出演依頼を承諾する。
■ 八月
執筆者・関係者各位の熱心な情報拡散もあり、発行直前にアマゾン新着ランキングで詩部門第一位を記録。
そして十五日、日本詩人三十六名と海外詩人二十一名分の作品を収めた書籍がデザインエッグ社よりオンデマンド出版される。ペルシャ語版BBCやインデペンデント紙など、海外メディアでも話題になる。
二十四日、旭川市内の「まちなかぶんか小屋」にて朗読&トークイベント「世界のどの地域も夜」開催(旭川市教委が後援!)。道外からの動画出演も含む六名の詩人による朗読に加え、ウエッブ・アフガンの野口編集長、漫画家の日野あかねさんや写真家の谷口雅彦さんといった協力者各位もスピーチを寄せる。音楽家SAYOさんによるラヴァスト(ロシア楽器)の演奏や、オランダから届いたラミシュさんのビデオメッセージもあり、地域やジャンルを超えた広がりを予感するひとときだった。
当日の模様は後日、二条が洪水企画の「詩素」十五号(十一月発行)にて、主催の柴田さんが「フラジャイル」十九号(十二月発行)にて、他の登壇者もそれぞれの方法・媒体で報告している。
■ 九月
日が経つにつれ、各種メディアにおける『詩の檻はない』関連の報道・書評、寄稿詩人や賛同者によるPRなどさまざまな形での露出情報が相次いで届くようになる。「詩界通信」第一〇四号には、村田譲氏も出版や参加の経緯について寄稿している。
二十五日、日本ペンクラブ獄中作家・人権委員会が「アフガニスタンの詩作禁止令に対するソマイア・ラミシュさんの「詩による抵抗」/『詩の檻はない』出版によせて」と題した声明を発する。
二十八日、八月のイベントにも朗読動画を寄せた三木悠莉さんが、ご自身の運営するポエトリー・リーディングイベント「コトバスラムジャパン(KSJ)」の全国大会(十二月開催)へラミシュさんを招聘すると発表。翌々日、偶然ながら私も同大会への出場権を獲得し、図らずもラミシュさんと東京で対面できることに。
■ 十月
六日、朝日新聞デジタルのニュースサイト「with Planet」が、玉懸光枝氏によるかなり詳細なコラム「『詩作禁止令』に抗議 アフガニスタンへの連帯で詩集が生まれるまで」を掲載。同記事は翌月、J-WAVEのラジオ番組「JAM THE PLANET」の中でも紹介される。
十五日、『詩の檻はない』執筆者有志が横浜で朗読会を実施、ヤフーニュースに取り上げられる。会場ではアフガニスタン西部の(ラミシュさんがかつて議会議員を務め、今もご家族が暮らす)ヘラート州で七日に発生した震災への救援金も募り、約四万円の寄付につながる。
■ 十一月
四日、フランス語版書籍『Nulle prison n’enfermera ton poème』がOxybia社より刊行されたとの報。拙作を含む日本詩人の作品の仏訳も二十三編が収録される。
ロンドンのテレビ局「アフガニスタン・インターナショナル」の関連ニュース映像をネット上で確認。ラミシュさんへのインタビューや日仏の書籍の紹介に交じり、八月に旭川で行われたイベント風景、それもちょうど自分の朗読中の画像が流れて吃驚する。
■ 十二月
十五日、ラミシュさんがオランダから初来日。同日、私もKSJ全国大会出場のため北海道から上京する。
十六日、大田区の池上会館へ。大会開始前の待機中、ラミシュさんに挨拶する。その後、アテンドの野口さん、観客として来場された佐川さんも含む四人で会館屋上の展望台に上り、ささやかな談話タイム。異国の地で幼子を抱えて亡命生活を送りつつ、祖国の窮状を国際社会へ訴えるため精力的に活動を続けるパワフルなラミシュさんだが、十二月にしては例外的に温かな日差しの下、とても柔和な笑顔をされていたのが印象に残る。
大会が始まり、決勝前のゲストライヴにラミシュさんが登壇。ペルシャ語の詩朗読(字幕表示付き)の後には、ウエッブ・アフガン編集員の金子明さんによる通訳のもと、客席からの質疑にも応じる。
「タリバンは何を恐れて詩作を禁止したのでしょうか?」
「詩には力があります。人に影響を与え、社会を変える力があるからこそ彼らは恐れているのです」……
会場には音楽や演劇など文学以外の分野で活躍する参加者も多かったが、このとき初めてタリバンによる芸術弾圧について知った来場者も少なくなかったように思う。おそらく彼らは、今の私がそうであるように、今後はアフガニスタン関連のニュースをまったくの他人事とは思えなくなるだろう。それはまさに、ラミシュさんが最初の呼びかけの時点から世界に求め続けていることだ。
蛇足ながら、同大会における二条の戦績は準優勝。ラミシュさんの前で『詩の檻はない』を手に収録作「虹彩」を朗読するという目標は、準決勝の段階で達成された。
十七日、私は出席できなかったが、千葉県松戸市にてラミシュさんを囲む交流会がKSJ主催で開催される。他にもNHKのインタビューなどさまざまな予定をこなした彼女は、十九日に横浜にて三詩人(佐川さん、岡和田さん、大田美和さん)とともに行ったシンポジウムを締め括りとして、五泊六日の旅程を無事に終えたという。
二十五日の朝日新聞夕刊には、十月のデジタル版記事の抄録とともに、KSJ全国大会に登壇するラミシュさんの写真が掲載される。しかし来日時の彼女の活動について、各種媒体での本格的な報告や反響が見られるようになるのは年明け以降になるだろう。
今後の動きについて、バームダードでは日仏版に続く他の言語での出版も計画中とのこと。書籍から触発された詩人やアーティストたちが、独自に表現活動を展開している様子も見聞きしている。禁止することで、かえって新しい作品が次々と生み出されていく……実にありがちな皮肉ではある。
一年前には考えてもみなかった現在の状況を思えば、本稿が掲載されるころには何が起こっているか、想像もつかない。夜明けは、まだ遠いのだろうか。しかし少なくとも、遠のいてはいないことを信じる。
(原稿中のリンク設定はウエッブ・アフガン編集部)
20240717
NO JAIL 詩人の活動
「第24回 輝け九条! 詩人のつどいin 静岡」盛会裏に開催
2024年7月14日、静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で日本国憲法「九条の会」に賛同する詩人たち約70人が参集
以下、「つどい」でメイン講演をされた佐川亜紀さんから集会の報告をいただきました。下記に掲載いたします。
<佐川さんによる集会報告>
佐相憲一さん(全国よびかけ人)と井村たづ子さん(静岡の詩人)が息の合ったナビゲーターを務め、現地実行委員長の中久喜輝夫さんが、混迷する世界状況のなか、平和の会を静岡で開く意義を説かれました。代表世話人のあいさつでは、中原道夫さんが、2023年12月6日にイスラエル軍爆撃の標的になって殺害されたガザの詩人・リフアト・アルアライールさんの詩「わたしが死ななければならないのなら」を紹介し、小縦のりこさんが英文を朗読しました。
私は、「詩は世界の共通語」という演題で講演させて頂きました。
日本では、現代詩はマイナーな存在ですが、口語自由詩は、世界中でたくさん書かれています。とくに、最近、亡命詩人や難民詩人が発信する例が目立っています。パレスチナ、アフガニスタン、チベットの詩人などが国際的に呼びかけています。
以前から、民主化運動が活発になって、政府に弾圧されたとき、まず詩で訴えることが多かったのです。ミャンマー、韓国では市民が虐殺される厳しい状況を詩で世界に訴えました。
また、女性の人権を訴えるうねりも高まっています。アフガニスタンでは現在、女性の教育や就職、芸術活動も弾圧されています。それにたいして自由と表現を求めて女性が声をあげています。チベットでは、現代詩の創作がフェミニズムの始まりでした。
さらに、環境問題やIT技術の発展を詩で考える取り組みもあります。
チェコの詩人は、ガチャポンのロボット詩人を作り、問題提起しました。
韓国では、「生態(環境)詩運動」に早くから着手し、発展してきました。
現代詩には、多様な詩の在り方や方法がありますが、自由や人権を大切だと考える点では、共通しています。特に、自由詩は、自由が重要な価値観です。
日本では、今は、比較的自由に表現できていますが、まったく自由というわけではないでしょう。かつて戦争中は、非常に厳しい弾圧がしかれました。
表現の自由を守る日本国憲法は大事です。アフガニスタンで支援尽力した中村哲さんが、人道的な貢献をするにも憲法九条が大切だと述べられたことも忘れてはならないです。平和と民主主義は自由な創作活動を保障するものです。現代世界を生きる私たちは知らないうちに影響し合い、理解できることがあるはずです。表現の自由、個人の自由を求め続ける各々の詩人から共感と希望を感じ取りたいです。
パレスチナ亡命詩人、アフガニスタンのソマイアさんの詩、ミャンマー詩人、チェコ詩人、チベット女性詩人、韓国詩人について紹介しました。
ソマイア・ラミシュさんの詩と柴田望さん、野口壽一さんらの『詩の檻はない』の出版朗読活動、コトバスラムジャパンの招待、ことぶきのシンポジウム、フランスペンクラブのポエトリーナイトなどもお伝えしました。
第2部は、詩の朗読に入り、まず「1、静岡県の詩人たち特集」では、一人街宣を行っているさとう三千魚さんら計12名が、思いのこもったユニークな自作を朗読されました。
「2、県外から駆けつける詩人たち」では、まず、東大阪から駆けつけた丁章さんが「フラジャイル」に掲載した作品「詩を息をするように書いている」を朗読。神奈川の高細玄一さんは、自作詩「死は美しくない」「こどもを殺すな」を朗読し、13名が熱意にあふれた声で発表されました。
<自作詩を朗読するNO JAIL詩人の高細玄一さん>
『チベット女性詩人集』や『現代アジアの女性作家秀作シリーズ』を息長く出版されている東京の段々社の坂井正子社主も出席して下さり、アジアの女性作品を原語から邦訳して伝え続けた意義を語られました。
愛知県から、詩人の沢田敏子さん、大石ともみさんもご参加くださいました。沢田さんは、中国で投獄されたまま亡くなったノーベル平和賞受賞者・劉暁波についての詩を書いておられます。
さまざまな観点から、世界の戦争と平和、日本の九条を考える充実した集いでした。
最後に「詩人の輪」事務局長の洲史(しまふみと)さんが挨拶されました。
詳しくは、2024年12月発行予定の「詩人の輪通信」をご覧ください。
連絡先・「詩人の輪」事務局長 洲史 090・6933・8508
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20240714
NO JAIL 詩人、イベント予告
アフガニスタン 脅かされる命と表現
REALs(リアルズ) ×ペンクラブ 共催イベント
8月4日(日)午後2時~4時 日本ペンクラブ会議室
https://japanpen.or.jp/post-3685/
20240702
NO JAIL 詩人の活動
7月7日ガザ法要 ~ガザ・イスラエル紛争2023, 35,000名の殉教者のために~
(WAJ: 9カ月になろうとする、イスラエルによるガザ襲撃によるガザ民間人の死者は4万人に迫ろうとする。がれきの下の未確認の死者は1万人は下らないだろうと予測されている。それら犠牲者の一人ひとりには名前があるはず。それを調べ上げ、ひとりずつ朗読していくと一体どれだけの時間がかかるのだろうか。どんなに時間がかかろうともそれをやりとげようとする表現者がいる。声明・白拍子の桜井真樹子さんだ。彼女は世界アースデイの2024年4月22日、新宿区百人町「大久保ひかりのうま」で行われた特別公演「ガザ・パレスチナへの詩と歌」~第二のナクバに対して~の呼びかけ・開催者だ。モスレムであるはずの犠牲者を異教の仏教の祭事で弔っていいのか。ゼロから始めたアラビア語の学習の過程で思い悩み、苦労しながら、アラビアの人びとにといかけつつ、法要の実現に進んでいく桜井さんの苦悩が伝わってくる。それは、どうしようもない残虐な境遇に突き落とされた人々の嘆きを共有し、そのような現実を許さず、新しい世界をもとめる人としての心底からのうめきのように感じられる。桜井さんのガザ法要は7月7日だ。詳細は➡ https://webafghan.jp/noticeboard/#20240504 )
今回の文章は、私が「ガザ法要」を続けてきた私的な思いを中心に綴ってゆく。
留学からの帰国とガザ紛争の開始
テル・アヴィヴ大学の演劇学科の留学から帰国したのが2008年12月末だった。
それを待っていたかのように、2008年12月27日から「ガザ紛争」が始まった。
イスラエルとパレスチナの紛争は1948年のイスラエル建国宣言からではなく、1880年にシオニズムが現れた1880年ごろに始まり、そして1900年以降の20世紀の100年を超えて21世紀の今日まで続く紛争だ。ユダヤ教のオーソドックスがパレスチナに憧れて住みはじめるのと、ユダヤ人の国「イスラエル」を作る計画、そのために今まで住んでいた「パレスチナの先住民」を排除するという考え方、それがシオニズムだが、それは違うのだというのが、ヤコブ・ M・ラブキンの「トーラの名において」に書かれている。
興味を持っていただいた人は、ただ「パレスチナ問題」とか「ガザ・イスラエル紛争」をウィキペディアで検索していただくだけでも様々なことを知る機会になると思う。その中で自分が引っかかったことだけをとっても、ある意味パレスチナーイスラエルを通して世界を見ることになるだろう。
ガザ法要の始まり
イスラエルから帰国して広島の兄のところに行った時に2008年12月27日のガザ紛争は始まった。兄の家にはテレビがある。そこでアラブ各国がどのような声明を出しているか、というニュースが少し気になった。つまり、イスラエルを正式に非難しているのはイランだけだった。パレスチナはイスラームの国のスンニ派の人々が暮らしている。しかし、スンニ派の国々が口ごもっている中で、シーア派の多いイランがイスラエルを非難している。このときからイランという国の知識者層のこと、そして音楽、芸術、文学といろんなことを知ろうとするきっかけにもなった。
そして日本のテレビでは放映されない映像をアル・ジャジーラで観た。そこには逃げ惑う男性が家族を引き連れながら、インタビューに答えていた。「私たちにはわかっている。誰が敵なのか?イスラエルではない。敵は私たちを囲む同胞たちだ」と。逃げ惑うパレスチナ人たちは、人間が金や欲望で、信念、彼らから言えば「最も尊い信仰」を、いとも簡単に捨て去る人間の本質をよく知っていた。・・・
【全文を読む】
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20240625
(WAJ: 6月22日、快晴の横浜でNO JAIL 詩人・高細玄一氏の出版記念会が開かれた。第1詩集 「声をあげずに泣く人よ」と第2詩集「もぎ取られた言葉」の2冊。高細氏は、昨年ソマイア・ラミシュさんがターリバーンの詩作禁止に対抗して詩で抗議しようとの呼びかけに真っ先に応じ、「詩とともに」を発表。その後8月の『詩の檻はない』の刊行にむけて旭川の柴田望氏らと尽力し、同書の横浜での出版記念イベントやソマイア・ラミシュ氏を招いてのトークイベントなど、積極的に運動をリードしてきた。)
高細さんの詩「標的とされた希望—ゾラの復活を願う」(「もぎ取られた言葉」)の終連より
タリバンは音楽だけでなく詩を書くことも禁止した
私は書かなければならない
/9行略/
創造力はお互いを認め合う唯一の力
深夜のため息を積み重ねる
囚われているものを解き放す
何かにゆだねることなく「何か」の在り処を探し歩く
平和で戦争のない世界 「イマジン」の世界を想像する
夢かもしれない それでも今
夢を忘却せず 生きようとする時だ
詩を書く時だ
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(WAJ: 2024年6月15日「生誕100年・安部公房と旭川」と題して『詩の檻はない』の日本連絡代表の柴田望さんが、日本の文学運動の中に『詩の檻はない』の業績を位置づける講演をしています。必聴です。文末のYoutubeリンクで講演全体の映像を視聴できます。)
柴田さんの講演全文を日本語で読む [ここをクリック]
講演動画のフルバージョンはこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/nJCM1eTS91s?si=PKOQSWRFhJpMEQHU
講演録はこちらです。
https://fragile-seiga.hatenablog.com/entry/2024/06/18/123535
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20240607
オランダ語版『詩の檻はない』発刊!
2024年6月7日 Somaia Ramish さんのFacebookより
アフガニスタンにおける芸術の検閲と抑制に対する世界詩のアンソロジーがオランダの「ウィラム・ギズマン」出版社より出版されました。 この50の詩のアンソロジーでは、アフガニスタンの詩人や芸術家を支援し、検閲に反対するために掲載されています。 これらの詩は、オランダ、アメリカ、フランス、日本、インド、ブラジル、アルゼンチン、デンマーク、ネパール、ナイジェリア、バングラデシュ、イタリア、トルコ、カナダの著名な詩人たちが書いたものです… 呼びかけに応えて「バームダード(夜明け) – 亡命詩の家」と書かれています。 芸術禁止や検閲に反対する明確なメッセージを持つ世界中の詩。
このアンソロジーのフランス語と日本語訳は以前にも出版されており、同時にこの本のイタリア語訳の作業も進行中です。 「バームダード(夜明け) – 亡命詩の家」は、世界中から不正な検閲に反対し、アフガニスタンの詩と芸術の現状についての世界的な言説を生み出すことができた抗議運動です。 過去1年間で、数十の学会、文学シンポジウム、人権言論、インタビュー、記事の取り組み「バームダード(夜明け) – 亡命詩の家」が各国で実施されています。
私たちに詩を送って、この抗議活動に参加してくれたすべての詩人に心から感謝します!
左よりフランス語版、オランダ語版、日本語版
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20240605
『詩の檻はない』活動日録
Records of Activities of “NO JAIL CAN CONFINE YOUR POEM” Poets
(2021年8月から直近まで。Records from 2021 to recent days.)
2024年5月12日:ソマイア・ラミシュのエッセーや「詩の檻はない」への論評など掲載。『詩誌「フラジゃイル」第20号 記念号』(柴田望)への書評
2024年4月24日:ソマイア・ラミシュ他、「詩の檻はない」詩人グループ参加の下、詩と歌で、イスラエルのガザ攻撃に抗議(特別公演「ガザ・パレスチナへの詩と歌」~第二のナクバに対して~)
2024年4月12日:『詩の檻はない』日本語版発行の実務報告
2024年2月13日:グローバル・ポエトリー・ナイト:参加者からのメッセージ<III>
2024年2月4日:グローバル・ポエトリー・ナイト:参加者からのメッセージ<II>
2024年2月1日:「バームダード – 亡命詩の家」1年間の活動報告!
2924年1月24日:グローバル・ポエトリー・ナイト:参加者からのメッセージ<I>
2024年1月21日:世界の詩人が参加し地球を一晩で一回りするZoomによる世界詩の朗読会=グローバル・ポエトリー・ナイト: 検閲に対する抵抗の灯台
公開日: 2024 年 1 月 21 日午前 3 時 55 分ヨーロッパ東部標準時 | 更新日: 2024 年 1 月 21 日午前 4:02 (EST)
Global Poetry Night: A Beacon of Resistance Against Censorship
2024年1月21日:ソマイア・ラミシュ、江藤セデカ、野口壽一、NHKのペルシャ語放送に出演
2024年1月14日:<シンポジュウム> 完全収録 ソマイア・ラミシュ vs 日本の詩人たち アフガニスタンと日本の詩人による知性対話 言論の自由と女性の地位、社会の解放について
2023年12月27日:<WAJ 視点:086>詩には社会を変える力がある ~ソマイアさんのつむじ風 初来日~
2023年12月25日:<詩>「 O.K. 」 柴田望、発表(『詩の檻はない』刊行までの詩によるレポート)
2023年12月19日:ソマイア・ラミシュ、横浜市ことぶき協働スペースでのシンポジュウム「アフガニスタンと日本の詩人による知性対話 言論の自由と女性の地位、社会の解放について」に出席
2023年12月16日:ソマイア・ラミシュ、KOTOBA SLAM JAPAN 2023(於:東京都大田区池上会館)にて講演、詩朗読のパフォーマンス
2023年12月15日~12月20日:ソマイア・ラミシュ来日講演
2023年12月4日:<WAJ 視点:084>ソマイア・ラミシュさん来日に寄せて
2023年12月2日:ソマイア・ラミシュ来日公演決まる。「ソマイア・ラミシュさん来日。イベントにご参加を!」
2023年10月23日:『詩の檻はない』フランス語版、発刊!
2023年10月23日、ヘラートとガザで同日に悲劇発生。「ヘラートとガザへ、緊急支援のお願い」
2023年10月15日:『詩の檻はない』朗読会~横浜・寿からアフガニスタンへ、世界へ!~
2023年9月27日:日本ペンクラブが『詩の檻はない』を推薦
2023年9月24日:『詩の檻はない』の刊行の意味について今回の詩作運動にかかわった岡和田晃の意義付け。「詩の持つ力を信じて~岡和田晃さんに聞く~」
2023年9月11日:旭川『詩の檻はない』発行イベント 全記録
2023年9月4日:日本ペンクラブも『詩の檻はない』を推薦。「 ロッテルダムから旭川へ、旭川から世界へ」
2023年8月24日:旭川市「まちなかぶんか小屋」にて旭川『詩の檻はない』発行イベント挙行
2023年8月17日:ニールファー・ランガー(independentpersian.com)、『詩の檻はない』の日本語版発刊の意義について論評。「アフガンでの検閲に反対する世界の詩人 詩集を日本語で公開」
ニールファー・ランガー
2023年8月15日:日本語版『詩の檻はない~アフガニスタンにおける検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議』、アマゾンで発売開始
英語タイトルは「NO JAIL CONFINE YOUR POEM A poetic Protest Against Censorship and Suppression of Art in Afghansitan」
アマゾンで購入できます。ここをクリック
2023年8月14日:<WAJ視点:073>『詩の檻はない』~アフガニスタンにおける検閲と芸術の弾圧に対する詩的抗議~
2023年6月13日:インターネット時代、SNS時代を反映した、歴史的にもまれな芸術活動についてその意義を解説。「詩作の禁止と検閲を跳ね返す闘いに詩で連帯」(野口壽一)
2023年6月3日:世界中から寄せられたプロテスト・ポエムをフランスと日本で書籍発行することが決まり、活動が同時進行!
オランダの「バームダード―亡命詩人の家」へ、世界中から続々と詩が寄せられる
世界から100篇以上の詩が寄せられる。
2023年4月5日:柴田望、自身が主宰する詩誌「フラジャイル」第17号に「言葉の繫がりの波立ち」のタイトルでソマイア・ラミシュの呼びかけに日本の詩人がどのように応えてきたかをレポート
2023年4月1日:アフガニスタンの独立系メディア『ハシュテ・スブ(午前8時)』がターリバーンとの戦いにおける文学や芸術の価値について論究。「アフガニスタンにおける文学と芸術の不在」
2023年3月24日:ソマイア・ラミシュ、日本の詩人たちの呼応に対し返礼。「感謝! 日本の詩人のみなさまへ」
2023年3月24日:ソマイア・ラミシュの呼びかけに柴田望(北海道詩人協会)が中心となり日本の詩人へ訴えを伝播。「アフガン詩人の呼びかけに応える日本の詩人たち」
2023年3月10日:ソマイア・ラミシュ、アフガニスタンの女性のための言論フォーラムにて「亡命アフガン女性の詩について」を発表
2023年3月7日:アフガニスタンの男子学生に対して、「アフガニスタンの女学生から君たちへ」のアピール発せられる
2023年2月25日:ソマイア・ラミシュ、「バームダード―亡命詩人の家」を設立し、ターリバーンの詩作禁止に抗議する世界詩人のセンターとする
2023年2月17日:柴田望、『ウエッブ・アフガン』を通じて受け取ったソマイア・ラミシュのアピールを日本の詩人たちに伝達開始
2023年2月14日:ソマイア・ラミシュ、世界の詩人に向け、詩によってターリバーンの圧政に抗議する運動を呼び掛ける「アピール:世界中のすべての詩人の皆さんへ」を発表
2023年1月15日:ターリバーン、詩作の禁止、検閲など表現に関する制限を発表
2023年1月8日:ソマイア・ラミシュ、オランダの日刊紙に「アフガニスタンは今や真の全体主義軍事国家」を発表
2022年5月9日:女性に公共の場でのヒジャブやブルカ(チャドリ、全身を覆う衣服)着用を義務付けるターリバーンの強要に対し、ソマイア・ラミシュ、「ヒジャブ着用命令の義務化に反対」とSNSで世界に向けてアピール
2021年9月~ ターリバーン、ドーハ同意を覆し、第1次ターリバーン政権時と同様の政策実施。特に女性の権利抑圧、隔離を強行。シャリーア法に依る支配を宣言し、歌舞音曲、表現の自由などを抑圧、体罰などを実施
2021年9月18日:ソマイア・ラミシュ、SNSで世界に向けて「アフガン女性への抑圧をやめよ!」とアピール
2021年9月1日:ソマイア・ラミシュ、「ガニーを逮捕せよ/Interpol Arrest Ghani」を「WabAfghan in Japan」にて日本語版発表
2021年8月末: 米ほか外国軍撤退
ー-------ガニー政権崩壊
2021年8月15日:ターリバーン、カーブルを占拠
すべてはここから始まった
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このページの趣旨について
2021年、アフガニスタンの女性詩人ソマイア・ラミシュの呼びかけによって始まった、
表現の自由や人権をもとめて闘うアフガニスタンの人びとに連帯する、
2023年の『詩の檻はない』の日本とフランスでの出版、
2024年1月の一日かけて地球を一回りするグローバル・ポエトリー・ナイトの試み、
さらにはこれらの活動と連動して各国で展開されるさまざまなイベント、
それらは詩の世界のみならず、国際的で現代的な連帯活動となる、
歴史的な偉業でした。
その活動をさらにひろげ、継続してゆくためにこのページを作りました。
わたしたちはこの活動に参加する詩人や作家、さらにその作品を愛し広げる人びとを
『詩の檻はない』グループと呼ぶことにしました。
ぜひこのページを、みなさんの作品の発表や活動の報告、
世界に向けた発信の場として活用してくださることを切に希望します。
2024年6月5日
『ウエッブ・アフガン』編集発行人
野口壽一