Taliban Internet Shutdown: Afghanistan Plunges into Silence and Total Darkness
(WAJ: 今月、ターリバーンはアフガニスタン全土のインターネットの光ファイバーネットワークを遮断した。リアルの場から排除され、自宅でオンライン学習に励んでいた女性や少女らをはじめ、ジャーナリストやビジネスパーソン、はては社会インフラに従事する人々までケーブル経由のインターネット接続ができなくなった。かろうじて携帯電話でのモバイル通信は可能だとしても、国民はとんでもない不便をかこつことになる。ターリバーンを賛美するユーチューバーたちさえも活動の場を奪われる皮肉な事態を生じてさえもターリバーンが今回の措置に踏み切らざるをえなかった背景には、国民のターリバーン支配への不満があり、支配の実態が外部世界に漏れることへの恐怖がある。アフガニスタンの人びと、とくにジャーナリストは今回の措置はたんなるジャーナリズムに対する弾圧・抑圧ではなく、基本的人権に対する冒とくである、と糾弾している。筆者はこの論考の締めくくりとして、SNS使用禁止への抗議で首相を退陣させたネパールの人びとの闘いにふれている。)
暗闇と沈黙に落とし込められるアフガニスタン
エリナ・カラム:ハシュテ・スブ・デイリー(アフガニスタンの独立系メディア)
2025年9月21日
ターリバーンが複数の州で光ファイバーインターネットの遮断を命じたことを受け、複数のジャーナリストが、この措置により報道が極めて困難になり、情報提供がほぼ不可能になったと述べている。(訳注:現在では遮断は全土に及んでいる。)彼らは、この状況が続けば、アフガニスタンは完全な沈黙に陥るだろうと付言している。ジャーナリストたちは、この制限は日々の取材活動に支障をきたすだけでなく、情報の自由と国民の知る権利を脅かすと主張している。彼らによると、ターリバーンは自らの政策に反するコンテンツの拡散を防ぐためにこの措置を講じたという。
これらジャーナリストの一部は、ハシュテ・スブ・デイリーに対し、高速インターネットの遮断は前例のないレベルの検閲を課し、ジャーナリズム活動と国民の情報アクセス権の両方を損なうだろうと述べた。彼らは、このままではアフガニスタン全土で広範な弾圧が始まる可能性があると警告している。ターリバーンはこれまで以上に弾圧を拡大し、国際的な監視を弱める可能性があると彼らは見ている。
カーブル在住のジャーナリスト、アブドラ氏(仮名)は、同国における光ファイバーインターネットの遮断について懸念を表明し、これは表現の自由と人権の露骨な侵害だと述べた。彼は、インターネットをフィルタリングできないターリバーンが、情報の流れを深刻に阻害する完全な遮断に踏み切ったと考えている。
彼はさらにこう付け加えた。「現在、ジャーナリズム活動の最大90%はオンラインで行われている。記事の準備・執筆から出版・配信まで、すべてがインターネットに依存している。アフガニスタンでインターネットが使えなくなると、深刻な危機が生じる。ターリバーン政権下では、最も深刻な人道危機となるだろう。」
バグラーン州のジャーナリスト、ラヒムラ・カリミ氏は、過去4年間、ターリバーンは主にメディアへの規制と圧力に重点を置いており、表現の自由を支持したり強化したりする兆候は全く見られなかったと述べた。また、ターリバーンはジャーナリストによる犯罪の暴露を恐れており、だからこそ国民のインターネットアクセスを遮断しているのだとも付言した。
カリミ氏は、ターリバーンの今回の行動はアフガニスタンのジャーナリズムの将来にとって深刻な脅威であり、人々の声を封じ込めるものだと考えている。彼はさらにこう述べた。「無実なら国王を恐れる必要はない、と彼らは言う。では、彼ら(ターリバーン)は何も恐れることがないのなら、なぜメディア、インターネット、個人の自由、そして職業上の自由を恐れるか? 世界が火星移住の準備を進め、実験を行っている一方で、われわれはインターネットの是非をめぐる終わりのない議論に巻き込まれている。他の国々は、たとえ制限を設けていても、代替手段や同等の手段を講じ、情報技術に関する科学的知識と専門知識を持っている。しかし、われわれには何があるというのか?」
もうひとりのジャーナリスト、フェレシュタ氏は、インターネットへのアクセス遮断によって自身のキャリアの将来が危うくなったと述べた。メディアが既に検閲と厳しい規制に直面している現状において、インターネットへのアクセスを遮断すれば、ジャーナリストは事実上、職務を続けることが不可能になると彼女は強調した。フェレシュタ氏の視点から見ると、ターリバーンは独立した外国メディアと社会の知識層を恐れている。だからこそ、インターネットへのアクセスを遮断したのだ、と。ターリバーンは、忠実な地元ジャーナリストを利用して外の世界に対するイメージを覆い隠し、国際社会からは抑圧と圧政の実態を隠蔽しようとしているのだ。
彼女はさらに、「インターネットが安価でアクセスしやすい時代、多くの事実やターリバーンの犯罪がメディアを通じて暴露されました。しかし今、彼らはインターネットを制御できなくなり、国民にたいして完全に遮断することを決定しました。インターネットへのアクセスを遮断することは、表現の自由を著しく制限するものです」と述べた。
一方、一部のメディア支援団体は、ターリバーンによるインターネット遮断は国内外の情報の流れを深刻に阻害し、国民から情報への自由なアクセスという基本的権利を奪っていると警告している。これらの団体は、21世紀におけるターリバーンの行動を「大惨事」と呼び、この決定は人権原則と国際法に反するものだと声をあげる。
アフガニスタン・メディア支援機構(AMSO)のハメド・ウバイディ代表は、インターネットへのアクセスを制限または遮断することは、メディア活動、特に市民ジャーナリズムに悪影響を及ぼすと述べた。さらに、「インターネットは情報の流通において重要な役割を果たしています。インターネットがなければ、情報へのアクセスはどのようにして可能になるでしょうか? 権威主義体制が敷かれ、情報の自由な流れが既に厳しく制限されているアフガニスタンのような国では、このギャップを埋める唯一の手段はインターネットとソーシャルメディアです。これらは、市民が沈黙を破り、世界中に声を届けることを可能にする手段です」と付け加えた。
「亡命ナイ」の代表ムジブ・カルワトガー氏は、アフガニスタンにおけるインターネット遮断によって、犯罪、事件、そして広範な人権侵害の記録が妨げられていると述べた。彼は次のように警告した。「ターリバーンの今回の行動は、アフガニスタンの人々に対して犯されている犯罪を覆い隠す厚い幕を張るようなものだ。一般の人々も人権団体も、人権侵害を記録することができない。この状況は極めて危険だ。なぜなら、アフガニスタンの人々への圧力を増大させ、暴力を振るい、人々の権利を踏みにじる自由をターリバーンに与えることになるからだ。」
同時に、一部のメディア活動家は、インターネットの遮断はジャーナリストの仕事に直接的な影響を与え、情報へのアクセスを著しく制限していると述べた。彼らの視点から見ると、アフガニスタンにおける光ファイバー高速インターネットの遮断は、明らかに、情報の自由な流れを検閲し、統制しようとする試みである。
メディア活動家でテクノロジー専門家のファルハド・ファクリ氏は次のように述べた。「これらの制限を回避する解決策は存在します。ジャーナリストはスターリンクなどの衛星インターネットを利用すれば、これらの障害の一部を克服できます。しかし、現在の傾向が続けば、現地の通信さえも遮断され、ジャーナリストは正確な情報を収集できなくなります。仮に入手できたとしても、厳しい検閲を受けることになるでしょう。アフガニスタンの若者が開発したNetChainのようなプロジェクトも、インターネットへの自由なアクセスを可能にするために前進しています。なぜなら、まだどの国もインターネットを完全に制御することに成功していないからです。」
国境なき記者団スペイン支部の理事でジャーナリストのカディジャ・アミン氏は、ターリバーンはインターネットへのアクセスを遮断することでメディアを組織的に統制し、表現の自由を排除しようとしていると述べた。
彼女はさらにこう付け加えた。「国境なき記者団の理事として、私はインターネット遮断を明白な人権侵害とみなします。なぜなら、この措置により、アフガニスタンの出来事に関する情報や生データにアクセスできなくなるからです。もしこの状況が続くならば、深刻な措置を講じなければなりません。これは決して容認できるものではなく、信頼できるものでもありません。」
以前、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は、ターリバーンが複数の州で高速インターネットを遮断する決定を「前例のない検閲の強化」と評し、無条件のアクセス回復を求めていた。
幅広い反発が広がる中、人権活動家連合は、アフガニスタンの光ファイバーインターネットを遮断するというターリバーンの決定を「表現の自由、情報へのアクセス、世界とのつながりという人々の基本的権利に対する直接的な攻撃」と呼び、非難した。
ターリバーンは先週、バルフ州で光ファイバーインターネットの遮断を開始し、現在では国内のほとんどの州に広がっている。ターリバーンはこの措置の目的は「不道徳」を防ぐためだと主張している。
最近、ネパールでソーシャルメディアプラットフォームのフィルタリングが若者の激しい反発を引き起こした。国民の怒りはエスカレートし、抗議者たちは国会議事堂に放火し、最終的には政府の崩壊に至った。