The Taliban have ruled Afghanistan for 3 years. Here are 5 things to know

(WAJ: アフガニスタンの独立系テレビ局amuTVが8月22日に伝えるところによるとターリバーンは新しい「勧善懲悪法」を布告した。それは IS(イスラム国)が定めているシャリーア法(イスラム法の解釈)ときわめて類似していると批判されている規定の数々であり、もはやコーランの教えにも反する教義と言えるのではないか。しかしそのようなターリバーンは国内で地歩を固め、同時に外交活動を活発化している。外部世界は自国の利害のみで動くのではなく、ターリバーンが現在の人類世界においていかなる存在なのかを直視し、行動しなければならない。「主流メディア」のAP通信が現在のアフガニスタンをどう見ているか、知っておく必要がある。)

 

リアザット ・バット(AP通信)
2024年8月14日

アフガニスタン、カーブル(AP通信):ターリバーンがアフガニスタンを支配してから3年が経った。彼らは反乱軍から権力へと変貌し、イスラム法の解釈を押し付け、自らの正当性の主張を強化しようとしてきた。


ターリバーンは水曜日(14日)、アフガニスタンの元米軍基地で政権復帰3周年を祝ったが、国の苦難や苦境に立たされた国民への希望の約束については何も語られなかった。(AP通信ビデオ撮影:モハマド・ハビブ・ラハマニ、制作:ファゼル・ラハマン・ファイジ)
ターリバーンは、アフガニスタンの正式な統治者として国際社会から認められていないにもかかわらず、中国やロシアなど域内の大国との高官級会合を楽しんでいる。アフガニスタンの女性や市民社会が会議の席を与えられなかった一方で、ターリバーンは国連主催の会議にも出席した。(訳注:トピックス欄、第3回ドーハ会議関連記事「女性団体はドーハでの国連会議参加者はアフガニスタンの女性を代表していないと主張」など参照 )自分たちこそがアフガニスタンの唯一の真の代表者だと自称するターリバーンにとって、これは勝利だった。

彼らの統治に対する国内の異議申し立てはなく、海外でも異議申し立てを支持する動きはない。ウクライナとガザでの戦争が国際社会の注目を集めており、アフガニスタンはかつてのようなテロの脅威ではない。しかし、課題は残っている。

権力者ターリバーンについて知っておくべき5項目

文化戦争と報酬

ターリバーンの最高指導者は、ピラミッド型の統治システムの頂点で徳の象徴として居座っている。モスクと聖職者の存在を一方として、もう一方にはその聖職者の決定を実行し外国の政府高官と会談するカーブル政権が存在している。

「過激主義にはさまざまなレベルがあり、ターリバーンは強硬派と政治的実用主義者の不安定な連合体を形成している。それが彼らを文化戦争に巻き込んでいる」と中東研究所の非常勤研究員ジャビド・アフマドは語る。

最高指導者ハイバトゥッラー・アフンザダが政権を握っている限り、最も物議を醸している政策が覆される可能性は低い。そして最高指導者は引退も辞任もしない。死ぬまで指導を続けるのだ。

クライシス・グループ(訳注:https://www.crisisgroup.org/who-we-areの南アジア・プログラム所属のイブラヒム・バヒスは、意見の相違によってターリバーンが分裂するだろうとの観測は希望的にすぎないと述べている。「ターリバーンは団結しており、今後何年も政治勢力であり続ける。彼らはひとつのグループとして統治し、ひとつのグループとして戦うのだ。」

団結を維持し規律を保つため、熟練したターリバーンは戦場から官僚機構へと変化し、政府や各州で要職に就いている。

「反乱軍で重要な役割を果たした彼らには報酬を与えなければならない」とアフマドは語った。その他の特典としては、州の運営に自由に関与できることや、3人目または4人目の妻を持つことの許可、新しいピックアップトラック、関税の一部、家の鍵などが挙げられる。

国を運営する

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ターリバーン戦闘員がアフガニスタンのカーブルをパトロールしている。2021年8月19日木曜日。(AP Photo/Rahmat Gul、資料)

バヒスは「現代で最も強いアフガニスタン政府。村レベルにまで命令を下すことができる」とターリバーンを評している。

公務員は国家の運営を担っており、正式な教育や技術教育を受けている可能性が高い。しかし、民間機関を率いるターリバーンは、そうした機関がどのように運営されているかについて適切な知識を持っていない。「彼らの資格は神から与えられたものだ」とアフマドは語る。

国際民主主義・選挙支援研究所(訳注:スウェーデンに本拠を置く国際組織 https://www.idea.int/のリーナ・リッキラ・タマンは、ターリバーン統治の正当性はアフガニスタン人からではなく、彼らの宗教と文化の解釈から来ていると語る。

もし政府が国民の信頼と賛同、国際的勢力による承認、選挙などの手続きを通じた正当性によって定義されるのであれば、ターリバーンは政府としての資格がない、と彼女は述べている。

明かりを灯し続ける

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2023年11月4日、アフガニスタンのトルカムにあるパキスタンとアフガニスタンの国境近くのキャンプに定住するアフガニスタン難民。(AP Photo/Ebrahim Noroozi、資料)

アフガニスタンの経済は弱体化している。2023年時点でも外国援助は同国のGDPの約30%を占めている。

国連は過去3年間に少なくとも38億ドルを国際援助機関に投入した。米国は依然として最大の援助国であり、ターリバーンが政権を乗っ取って以降30億ドル以上の援助を送っている。しかし、資金の流れを追う役目を持つ米国の監視機関は、多くが税金で取られたり流用されたりしていると述べている。

「資金が資金源から離れれば離れるほど、透明性は低下する」とアフガニスタン復興特別監察官(訳注:アフガニスタンにつぎ込むリソースが適正か否かを評価する米政府の組織 https://www.sigar.mil/で監査と点検を担当する副監察官、クリス・ボルゲソンは語る。

ターリバーンは活発に課税も行っている。2023年には約29億6000万ドルを徴収した。しかし、これは巨大で複雑なニーズを抱える国家財政としては大した金額ではない。ターリバーンには経済を刺激する手段がない。

中央銀行は紙幣を印刷できない。紙幣は海外で印刷される(訳注:アフガニ札の印刷はポーランドで印刷されている。https://afghan.caravan.net/topics/#20221109a。イスラームでは利子が禁じられているため利子取引は禁止されており、銀行は融資を行っていない。ターリバーンは政府として認められていないため資金を借りることができず、国際銀行業務は遮断されている。

自然災害や、パキスタンから帰国を迫られてアフガニスタンにもどるアフガン難民の流入は、国家が必要不可欠なニーズを満たすために海外援助に依存せざるを得ない事実を浮き彫りにしている。

国際社会が将来そのような援助を送らなければ、大きなリスクとなる。「アフガニスタンが国際社会から受け取る資金が減り始めることは明らかだ」と世界銀行のアフガニスタン担当上級エコノミスト、ムハマド・ワヒードは語る。

経済へのもうひとつの大きな打撃は、ターリバーンが女性の教育とほとんどの雇用を禁止したことで、アフガニスタンの人口の半分が、本来、経済を強化できる消費と納税から排除されていることである。

さらに、ターリバーンの麻薬撲滅政策は「何千何万人もの農民の生活を破壊した」とバヒスは述べ、「国民が今は満足しているからといって、その状態が続くとは限らない」と警告した。

外交と国際舞台

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国営WAM通信(訳注:Emirates News Agency)が公開したこの写真では、アラブ首長国連邦の指導者でアブダビ首長のシェイク・モハメッド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン(左)が、2024年6月4日、アラブ首長国連邦アブダビのカスル・アル・シャティ宮殿でターリバーン幹部のシラージュッディン・ハッカーニと握手している。(AP通信経由WAM、資料)

バヒスは、アフガニスタンは集中する大国と隣接する小国であり、アフガニスタンが安定している方が良いという合意が域内にあると述べている。

しかし、凍結された数十億ドルの資産を解放し、制裁を解除するには、西側諸国、特に米国からの支持が鍵となる。

ターリバーンが持つ中国、ロシアとの関係は、両国が国連安全保障理事会の常任理事国である点で重要である。また、両国は、政府の正当性を認めるか認めないかを決定する国連資格審査委員会にも議席を持っている。

今のところ、湾岸諸国は二股かけてターリバーンと関係している。「カタールは仲介に取り組むリーダーと見られるのを好んでいたが、(アラブ首長国連邦が)特に国際航空の支援を通じてその立場を奪っている」とバヒスは語る。

今年(訳注:6月4日)行われたUAE首脳と、過去の攻撃の廉で米国に賞金をかけられているターリバーン幹部(訳注:会談のアフガン側代表シラージュッディン・ハッカーニ内務相は米政府から最高1千万ドルの賞金をかけられている)との会談は、ターリバーンへの対処方法をめぐる世界的な溝の拡大を浮き彫りにした。

<参考記事>米国から1000万ドルの懸賞金をかけられているタリバン幹部と会談
https://apnews.com/article/emirates-afghanistan-taliban-sirajuddin-haqqani-5a2c407eee5b0d37e4cf37511b550232#

 

ターリバーンは、政府としての自分たちの実力を強調し、国が平和でサービスが提供されていることを示すことに熱心だと、英国エクセター大学の国際関係学講師ウィーダ・メランは述べる。

アフガニスタンはターリバーンの弾圧により数十のメディアを失ったが、同国の指導者たちはソーシャルメディアの影響を理解している。ソーシャルメディアのコンテンツはイスラム法への取り組みを世界に知らしめることを目的としており、アラビア語によるメッセージが重要なのだ。

「この国で起こっていることに関する、薄められ、ごまかされた説明だ」とメランは語る。

 

落ち着いたが、安全ではない

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2021年12月5日、アフガニスタンのカーブルにあるコンビニエンスストアから出てくるアフガニスタン人女性。(AP Photo/ Petros Giannakouris、資料)

ターリバーンは検問所、装甲車、数十万人の戦闘員によってアフガニスタンを落ち着かせた。しかし、自爆攻撃やその他の攻撃による民間人の犠牲者が後を絶たず、特に女性や少数民族にとってアフガニスタンは安全ではない。

イスラム国のグループは、シーア派が大多数を占めるカーブルのダシュテバルチ地区を繰り返し攻撃している。警察は攻撃の事実や死傷者の数を確認するのが遅く、捜査が進行中だとメディアに伝えているが、誰かが裁きを受けるかどうかは明らかにしていない。

より新しい現象は、アフガン女性たちが不安を感じていることで、それはターリバーンが女性に対して衣服、仕事、旅行に関する法令を課していること、特に旅行の際には男性の保護者同伴を義務付けていることによる。

「主流メディアあてのメッセージは、ターリバーン政権下のアフガニスタンは大丈夫、治安は良好だということ。でも私が問題にしているのは、あのね、いったい誰の治安について私たちは述べているのかしら」とメランは語る。

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