特定非営利活動法人 警備人材育成センターは、本部はさいたま市。地域に根ざした安全向上活動・ボランティア活動に加え、警備員資格取得をめざす各種講習会・イベントなどを実施している。それら人材育成事業や警備業における雇用機会の充実を支援する警備員キャリア情報サービス事業を展開している。誰もが安心して暮らせる社会の創造をめざし活動している団体だ。

同センターは、2023年に設立10周年を迎えた。そしてそれを機に、アフガニスタンの人びとの人権擁護、子供の健全育成と平和推進に向けた支援活動の一環として、NPO法人イーグル・アフガン復興協会(イーグルアフガン明徳カレッジ(EAMC)の推進母体)に定期的な支援をしてきた。

今年9月9日に第5回の支援金贈呈式がKDDI大手町ビルにある外務精励会大手町倶楽部で挙行された。

江藤セデカ理事長に目録を贈呈する松浦晃一郎理事長。左が千葉明徳学園福中理事長、右がEAMAボランティア・スタッフのバハールさん

贈呈式には、警備人材育成センターから松浦晃一郎理事長(元ユネスコ事務局長)、篠塚理事、野村事務局長らが出席。

来賓には、会場の外務精励会大手町倶楽部をご提供いただいた元外務省中東アフリカ局長・鈴木外務精励会理事長ほか、鈴鹿元在アフガニスタン日本大使、国連から嘉治UNHCR協会理事、また藤田難民事業本部長、原JICA理事諸氏が来席、挨拶をされた。

松浦晃一郎理事長は、1965年にアフガニスタンを訪問した時の思い出などをふまえ、天変地異や政治がらみの現在の厳しいアフガンの状況のなかで、支援の活動を続ける意味が強調された。鈴鹿大使は前回同様、アフガニスタン国民に直接届くようにと現地ダリ語で連帯の挨拶をされた。今年はターリバーン復権4年目となり、直近で大地震もあり、緊迫した雰囲気のなかでの緊張感が感じられた。特に新しく難民事業本部長に就任された藤田氏からは、22、23.24年と続けて500名近いアフガン難民が認定され、支援が待たれている状況が報告され、支援の必要性が確認された。

ことしの贈呈式で特筆すべきは、学校法人千葉明徳学園の福中理事長が招待されたことである。同理事長は2023年秋にイーグル・アフガン復興協会の要請を受けて日本語教室に施設を開放した経緯から、女性だけでなく、家族の世話が必要、とくに子供の教育が重要と挨拶の中で強調された。在日アフガン人が地域で孤立したり摩擦が生じたりしないようにしたいと述べられたのは印象的であった。

贈呈を受けたイーグル・アフガン復興協会からは江藤セデカ理事長から、日本語教室では語学教育のみならず女性たちが家から外に出る勇気を与えた、と生活の質の改善をも実現したことが報告された。また、日本語教室のボランティアスタッフとして活動する元アフガニスタン女性問題省職員で日本に避難してきているバハールさんが謝辞をのべた。

千葉でアフガン女性に日本語支援を行っているイーグルアフガン明徳カレッジの支援の幅は語学支援にとどまらず、子弟の教育や家族の生活支援など広範囲に及んでいる。そして寄せられる支援が確実に生かされている現場でもある。