Inside Taliban religious schools: What girls are taught
(WAJ: 日本政府はUNICEFを通じて、アフガニスタンの7万人以上の子供たちの教育の質を向上させるため、13億2800万円の無償資金協力を実施している(ここを参照)。だが、アフガニスタンでの教育の問題は、教育リソースの不足や女子差別だけではない。もっと重要なことは教育の中味だ。ターリバーンは、イスラム諸国の中で実施されているようなレベルの世俗教育をも否定し、ターリバーン独特の偏狭なシャリーア法にもとづく宗教教育を全国的に推進しようとしている。宗教教育の実施はその内容が極端に反社会的でない限りその国の内政問題かもしれないが、世俗教育を排除・禁止して国民に宗教教育を強制するとなるとアフガニスタンの国内問題として目をつぶるわけにはいかない。同時代の世界的課題となる。とくに日本のわれわわとしては貴重な日本の国税がターリバーンの教育政策を助けるために使われることになるからより一層である。)
シャリフ・アミリィ:アムTV(アフガニスタンの独立系テレビ)
2024年10月2日
ターリバーンが運営する宗教学校に通う女子生徒の中には、教育が伝統的なイスラームの勉強だけでなく、「ムジャヒディズム」(聖戦士)の子どもを育て、夫に仕える方法にも重点を置いているとアムTVに訴えた者が数名いる。これは、自分たちが現代的な科目を避けるよう命令されており、カリキュラムの多くが過激な思想を奨励しているとの報告である。
2021年8月にターリバーンが政権に復帰し、その後ほとんどの女子の正規教育(訳注:中高以上)が禁止されて以来、多数のアフガニスタンの女子が、教育を受ける唯一の選択肢として宗教学校、つまりマドラサに頼らざるをえなくなった。
伝統と過激主義に根ざしたカリキュラム
ターリバーンが運営する女子マドラサのカリキュラムは3つのレベルに分かれており、主にイスラム法学と宗教書に重点が置かれている。女子生徒は、サルフ・バハーイー(アラビア語文法)、シュルート・アル・サラー(祈りの条件)、ザド・アル・タリビン(宗教書)、ダールス・アル・バラガ(修辞学)、ウスル・アル・フィクフ(法学の原則)などの科目を学ぶ。
こうした正式な授業に加えて、生徒たちは社会における女性の役割について、家事、夫への服従、ジハードのための子供の育成を強調した非公式の指導も受ける。
かつて医者になることを夢見ていた元中学2年生のファティマさんは、ターリバーンが女子校を閉鎖したため、その夢を断念せざるを得なくなった。
彼女は、何らかの形で教育を受け続けることを望み、ヘラートの宗教学校に入学した。しかし、彼女が経験したことは、以前の学校教育とは大きく異なるものだった。
「このマドラサでは、フィクフ(イスラム法学)や、女性が社会でどう振る舞うべきか、そして『ムジャヒディズム』の子どもをどう育てるかなどについて教えられます」とファティマさんは説明する。「私の考え方は変わりました。今は宗教的な科目の勉強だけに興味があります。」
ファティマさんは、女性は人前で目立つべきではない、それは罪深いことだとみなされている、と今は学んでいると語る。彼女とクラスメートたちは、女性の主な役割は家庭内であり、教育はより良い妻、より良い母親になるためだけのものだと繰り返し教えられている。
「彼らは私たちに、女の子が勉強すべき唯一の場所はマドラサだと教えています。そして、いつかイスラム教のために戦うことになる敬虔で正義感の強い子供を育てることがいかに大切かを常に強調しています」とファティマさんは付け加えた。
従順と家庭生活の教訓
他の生徒も同様の経験をしている。もうひとりの生徒サフィアさんは、マドラサの教師たちは敬虔なイスラム教徒の男性と結婚し、家事に専念することの重要性を強調していると言う。
「私たちはフィクフやコーランの解釈について多くを学びますが、彼らが最も強調するのは、イスラームの女性は罪を避けなければならないということです。そのためのひとつの方法は、敬虔な男性と結婚し、家にいて家事に専念することです。そうすれば、善良で誠実な子供を育てることができます」とサフィアさんは言う。
これらのマドラサでの教えは、特に教育と公的生活において女性の権利と自由を制限するターリバーンのシャリーア法の解釈と一致している。ターリバーンは女子の中等学校や大学への進学を禁じているため、多くの女子にとってマドラサが唯一の選択肢となっている。
極端な思想が根付く
マドラサは伝統的なイスラム教育に重点を置いているだけでなく、極端な信念も教え込んでいると報告する少女たちもいる。
別の宗教系学校に通うミナさんは、授業は宗教色が強く、現代科学や世俗的な科目にはまったく注意が払われていないと話す。「イスラームにおける女性の役割など、宗教的な内容しか教えられません。でも、現代科学も学ぶことは大切だと思います。学校が再開して両方を学べるようになればいいなと思います」と彼女は言う。
ミナさんによると、マドラサが宗教に重点を置いているのは、批判的思考や自由な探究を阻む保守的で硬直した世界観を推進するという、より広範な目標と結びついている。彼女のような生徒たちは、世界をより広く理解するのに役立つかもしれない科目に触れることなく、従順な妻や母親になるように育てられていると感じている。
イスラームにおける近代教育の役割
ターリバーンの制限にもかかわらず、イスラム学者の中には、イスラームは男性と女性の両方に現代的な科目を含む教育を受けることを奨励していると強調する者もいる。
宗教学者のアブドゥル・サブール・アバシ氏は、イスラームでは女性が科学やその他の近代的な学問を学ぶことに何ら制限を設けていないと指摘する。
「イスラームは、知識を得ることに関して男女を区別しません。学習は男性と女性の両方にとって義務であると考えられています」とアバシ氏は言う。
この見解は、アフガニスタン全土で数千の女子校の閉鎖をもたらしたターリバーンの行動とは著しく対照的である。
ターリバーンの教育省は現在、2万1000校以上の宗教学校を監督しており、約300万人の生徒が在籍している。対照的に、アフガニスタンの前政権下では、国内のマドラサは約1800校しかなかった。
マドラサの増加とターリバーン幹部間の競争
観察者たちは、ターリバーンが政権に復帰して以来マドラサが増加している理由は、宗教教育を提供することだけではない、と指摘している。
ターリバーン幹部の間では、より多くの学校を設立しようと競争しているという意見もある。学校を設立すれば、地元コミュニティからの影響力と忠誠心を獲得できるからだ。ターリバーン内の各派閥がこれらの学校を通じて独自の戦闘員基盤を育成しようとする可能性があるため、これが将来の民兵組織の創設につながるのではないかとの懸念もある。
「ターリバーンが政権を握って以来、宗教学校の数は急増している」とある教育専門家は言う。「ターリバーンの司令官は皆、自分の影響力を高め、将来頼れる忠実な若者のグループを確保するために、独自のマドラサを開設したいと考えているようだ」
宗教教育によって形作られる未来
ターリバーンが運営するマドラサに通う多くの少女たちの将来は不確かだ。現代的な教育を受けることができず、ターリバーンが定めた狭い役割以外に選択肢はほとんど残されていない。ファティマさんやサフィアさんのようにこの運命を受け入れた少女もいるが、ミナさんのように正式な学校教育に戻ることをまだ望んでいる少女もいる。
「科学や他の科目を勉強したいのですが、今はその選択肢がありません」とミナさんは言う。「いつか学校が再開して、宗教以外のことも学べるようになればいいなと思います。」
今のところ、ターリバーンの宗教学校は、伝統的な性別の役割、服従、そして宗教への献身と家庭生活に捧げられた未来を強調しながら、アフガニスタンの新世代の少女たちの心を形成し続けている。
アフガニスタンの教育制度は、ターリバーンの厳格なイスラム解釈を支持する人々と、より包摂的な学校教育への回帰を望む人々の間で依然として深く分裂しており、これらの少女たちが将来、より幅広い教育を受ける機会を得られるかどうかは未解決の問題である。