COP29 Highlights Afghanistan’s Climate Woes and Public Execution
(WAJ: アフガニスタンでは、気候変動が紛争を上回り、居住地避難の主な原因となっている。太平洋の島しょ国の水没が話題を呼んでいるが内陸の山岳国であるアフガニスタンは世界で4番目に気象変動の被害を受けている国だという。国際的な支援が必要とされているがターリバーンの取り組みは国際支援を減らしている。さらに、国外からの批判にさらされている非人道的な体罰と公開処刑も国際社会への参入を妨げている。アフガニスタン人はこれらをターリバーンの圧制の一部とみなしているが、ターリバーン統治下ではこうした処罰が継続し、拡大する可能性が高い。)
アブバカル・シッディーク(RFE/RL’s Radio Azadi 上級記者)
2024年11月16日
COP29、アフガニスタンの気候問題に光を当てる
5月、バグラーン州ボルカ村で洪水被害を受けた男性が祈祷用マットの横で、救援を待っている。
重要な問題
ターリバーン当局者からなる代表団は、3年前に政権に復帰して以来初めて、バクーで開催される国連気候変動会議に出席する。
アフガニスタンは気候変動にたいして最も脆弱な国のひとつであるにもかかわらず、国家未承認のターリバーン政権は、英国、エジプト、アラブ首長国連邦で開催された過去3回のCOP会議に招待されなかった。
ターリバーンのマトゥイル・ハク・ハリス国家環境保護庁長官は、頻発する異常気象による最悪の影響を軽減するために国際的な支援を求めている。
「COP29では、世界の指導者に対し、気候変動と気候正義に関して脆弱な人々が直面している課題を尊重するよう求める」と彼は述べた。
なぜ重要なのか: 人道道危機の世界的なリスク評価であるInform Risk Index(訳注:人道的危機や災害に対する世界規模のオープンソースのリスク評価 https://drmkc.jrc.ec.europa.eu/inform-index/INFORM-Risk)によると、アフガニスタンは気候変動による危機のリスクが4番目に高い国だ。
アフガニスタンは温室効果ガスの排出量が最も少ない国のひとつであるにもかかわらず、すでに急速な気候変動に見舞われている。
国連によれば、同国の年間平均気温は1.8度上昇し、「夏季に川に水を供給する氷河や雪の融解が活発化している」という。
淡水資源が劇的に減少しており、国連児童基金(ユニセフ)は、アフガニスタン人の10人中8人が安全でない水を飲んでいると推定している。
2022年には、64%の世帯が干ばつを「最も頻繁に起こるショック」として報告した。国内34州のほとんどが現在、定期的に干ばつ、洪水、または大雨に見舞われている。
今年の春と夏には、アフガニスタン北部の諸州で鉄砲水により数百人が死亡し、数千人が避難を余儀なくされた。戦争で荒廃した同国では、気候変動が紛争を上回り、居住地避難の主な原因となっている。
不規則で厳しい気象パターンが現在、アフガニスタンの田舎の主な生計手段である農業と畜産を脅かしている。
今後の展開: 統治と国際社会の認知度が著しく向上しない限り、ターリバーンが国際社会と連携してアフガニスタンの差し迫った気候災害に対処する可能性は低い。
このイスラム主義グループの人権侵害の記録と、女性や援助団体に対する制限の強化により、同グループが受ける人道支援のレベルはすでに減少している。
残念ながら、このような事情により、最も脆弱なアフガニスタンのコミュニティの一部は、切望されている気候対応および緩和プロジェクトを今後受けられなくなる。
注目すべき点
死刑執行の最新の事例として、ターリバーンはスポーツ競技場でアフガニスタン人男性を公開処刑した。
11月13日、ムハンマド・アヤズ・アサドが南東部の都市ガルダズで射殺された。ターリバーンの裁判所は、アサドに対し、別のアフガニスタン人サイフ・ウル・カタルをカラシニコフ銃で殺害した罪で有罪判決を下していた。
彼は、被害者の家族が金と引き換えに殺人犯を赦免できるというイスラームの考えである「ディヤット」を受け入れることを拒否したために殺害された。
被害者の家族の手による処刑は、暴力犯罪の疑いに対するイスラムの報復刑「キサス」の一部である。
国連アフガニスタン支援ミッションは、公開処刑は「アフガニスタンの国際人権義務に反しており、中止されなければならない」と述べた。
同報告書はターリバーンに対し、「すべての死刑執行を即時停止し、死刑制度の廃止を目指す」よう求めた。
なぜ重要なのか: ターリバーンの指導者たちは、死刑と体罰をイスラム法シャリーアを施行するという約束の重要な一部であると考えている。
この過激派グループは、こうした処罰を公然と実行することで、国際的な批判や国内の非難を無視した。
アフガニスタン人はこれをターリバーンの圧制の一部とみなしているが、ターリバーン統治下ではこうした処罰が継続し、拡大する可能性が高い。