10月25日(土)の午後、イーグルアフガン明徳カレッジ(EAMC)に教室などを提供してくださっている千葉明徳学園で、創立100周年記念祝賀会が開かれました。EAMCからは母体のイーグル・アフガン復興協会の役員としてセデカ校長を含め理事と顧問が計5人、先生方が3人、生徒であるアフガン女性2人が放課後参加しました。

「ラヴェルのボレロ」が流れる中、体育館に入ると、会場手前で燕尾服の福中理事長がゲストをお出迎え。学園OBに加え、県内の学校法人の代表者、地方銀行の頭取ほか記念募金に協賛された企業の方々、千葉県知事、そして現在の学園スタッフや町内会の方々など、名簿に載った数だけでも約200人が列席し、和やかに式が始まりました。

印象深かったのは、福中理事長の未来的な演出でした。AIで壇上に蘇った創設者・福中儀之助氏へのインタビュー。100年と1000年の2つのタイムカプセルを学園内に埋設したとのことでしたが、その場所を知らせたのが、会場後方から離陸し場内を滑空1周し、そとへ飛び出したドローン。小雨が降る中、遠隔操作による臨場感たっぷり、ハラハラドキドキの生中継でした。

会が始まって30分後に会場に着いたのは、ネパール西部にあるディリチョールという山村(標高2000m超)からやってきた学校(学園と姉妹校のリンモクシャー校)の校長と理事長。2人はこの日の朝、羽田に到着し、ぎりぎり会に間に合ったとのことでした。彼らを含めネパール組は総勢7人でした。

リンモクシャー校への支援はかれこれ20年になるとのことです。わたしたち開校2年のEAMCと合わせて、福中理事長の世界に開かれた未来志向を具現化した取り組みと言えるでしょう。まったくの偶然でしたが、EAMCの星野先生は近々ネパールに出張し日本語を教えるとのこと。理事長に紹介され、彼らと話が盛り上がっていました。

学園の今を見せるコーナーではここに集う学生たちの才能が垣間見られました。壇上のスクリーンに映し出されたチアリーディング、吹奏楽、手話コーラス、そして書道部の活動ぶりは見事のひとこと。

さらに彼らを「生」で出演させることなく、事前にゆったりと表現させ、動画報告に徹した先生方の思いやり。学生たちにとって秋は忙しい季節です。大人の都合で教育をゆがめないという指導者の矜持が胸を打つ演出でした。またチャンピオンデータのみにこだわらず1人1人の学習者の努力を大切にする学園のふところの深さを見せられた気がします。

8人掛けのテーブルに事前に置かれちょっと少ないかな、と思った料理も、食べてみるとちょうどいい味と量でみな満喫したことでしょう。ケータリングのプロは少数精鋭にして、ほとんどは学園の職員の皆さんが飲み物(酒類を含む)を給仕してくれます。これにはいささか恐縮しましたが、清貧を旨としてきたこの学園の100年を物語る微笑ましさでした。

最後は理事長先生ご自慢の100周年記念本「明日(あした)へ続く道」の大団円よろしく、1000年後のタイムカプセルクエストを描いたSF短編で締めくくられました。こうして2時間の楽しい時間を過ごした私たち10人は、「上を向いて歩こう」のBGMに送られて体育館をあとにしました。

この祝賀会で、ネパールとのパイプの糸口がつかめ、熊谷千葉県知事とも話ができ、学園の未来へ向けた波動をもろに感じました。私たちにとって、この祝賀会は阪神ドラフトの90点を凌駕する、100点満点のイベントだったと言えそうです。お招きくださりありがとうございました。ホストをつとめたみなさま、お疲れ様でした。

会場で配られた「協賛企業のご案内」に掲載いただいたEAMCの広告