The Taliban Are Now Arms Dealers
テロリストたちは、アメリカが置き去りにした武器を世界中の反ワシントンの友人たちに売りさばいている
foreignpolicy.com By Lynne O’Donnell, JULY 5, 2023, 4:04 PM
フォーリンポリシー・ドットコム リン・オドネル著 2023年7月5日
（WAJ: ターリバーンはアフガニスタンの領土内でテロリストを養成しているだけでなく、武器供給者ともなっている。原資は米英NATO軍が一昨年8月以降、アフガニスタンに大量に置き去りにした近代兵器群である。）
２年前にアフガニスタンから撤退した米軍は、テロリストたちがアメリカの同盟国と戦い、殺戮を繰り返している遠く離れた紛争地域に武器を残していった。最も激しい戦闘が行われた南部と東部のバッドランドのあちこちに出現した市場では、ターリバーンの許可を得た商人たちが、ロシア、パキスタン、中国、トルコ、オーストリアのハードウェアと並べて、アメリカ製の自動小銃や拳銃を販売している。テロと同様、ビジネスも繁栄している。
木製のポールに掛けられた風雨にさらされた防水シートの下、砂漠の奥深くにある孤立したストリップ・モール、あるいは主要高速道路から外れたでこぼこ道に沿って敷かれた埃っぽいカーペットの上に、こうした場当たり的な武器バザールがロケット弾や爆弾、肩から発射するグレネード・ランチャー、暗視ゴーグル、スナイパーライフルとスコープ、弾薬を提供している。最近の値上げは、世界で最も裕福な犯罪組織のひとつであるアフガニスタン・カルテルが供給を厳しく管理しようとする商才を反映している。
放置された米国製突撃ライフルにはプレミアが付く。良好な状態の M4 は最高 2,400 ドルで取引される。これは、マンハッタンの高級ハンドバッグと同じくらい、ヒマラヤの部族地帯でのステータス シンボルである。対照的に、世界で最も普及している殺人マシンである AK-47 のパキスタン製模造品は、わずか 130 ドルで販売されている。
それは新たな軍拡競争であり、世界の安全保障を脅かしている。ターリバーンは、アル＝カーイダとまではいかないまでも、その同盟国であり、ヘロインやメス（訳注：メサドンまたはメタドン。ケシから採取されるアルカロイドで鎮痛剤の一種）で数十億ドルを稼ぐ世界的な密輸網の中心にいる。そして今、ターリバーンは自分たちの勝利に触発された志を同じくする過激派に小火器を流しているようだ。パキスタンの北西部部族地域のテヒリク・エ・ターリバーン・パキスタン（TTP）やバロチスタンの分離主義者たちは、パキスタン国家に対するエスカレートする戦争の中で、警察や兵士を殺害するためにアメリカ製の武器を使用している。
ドラマチックなTTPのビデオでは、米国製の武器で武装し、暗視装置やサーマルサイトを使用した武装勢力によるパキスタンの警察や軍の前哨基地への明白な攻撃が映し出されている。アフガン・ピース・ウォッチは新しい報告書の中で、それらは「アフガン特殊部隊に供給され、需要の高い装備品」であると述べている。さらに、パキスタンと国境を接するナンガルハール州のターリバーン戦闘員の言葉を引用し、暗視装置は500ドルから1000ドルで売られていると述べている。
「このような武器の拡散は、地域的にテロ・ネットワークとの戦闘を困難にしているだけでなく、特に暗視装置は、パキスタンの治安要員や警察を標的にするために日常的に使用されている」と、パキスタンを拠点に非国家組織を監視する独立組織『ホラーサーン・ダイアリー』の編集者、イフティカル・フィルドゥスは言う。
インドとパキスタンの間で激しく分裂しているカシミール地方やイスラエルのガザ地区での非国家集団による最近の攻撃で、米国の攻撃兵器が使用されたと伝えられている。元アフガニスタン軍将軍で現在は反政府勢力アフガニスタン自由戦線を率いるヤシン・ジアは、ターリバーンとパキスタンとの合意でアフガニスタン北部に移転したTTP工作員にも武器が送られる可能性が高いと述べた。ジアは、敵対的な地元住民に対して「彼らは歓迎されず、自らを守る必要がある」と語った。
他の違法取引で大金を稼いできたターリバーンにとって、武器取引は単なる収入源のひとつにすぎない： 米国平和研究所の南アジア専門家であるアスファンディール・ミールは、ターリバーンは新しい闇市場を支配し、課税している可能性が高いと語った。そして、ターリバーン（とその同盟国のテロリスト・グループ）が新兵を求めるとき、派手な殺傷能力のある武器ほど求められるものはない。
どこにでもあるAK-47は、アフガニスタンのムジャヒディーンが1979年から1989年にかけて行ったソビエトとの戦争に投入された。メンテナンスが簡単で、使いやすく、殺傷力があり、歴史上どの銃よりも広く製造されたAK-47は、あらゆる場所で反乱軍のシンボルとなった。しかも安いのだ。上を目指すテロリストが求めるもの： TTPとイスラム国のプロパガンダによると、「カラシニコフ銃をNATOの武器に徐々に置き換えていく一般的な傾向」がある、とフィルドゥスは言う。「M24スナイパーライフル、Trijicon ACOGスコープ（訳注：高性能照準器）付きM4カービン、サーマルスコープ付きM16A4ライフル、M249機関銃、AMD-65ライフル、M4A1カービン、M16A2/A4突撃ライフルで武装した過激派」が描かれているという。
アメリカの大盤振る舞いとターリバーンの密輸ネットワークのおかげで、これらの武器はどこにでも出回っている。専門家によれば、麻薬や宝石、その他さまざまな密輸品を提供するのと同じルートで、サハラ以南のアフリカのアル＝シャバブや、フィリピン、タイ、マレーシア、スリランカ、そしてオサマ・ビンラーディンやアル＝カーイダを最初に生み出したのと同じペルシャ湾諸国のイスラム国関連組織のようなイスラム主義テロリストに武器が渡るという。2021年8月に反乱が勝利に終わったアフガニスタンを除けば、グローバル・テロリズム・インデックスによればテロ攻撃による死者数は増加している。麻薬やその他の密輸品で戦費を賄ったターリバーンは、死の利益を得続けている。
そして、そもそもターリバーンに恩恵を与えたアメリカの大盤振る舞いは驚異的だった。米国防総省は、2002年からアフガン治安部隊の武装に費やされた186億ドルのうち、残された武器や車両の備蓄は71億2000万ドルに相当すると見積もっている。米国アフガニスタン復興特別監察官事務所（SIGAR）によれば、「これには、あらゆる口径のおよそ60万丁の武器、300機近くの固定翼機と回転翼機、数タイプの8万台以上の車両、通信機器、暗視ゴーグルや生体認証システムなどの高度な資材が含まれていた」。2021年夏の軍事撤退後、SIGARはターリバーン関係者の言葉を引用し、「グループは30万以上の軽火器、2万6000丁以上の重火器、約6万1000台の軍用車両を所有した」と述べた。これは彼らがすでに持っていたものに上乗せされたものだ。
この多くは予測できたことだ。米国の資材は、共和制が崩壊する何年も前からターリバーンに使用され、腐敗し、貧困にあえぎ、戦意を喪失したアフガン軍によって売却された。国防総省は、何がどこに行ったのかを正確に把握することはできなかった。
「アフガニスタンで起きたことは、ターリバーンが受け取った大量の武器と弾薬という、おそらく近代史上最大の横流し事件です」と、戦争と兵器の専門家でアフガン・ピース・ウォッチの調査責任者であるジャスティーン・フライシュナーはフォーリン・ポリシーに語った。「何がアフガニスタンに持ち込まれたかはもちろんわかっているが、何が使われ、何が壊れ、何が失われ、何が修理され、何が使用され、何が使用されなくなったかという記録はない。アフガニスタンでのアメリカの活動期間中、転用が行われていたのだ。
アフガニスタン・ピース・ウォッチと小型武器調査団の調査によると、アフガニスタン南部と東部、そして隣国パキスタンで、アフガニスタンの戦場で使われた武器やその他の装備を提供する武器市場が増殖している。秘密工場はAK-47のような偽造銃を製造している。アフガニスタン・ピース・ウォッチの創設者であるハビブ・カーン・トタヒルは、「米国の資金援助で設立された工房が営業を再開し、小型武器や軽火器の修理を行っている。一般市民やターリバーン支持者の武装解除の努力は頓挫している。彼らを追跡するのはあまりに困難であり、多くの元戦闘員は、自分たちの銃を国家のものではなく自分たちのものだと考えているからだ。
フィルドゥスによれば、ターリバーンはアヘン生産に取り組むのと同じように、表向きは武器の輸出を禁止しているが、この締め付けによって、供給は逼迫し、価格は上昇した。それ以上のことはほとんどなかった。
「アフガニスタンから流入し続ける武器によって非国家主体に対抗することがより困難になる国の実例が多数ある」とフィルドゥスは語る。
リン・オドネル：フォーリン・ポリシーのコラムニスト、オーストラリアのジャーナリスト、作家。2009年から2017年までフランス通信とAP通信のアフガニスタン支局長。
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