Taliban Intensifies Efforts To Eradicate Secular Education In Afghanistan
政権を奪取して以来、ターリバーンはアフガニスタンにおけるあらゆる形態の世俗教育を根絶やしにしようとしている。
Mustafa Sarwar:
a senior correspondent at RFE/RL’s Radio Azadi. Here’s what I’ve been tracking and what I’m keeping an eye on in the days ahead.
July 14, 2023
ムスタファ・サルワル:ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオリバティのラジオ・アザディ上級特派員
2023年7月14日
(WAJ: 世俗教育とは、宗教教育ではなく、義務教育であれば、いわゆる国語、理科、社会、算数など。中等・高等教育であれば世界中で学ばれているような学習科目を勉強する。しかしターリバーンは、これまでの学校をターリバーンの宗教を教える宗教学校に変え、ターリバーンの名前のもとになった神学生づくりの施設にしようとしている。女子は小学生だけが学校に通えるがそこでも宗教、かれらの解釈によるコーランのみを教えるのだという。アフガン人は、教育を取り戻すだけでなく、カリキュラムをも取り戻す闘いを行っている。)
重要問題:
ターリバーンのアフガニスタン教育省が配布し、ラジオ・アザディが入手した書簡によると、ターリバーンは7月4日、アフガニスタンのすべての教員養成センターの閉鎖を命じた。
メディアへでの発言が許されていないため、匿名でラジオ・アザディの取材に応じた同省の関係者たちによると、この命令は全国で49の教員養成センターと198の支援施設に影響するという
約5,600人のインストラクターやその他のスタッフが養成センターで雇用されていた。西側が支援していたアフガニスタン政府の下で設立されたこのセンターは、戦争で荒廃したアフガニスタンの教育の質を向上させることを目的としていた。
ターリバーンは命令文の中で、決定の理由を明らかにしなかった。しかしその過激派グループは、養成センターの従業員を自前の教育施設で再雇用する用意があると述べた。しかし、その申し出に何名が応じるかは不明だ。
ターリバーンのシブガトゥッラー・ワシル(Sibghatullah Wasil)副教育相はBBCパシュトー語放送のインタビューで、センターは非効率的で、「計画も仕事もなく、暇だった 」とほのめかした。
なぜそれが重要なのか:
ターリバーンが養成センターを閉鎖するという決定を下したのは、2001年にアメリカ主導の侵攻でターリバーンの最初の政権が倒された後、アフガニスタンで栄えたあらゆる形態の近代的な世俗教育を根絶しようとする、より広範な努力の一環のようだ。
政権を奪還して以来、その武装勢力は数多くの世俗的な学校、公立大学、職業訓練センターをイスラーム神学校に変え、国内のマドラサ(訳注:宗教学校)の数を急増させた。
イスラーム強硬派はまた、国定の教育課程を見直し、国内34州に広大なマドラサ・ネットワークを構築すると宣言している。
先月、ターリバーンの教育担当官アブドゥル・ワヒド・タリク(Abdul Wahid Tariq)は、同集団がこれまでに5つの州にマドラサを建設したと述べた。
ターリバーンが教員養成センターを閉鎖することで、数千人の講師や教育者が職を失うと見られる。
「これらの人々の収入を絶ち、失業させることは、社会全体と教師の家族に深刻な問題を引き起こすことになる」と、カブール在住の教師は匿名を条件にラジオ・アザディに語った。
次の展開:
ターリバーンは、一部の活動家が「教育に向けた彼らの戦争」と呼んでいるものを継続するようだ。
同集団は女性の大学進学と小学6年生を越えた女子の就学を禁止している。
世俗教育を根絶し、過激な宗教教育に置き換えようとするターリバーンの努力は、アフガニスタンにおける過激派イデオロギーの蔓延につながる可能性が高い。
今週のベストストーリー:
米国への亡命を求める1人のアフガン難民が、彼女と共通点の多いキャラクターを演じ、スクリーン上で観客を魅了している。アナイタ・ワリ・ザダ(Anaita Wali Zada)は、初めて俳優業に挑戦し(訳注:3年間アフガン国営放送で報道記者を勤めたが、2021年8月渡米)カリフォルニア州北部の都市フリーモントに漂着したドーニャという名の悩める若い移民女性を演じている。主人公の新しい人生:工場で働き、中国製クッキーのおみくじを書く。
<参考記事>
https://www.thewrap.com/fremont-babak-jalali-anaita-wali-zada-sundance/
パキスタンの裁判所は最近、4人のパキスタン人女性と婚姻関係にある複数のアフガン人男性に市民権を与えるよう政府に命じた。これは2〜3百の同様のケースの前例となる裁判だった。これまでは、たとえパキスタン生まれで数十年その国に暮らしていても、アフガン難民の大多数はパキスタンの国籍を取得することができなかった。
注目すべき点:
米国は2021年にアフガニスタンから軍を撤退させる際、数十億ドル相当の軍装品と武器を残した。
ターリバーンは、国際承認されたアフガン政府が米国撤退の混乱期に崩壊した後、武器を奪取した。
小型武器調査局(Small Arms Survey)の新しい報告書によれば、これらの武器の一部は、現地のターリバーン幹部の同意を得て、パキスタンとの国境地帯の武器市場で販売されている。
<参考サイト(小型武器調査局)>
https://www.smallarmssurvey.org/
<当該報告書>
https://smallarmssurvey.org/sites/default/files/resources/Situation%20Update-Smuggling-Dynamics-under-Taliban-Rule-Final.pdf
スイスを拠点とするその調査グループによれば、ターリバーンはグループの膨大な武器在庫の管理を強化しようとしている。しかし、武器の密輸は存在するという。
重要な理由:
小型武器調査局(Small Arms Survey)によれば、アフガニスタンに武器市場が存在することで、域内における武器拡散のリスクが高まる。
アフガニスタンとパキスタンには何十もの武装勢力が存在し、オブザーバーたちは、米国の武器が、イスラマバードに対してますます血なまぐさい反乱を繰り広げているパキスタンのターリバーン(Tehrik-e Taliban Pakistan、TTP)の手に渡ってしまったのではないかと懸念している。
ターリバーンは、この調査結果をプロパガンダとして否定し、同グループの支配下にある武器はすべて説明済みだとしている。
下院外交委員会のマイケル・マッコール委員長は最近、アフガニスタンに残されたアメリカの武器を、イランを含むワシントンの 「敵 」に売っているとターリバーンを非難した。
私からは以上です。質問、コメント、ヒントがあれば、忘れずに送ってください。
ではまた来週。