Does Al-Qaeda truly have no presence in Afghanistan?
By: Mazdak Parsi
By Hasht-E Subh On Jul 5, 2023
マズダック・パルシ
ハシュテ・スブ 2023年7月5日
(WAJ: バイデン米大統領は6月30日の記者会見で、「アフガニスタンにはもはやアル=カーイダはいない。ターリバーンの支援のおかげだ」、と発言。(Long War Journal/1/7/2023)。それに対してターリバーンは1日、「バイデン大統領の発言は現実を理解してのものだ」(時事通信/3/7/2023))と評価したと報道された。本サイトでは再三、アメリカとターリバーンが陰に陽に協力し合っている現実を明らかにしてきたが、バイデン大統領の発言はそれを認めたものなのか、ジョークなのか、それともボケによる失言なのか。アフガニスタンの独立系ジャーナル、ハシュテ・スブが明らかにする。)
最近、ジョー・バイデン米大統領は、アル=カーイダ・ネットワークはアフガニスタンには存在せず、米国はターリバーンの助けを借りてこのネットワークを破壊したと主張した。これの発言を受けて、ザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)前アフガニスタン復興特別代表はバイデンの非公式スポークスマンの役を買って出て、ツイートで大統領発言を修正した(訳注:https://twitter.com/realZalmayMK/status/1674936635840950273)。彼は、アル=カーイダがアフガニスタンでは足場をほとんど失い、2024年にかけてアフガニスタンから直接攻撃を仕掛ける能力を持つことはほぼ無いと述べた。ハリルザドはさらに、アル=カーイダが世界的な攻撃を開始するとすれば、中東とアフリカの関連グループの能力に頼る可能性があると書いた。
バイデンの主張に反して、『ロング・ウォー・ジャーナル』(訳注:https://www.longwarjournal.org/archives/2023/07/fact-check-president-bidens-claim-al-qaeda-is-not-in-afghanistan-is-demonstrably-false.php)誌は最近、彼の発言を批判し、国連安全保障理事会(UNSC)の最近の報告書(訳注:www.ecoi.net/en/file/local/2093255/N2312536.pdf)に基づき、アル=カーイダはターリバーンと密接な関係にあり、このネットワークはアフガニスタンに隠れ家を持っていると述べた。それはヘルマンド、ファラー、カーブル、ヘラートの各州にあり、加えてヘルマンド、ザブール、ナンガルハール、ヌーリスタン、バードギース、クナールの各州では、テフリーク・エ・ターリバーン・パキスタン(訳注:パキスタンのターリバーン:TTP)のメンバーの訓練にも関与しているとのことだ。
<参考文献>
国連安全保障理事会(UNSC)の最近の報告書は現在本サイトの連載-第3回(https://webafghan.jp/un_n2312536pdf-3/)
バイデンの発言と国連安保理の報告書には大きな食い違いがある。重要なのは、アメリカの諜報機関は何を根拠にアル=カーイダがアフガニスタンに存在しないと結論づけたのか、さらに興味深いのは、ターリバーンがアル=カーイダ・ネットワークを壊滅させるためにアメリカを援助したという言い草だ。
アル=カーイダ・ネットワークのリーダーであるアイマン・アル=ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)(訳注:2011年にビンーラーディンが殺害されたあとはアル=カーイダのトップリーダー)がカーブルで殺害された(訳注:2022年7月31日、アメリカのドローン攻撃により死亡)のは事実であり、ハッカーニ・ネットワークと競合するカンダハリ・ターリバーン(訳注:ターリバーンの創立グループで主流派)がアル=ザワヒリの居場所に関する情報をアメリカに提供し、彼の死につながった可能性はある。しかし、アル=カーイダ・ネットワークのリーダーの死は、このネットワークの終わりを意味するものではない。アル=カーイダとターリバーンの長年にわたる強固な関係はそのままであり、ターリバーンはアル=カーイダに対して敵意を示すような行動をとっていない。ターリバーンはこれまでアル=カーイダと行動を共にし、イデオロギー的同盟者として、さまざまな州で一貫してこのネットワークに支援と隠れ家を提供してきた。ターリバーンは、パンジシールにおけるレジスタンス戦線(訳注:アーマド・マスードが指揮する国民抵抗戦線)との対立において、アル=カーイダ・ネットワークを利用したことさえある。
ハリルザドが主張するように、アル=カーイダが米国への攻撃に必要な施設やインフラを欠いているとすれば、それはターリバーンがこれらのインフラを破壊したからだと言えるだろうか? 決してそうではない。たとえターリバーンの一派がアル=ザワヒリ暗殺に一役買ったとしても、ターリバーンが組織をあげてアル=カーイダ壊滅のために米国に協力したとはまだ言えない。ターリバーン支配下のアフガニスタンで米国が他にも作戦を行ったのなら、そのニュースが公表されないのはなぜか?
アル=カーイダは米国内で攻撃を開始するために特別なインフラを必要とするだろうか? ターリバーンは、テロリストのネットワークやグループの成長と強化に必要なすべての条件を提供してきた。最近の国連安保理報告書はこの問題を明確に説明し、ターリバーンがアル=カーイダを排除し、このネットワークはもはや重要な脅威とは考えられないという主張に反論している。
この件に関して、アメリカの諜報機関が提供する情報の信頼性に関して、もうひとつ疑問が生じる。これらの諜報機関は、過去には過ちを犯したが現在は犯していないとでも言うのだろうか? 米国の情報機関は、アフガニスタンで支援していた政府の崩壊を予測できぬまま、ターリバーンがカーブルを掌握した。このような諜報機関が再び信頼されるわけがない。
アル=カーイダとグローバル・ジハード
アル=カーイダ・ネットワークは、旧ソ連軍がアフガニスタンから撤退し、同国での聖戦が終結する1年前の1988年に、オサマ・ビン・ラーディンによって設立された。ソ連の崩壊が間近に迫っていた時期のアル=カーイダ・ネットワークの設立は、世界的な聖戦の指導者たちが思い描いていた壮大な計画だった。このテロリスト・ネットワークの指導者たちによれば、アフガン・ジハードは、イスラム過激派が自分たちの能力を見極めようとした、世界的ジハードの最初の実験段階としての役割を果たしたという。
ソ連がアフガニスタンで敗北した後、アイマン・アル=ザワヒリは、ソ連との戦いはイスラームのムジャヒディーンにとって、新たな世界的超大国である米国との対決に備えた訓練の舞台であったと述べた。さらにその戦いは、アラブ、パキスタン、トルコ、中央アジア、東アジア出身のムジャヒディーンが、イスラームの敵に対するアフガン・ジハードで共に戦う機会を提供した。グローバル・ジハード計画の立案者たちは、自分たちの大義を強化するために、テロリズムが妨げられることなく増殖できる自由な繁殖地と広い空間を必要としていた。
アフガニスタンでソビエト連邦が撤退するのを目の当たりにして、ビン・ラーディンとアル=ザワヒリは、アフガニスタンがジハード主義者の世代を育成するための肥沃な土地であると認識した。ターリバーンが政権を握ったことで、彼らはその目的を達成し、アフガニスタンは域内におけるテロの聖域となった。しかし、2001年のアメリカのアフガニスタン侵攻は、イスラム主義者の世界的な聖戦計画を大きく混乱させ、テロの地理的情勢は変化した。
アフガニスタンは、ジハード主義者の世代が成長し、伝播するのに必要な条件を備えたイスラーム国として、常にイスラム主義者の狙いの中心であり続けた。テロリストたちは、アフガニスタンに戻るためのあらゆる機会をとらえていた。ターリバーンがアフガニスタンを支配している今、アル=カーイダ・ネットワークやその他のテロリスト集団は、アフガニスタンにテロの温床を築くという未完のプロジェクトを成し遂げようとしている。
欧米の支援を受けた政権下でさえも不動の地位を保ってきた主要かつ永続的なインフラは、長年にわたってイスラーム過激主義を推進してきた宗教学校である。ターリバーンの復活により、これらの学校はさらに繁栄した。これらの学校は、ターリバーン、アル=カーイダ、イスラム国ホラーサーン(ISS-K)の恒常的な徴兵の源となっている。アフガニスタンのどの勢力も、この問題に断固とした意志を示しておらず、これらの学校を支援している勢力さえある。このような安定した社会インフラが存在する限り、テロリズムはアフガニスタンに恒久的な脅威をもたらし続けるだろう。テロに対する表面的で機械的な対策は、アフガニスタンの慢性的な危機を解決できないばかりか、新たな形態や形でテロを拡散させることになる。
【本文(英語)を読む】☟
[…] そろそろアル=ザワヒリ(2022年7月31日米軍のドローン攻撃によって殺害)の一周忌が近づいてきた。と思っていたら先月末、しつこい記者の質問に思わずバイデン大統領が迷返答。 いわく「前にも言ったが、アル=カーイダはアフガニスタンに存在させない、ターリバーンの助けを借りてでも。」その補足・修正にはあのザルメイ・ハリルザドまで駆り出された(詳しくはこちら)。9.11を引き起こし、前ターリバーン政権崩壊のきっかけとなったテロ集団は、大統領の言うとおり果たして今アフガニスタンで風前の灯火なのか? 紹介中の国連レポートは1章をまるまる割いてターリバーンとアル=カーイダの関係を分析している。「もらった資料」を読みなさい」と記者にすごんだバイデンさんこそ、この国連レポートを、せめて以下の第4章だけでも熟読しておくべきだった。(WAJ) […]
[…] ターリバーン首長国は、国際社会を満足させるような成功をどの分野でも達成できていない。世界、特に近隣諸国は、アフガニスタンにおけるテロと闘うという決意で一致している。もしターリバーンが効果的な行動を起こしたとすれば(それはまだ起こっておらず今後も起こりそうもないが)世界における彼らの立場は変わるだろう。ターリバーンはパキスタンを含む近隣諸国の賛同を得ようとするかもしれない。最近、ジョー・バイデン政権がカーブルでアル=カーイダの指導者アイマン・アル・ザワヒリを殺害した(訳注:2022年7月31日)ことで、ターリバーンは世界から非難されるのではなく、テロとの戦いのパートナーとして見られるようになったという認識が広まった(訳注:「アル=カーイダはアフガニスタンに本当にいないのか?」)。これによって、ターリバーンはアル=カーイダとの関係をいくらか免罪された。ターリバーンはアル=カーイダを匿ったことで処罰を受けるだろうと予想されていたにもかかわらず、処罰を免れただけでなく、報償も受けた。現在、ターリバーンはTTPをめぐるパキスタンとの対立を解決することを最大の課題と考えている。そのため彼らは、自分たちがテロリスト集団と積極的に戦っていることを世界に納得させようとしている。世界はアフガニスタン国内からパキスタンに対して発動されるTTPの活動に注目しているが、パキスタン当局はそうした懸念を無視してきた。 […]
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