One year of unspeakable loss: Stop Arming Israel

言葉にできないほどの損失の1年: イスラエルへの武器供与を止めよ

平和のためのユダヤ人の声(JEWISH VOICE for PEACE)
2024年10月7日

 

(WAJ: 昨年10月7日に勃発したハマース・ネタニヤフ戦争1年に際し、下記に紹介する論説を発表したJVP(Jewish Voice for Peace)は、昨年10月28日にニューヨークのグランド・セントラル駅で、イスラエルのガザ攻撃に反対する抗議行動を主導したユダヤ人団体である。米国ではネタニヤフ政権を支持するユダヤ人のロビイスト団体AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)の力が取りざたされるが、イスラエル内の反ネタニヤフ運動のみならず、米国内でもパレスチナ人との連帯、共存をめざす運動は力強く進められている。(文末参照)。日本政府は今、台湾有事やロシア北朝鮮の脅威とナショナリズムを煽って軍備拡張に邁進している。シオニズムに反対して平和を求めるユダヤ人のように日本人はナショナリズムに反対して平和を求める運動をつくれるだろうか。)

 

Stop Arming Israer イスラエルへの武器支援を止めよ
イスラエルの武装解除

パレスチナ人に対する1年間の大量虐殺の後、イスラエルはテロと破壊のキャンペーンを展開しており、地域全体が全面戦争状態にさらに近づいている。

イスラエル政府によるレバノン南部への壊滅的で民族浄化をもたらす地上侵攻に対して、イラン政府は10月1日、イスラエルに向けて数百発の弾道ミサイルを発射した。この継続的な緊張の高まりは、地域全体で壊滅的な戦争にさらに近づき、すべての人々の安全を脅かすことになる。

イスラエルの大量虐殺が1年も処罰されずに済んだ結果が現状である。

米国政府がイスラエルの人道犯罪に対していかなる罰も課さないことで、イスラエル政府は破壊行為をエスカレートさせ拡大し続ける自由があると感じている。今週、イスラエルはわずか1日で、ガザ、レバノン、シリア、イエメンを爆撃した。

この最新の攻撃の激化により、レバノンではすでに約100万人が避難を余儀なくされており、さらに多くの男性、女性、子供が殺害される恐れがある。一方、米国はこの大惨事を支援し続けている。

 

1年間の大量虐殺の結果が現状

愛する人を亡くした私たち全員にとって、昨年の喪失は耐え難いものだった。

ユダヤ人として、私たちは、私たち一人ひとりが神の似姿としてベツレム・エロヒム(b’tselem elohim/訳注:ヘブライ語で「神のかたちとして」の意味で人間は平等に尊重されるべきであり差別や不正に反対すべき理由としてよく引用される) に創造され、一人ひとりがひとつの世界であるという揺るぎない信念を持っている。失われた何千、何万もの命は、ひとつの宇宙全体を破壊した。

個々の命が貴重であるという認識があるからこそ、私たちは過去 1年間に失われたパレスチナ人、レバノン人、イスラエル人の命を一つひとつ悼んできた。そして、この認識があるからこそ、私たちはイスラエル政府と米国政府がユダヤ人の悲しみを大量虐殺の正当化に利用しようとする動きに常に反対して戦ってきたのだ。

昨年10月以来、イスラエルは4万1000 人以上のパレスチナ人を殺害し、さらに数千人を瓦礫の下に埋めている。イスラエルはパレスチナ人を意図的に飢えさせ、民族全体を根絶しようとしている。1万人以上のパレスチナ人がイスラエル軍に拉致され、捕虜収容所に監禁され、性的、肉体的、精神的な拷問を受けている。イスラエル軍によるガザの病院、食糧、清潔な水の供給の計画的な破壊により、日常生活は不可能になっており、こうしたゆっくりとした大量虐殺により20万人もの命が奪われると予測されている。また、イスラエル政府は、ガザのイスラエル人人質の安全をまったく無視していることが明らかになっており、無謀にも彼らを危険にさらし、家族を政治宣伝に利用している。

1年間、私たちはガザのパレスチナ人がこの大量虐殺をライブ配信するのを見てきた。難民キャンプや病院への無差別爆撃から飢餓、ポリオのような根絶された病気の蔓延まで、イスラエル軍が引き起こすあらゆる恐怖と戦争犯罪を記録してきた。

私たちは、瓦礫の中から回収された子どもたちの亡骸や、アメリカ製の爆弾がテントで暮らす家族を全滅させた後に残るクレーターを何度も目撃してきた。そして、イスラエル政府と米国政府が私たちの名の下にこの恐ろしい行為を行っていると主張するのを私たちは見ている。

10月7日以前、76年間続いた暴力とアパルトヘイト

人間の命はどれも貴重だ。私たちは10月7日のハマスの攻撃で殺害された民間人の死を悼む。私たちはすべての人にとって公正で安全な未来のための国際人権枠組みに従い、誰がやったとしても民間人の殺害は絶対に許されないと考えている。イスラエル政府と米国政府の指導者が人びとに信じさせようとしているにもかかわらず、時計は10月7日に動き出したわけではない。そして、そこで止まったわけでもない。

昨年10月以前、2023年は記録上パレスチナ人にとって最も死者の多い年のひとつとなっていた。イスラエル史上最も右翼的な政府は、ヨルダン川西岸全域での入植者自警団によるパレスチナ人への攻撃の増加、パレスチナ領土へのイスラエルの違法入植地の拡大、パレスチナ人の家屋の破壊、パレスチナ人の拘束と超法規的殺害を奨励し、容認していた。ガザはすでに野外刑務所であり、食料、水、電気、医薬品、その他の必需品の流入を厳しく制限するイスラエルの違法な17年間の封鎖の下で息苦しさを感じていた。

今年の暴力は、パレスチナ人に対する76年間の組織的抑圧と非人間化の後に起こった。パレスチナ人を家から追い出し、彼らの土地が自分たちのものだと主張した。これまでのすべての期間、イスラエル国家は、暴力的に、ユダヤ人の優位性をパレスチナ人に強制してきた。

民族的優位性を掲げる政権が、非人間化に飽き足らず、暴力へと、大量虐殺と拡張主義の破壊的な戦争へと進むのを、私たちは二度と許してはならない。二度ととは、誰に対してもという意味だ。それは、大量虐殺を終わらせ、免責を終わらせ、爆弾を終わらせるという意味だ。今がまさに、二度と起こしてはならぬ時なのだ。

 

これ以上、イスラエルに爆弾を供給するな

ユダヤ人の安全を保証すると宣伝されているイスラエル民族国家は、誰に対しても真の安全を提供していない。何十年にもわたる植民地化と抑圧がパレスチナ人を恐怖に陥れ、ユダヤ系イスラエル人にこの暴力による占領を強いている。私たちは、パレスチナ人とユダヤ系イスラエル人の正義、平等、自由、尊厳に根ざした真の安全の未来のために戦っている。

私たちは、米国政府がこの大量虐殺に武器を供給するために数十億ドルを送るのを阻止するために戦ってきた。私たちは、抑圧に対する私たちの闘いが相互に関連していることを認識しながら、イスラエルによる大量虐殺の終結を求めるだけでなく、パレスチナ解放を求めて立ち上がるために、世界の他の国々の列に加わった。

反シオニストのユダヤ人として、私たちはこの大量虐殺がイスラエルの失政ではなく、シオニズムの政治的論理の結果であることを知っている。つまり、シオニズムとはパレスチナ人とレバノン人の浄化を通じてイスラエルの土地を最大限に増やそうとする拡張主義プロジェクトであり、この目的を達成するためには想像を絶する恐怖を犯すこともいとわないのだ。

何をすべきかと問われたら、疑問の余地はどこにもない。バイデン政権は丸1年かけてこの大量虐殺を終わらせることができたはずだ。イスラエルへの爆弾の送付を止めさえすればよかったのだ。イスラエルがガザからレバノンへと絶滅戦争を拡大するなか、バイデン政権がイスラエル軍に武器と資金を供給し続けていることには弁解の余地がない。

米国はイスラエルへの武器供給をやめなければならない。今すぐに。

 

<JVPへの寄付のお願い>
数万人の会員を擁するユダヤ人の平和の声は、世界最大のユダヤ人パレスチナ連帯組織です。

あなたの貢献が助けとなり、イスラエルによるパレスチナ人の抑圧と殺害がユダヤ人の安全の名の下に行われているという物語が疑問視され始めます。それによって、ユダヤ人は道徳と宗教のどちらに貢献するかの選択から解放されます。そして、主要なキャンペーンの基盤が固まります。つまりイスラエル国債の購入やイスラエルへの武器輸出を止めさせようという、米国内80以上の都市で各団体が取り組んでいる運動です。

私たちの年間予算の大部分は、「すべての人に安全と解放がもたらされる世界」という私たちのビジョンを共有する何万人もの会員によって賄われています。私たちは、私たちの仕事を継続し、政治的独立を維持するために、あなたのような人々に依存しています。

下記のサイトで寄付を行えます。
https://www.jewishvoiceforpeace.org/nobombs/?utm_source=website&utm_medium=topbar&utm_campaign=nobombs

原文(英語)を読む

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<参考サイト>

NY市警、ユダヤ系デモ参加者数百人を逮捕 駅占拠しガザ停戦訴え
https://www.afpbb.com/articles/-/3488480

イフノットナウ運動:イスラエルのアパルトヘイト制度に対する米国の支援を終わらせるための米国ユダヤ人の運動
https://www.ifnotnowmovement.org/

ラベル思考の危険性 ~ユダヤやイスラエルやアフガニスタンなどの言葉~
https://webafghan.jp/siten083/

イスラエルからの投資撤退運動の静かな成功
https://www.yesmagazine.org/democracy/2024/08/06/israel-taxes-palestine-gaza-divest
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