The Taliban’s Gains from the ISIS Surge
By Hasht-E Subh On Jun 24, 2023
ハシュテ・スブ:主張 2023年6月24日
(WAJ: ISIS-Kはいまでもアフガニスタン内で自爆テロなどの攻撃を継続している。その対象は現在ではハザラ族やタジク族、インド系のシーク教徒など非パシュトゥーン人に集中している。それらはターリバーンの民族浄化政策と同期している。本主張はターリバーンをつかってISISなどテログループをせん滅しようとする政策の虚偽を明らかにしている。)
ISISホラーサーン(ISIS-K)はターリバーンと米国の交渉(訳注:2020年2月に締結されたドーハ合意交渉)が激化する中で出現した。両者の交流が深まるにつれ、ISISとそれに続くテロ行為についての議論がより顕著になっていった。
ターリバーンに否定的な光を当て、ISISを人類の最も恐ろしい犯罪の新たな顔として確立しようとする協調的な努力が行われているように見えた。
ISISの残忍な行為はターリバーンの行為とよく似ていた。両陣営は自爆テロを利用し、敵対者であるジャーナリスト、地元の影響力者、市民活動家らを作戦手段として等しく斬首した。
スタジアム、学校、病院などの民間人を標的とした爆破事件は、ISISと関連することがより頻繁だった。とはいえ、そのような残虐行為はISISが発足するずっと前から行われていた。しかし、ISISがターリバーンよりも冷酷であるという認識が組織的に醸成され、「悪い」テロリストがISISとされ、「善い」敵対者が交渉に従事しているかのような幻想が生み出された。
おそらく、和平交渉か戦争継続かアメリカとの対話か、の問題についてのターリバーン内の意見の相違が、ターリバーンの中からISISを誕生させたのだろう。
これらの過激派の中には、別のジハード主義の大義に忠誠を移した者もいた。しかし、この分裂は第1次ターリバーン支配時代からのイメージ回復と政権復帰にとって有益であることが判明した。
アフガニスタン共和国政府の最後の数年間、特にターリバーンがアメリカ人との戦いをやめたとき、彼らは政府支配地域で最も残忍な攻撃を実行したが、後にこれらはISISによるものであるとされた。
アフガニスタン・イスラム共和国の最後の数カ月、カーブルは血の海と化し、反ターリバーン派は容赦なく処刑された。
大学、学校、スタジアム、市場などの公共機関が執拗に標的にされた。これらの攻撃で誰が利益を得たのだろうか?
ISISは、ターリバーンやアフガン政府と権力を争う能力があるとは主張しなかったし、認識もされなかった。
ターリバーンを中傷する前述のキャンペーンは効果的であることが証明され、社会は屈服する準備を整えた。自爆テロ、樽爆弾、短剣を隠すことなく、自分たちが作り出した「悪」と闘うために国際社会と「協力」するというターリバーンに権力が移った。その結果、ターリバーンに対する国際社会の態度は変化し、過去のテロリストは無視され、対テロにおけるターリバーンの「協力」や、ISISの「制圧」、アル=カーイダや他の外国人テロリスト集団の侵入を防ぐ「成功」が会話の中心となった。
今日、悪名高いテロリストであり、自爆テロを指揮したハリファ・ハッカーニは、国連の会議でISISは重要な脅威ではないと断言した。彼自身の “聖戦士 “としての実績には、ズンビック交差点やインターコンチネンタルのような、民間人に多数の犠牲者を出した攻撃が含まれる。
ISISホラーサーンとターリバーンの間に根本的なイデオロギーの違いはあるだろうか?
ムッラー・ハイバトゥッラー(訳注:ターリバーンの最高指導者)がアフガニスタンの民衆に迎合的なジハードの準備をさせるよう部下に命じていることは、世界的なジハード主義を明確に示しているのではないだろうか? ターリバーンの旗の下に何千人もの国際的テロリストが集まっていることは、彼らが国際テロリズムと共謀していることを明確に示している。
特定の階級の政治的・経済的利益によるイデオロギー的に類似した集団間の衝突は、今に始まったことではない。ISISに対するターリバーンの粛清は、親グループ(ターリバーン)とその子孫(ISIS)の間の根本的なイデオロギー的区別を意味するものではない。
ターリバーンは、より暴力的な集団の存在を利用して民衆の恐怖を煽り、長年にわたりISISプロジェクトを悪用してきた。彼らは今でもその恩恵を受け続けている。
【原文(英語)を読む】☟
[…] イラクとシリアの国境付近で暗躍し、その名を馳せた「イスラーム国(ISIS)」のアフガニスタンにおける提携テロ組織が「イラクとレバント地方のイスラーム国ホラーサーン(ISIL-K)」である。2年前の米軍撤退時、空港で自爆テロをおこして一躍有名になった。何百煮人ものアフガン人が死んでも静かだが、十数人のアメリカ人が犠牲になると大騒ぎするマスコミへの恨み節はさておき、いま彼らはどんな状態なのか。ターリバーンは国際承認が欲しくて、ISIL-Kを倒す(注:「ISISの急増でターリバーンが得た利益参照」)と主張し、米国は軍事予算が欲しくて、近々米国本土を襲う力をつけると反論する。国連レポートによると、彼らは巧みに洗練されてアフガニスタンにおける脅威ナンバーワンに認定されたようだ。 […]