Trump’s regime is fated to collapse

(WAJ: 以下に紹介する論考は、アレクサンダー・J・モティル氏がワシントンD.C.で1994年から発刊されている政治専門紙「ザ・ヒル」のウエッブサイト「thehill.com」に3回にわけて連載したものである。論旨は極めて明快で説得的である。掲載にあたって「ザ・ヒル」はあくまでも著者個人の見解と断っている。

3回のタイトルはそれぞれ、
<第1回> トランプの革命は彼自身にとってもアメリカにとっても悪い結果に終わる
<第2回> トランプ政権は崩壊する運命にある
<第3回> トランプとロシアに関する5つの不都合な真実

アメリカ政治の状況分析にとどまらず、混迷を深める日本やヨーロッパの政治動向を見ていくうえで参考になる指摘が多く含まれている。3回連載分を1本にまとめて以下に翻訳し、シェアする。)

 

アレクサンダー・J・モティル(Alexander J. Motyl)氏は、ラトガース大学ニューアーク校の政治学教授。ウクライナ、ロシア、ソ連、ナショナリズム、革命、帝国、理論の専門家で、ノンフィクション10冊のほか、『帝国の終焉:帝国の衰退、崩壊、復活』や『帝国はなぜ再び現れるのか:比較的観点から見た帝国の崩壊と復活』の著者でもある。(The Hillによる紹介)

モティル氏の両親は、第二次世界大戦後、ソ連に占領された西ウクライナから難民として移住した。1953年10月21日ニューヨーク市の生まれ。1971年にニューヨーク市のレジス高校を卒業。コロンビア大学で学び、1975年に歴史学の学士号、1984年に政治学の博士号を取得した。また、コロンビア大学、リーハイ大学、ウクライナ自由大学、キエフ・モヒラ大学、ハーバード大学で教鞭をとり、現在はラトガース大学ニューアーク校で政治学の教授を務めている。学術的な仕事の他に、Foreign Policy19FortyFiveThe Kyiv Postなど の出版物に意見コラムを執筆している。(英語版wikipediaより)

 

<第1回>
トランプの革命は彼自身にとってもアメリカにとっても悪い結果に終わる
Trump’s revolution will end badly — for himself, and for America

 

(WAJ: アレキサンダー・モティル教授の論考は、フランス革命の革命派と反革命派との抗争のアナロジーでトランプ政権の行方を論じている。フランス革命のテルミドールのクーデターは革命派に対する反動だった。しかしモティル教授の言うトランプ氏の「革命」は本質的には進歩に対する反発であり本質的には「反革命」である。より詳しく述べると、ふたつの事象(フランス革命と反革命時のカオスおよびトランプによるカオス)は両方とも同じ動乱だがトランプの「革命」は本質的には紆余曲折はありつつも20世紀に進められてきたさまざまな進歩への反発だ。その点を抑えてモティル教授の論考を読むと革命と反革命のダイナミズムが現在のアメリカで演じられていることが見て取れ、じつに興味深い。加えてアメリカの60年代70年代の人民(学生・若者)の闘いと過激化の指摘はさらに興味深い。日本でも同時期の学生青年の闘いが左翼小児病=過激暴力化により内部から崩されていった歴史と重なるからである。「革命」も「反革命」も政治のダイナミズムのなかで行き過ぎて過激化し崩壊することが多い。アフガンスタンや日本やヨーロッパなどの政治動向をみつめ、革命と反革命のダイナミズムを理解したい。)

 

アレクサンダー・J・モティル
2025年2月21日

アイザック・ニュートンの運動第3法則によれば、「すべての作用には、それと同じ大きさで反対の反作用がある」。この法則は物理学に関するものだが、政治にも関係している。トランプ大統領とその側近たちは、この法則に留意すべきだろう。

トランプ政権最初の数週間の行動が明らかに示しているように、大統領の政策は革命的(訳注:ラジカルで非妥協的という意味。本来の意味では「反革命」)であり、アメリカ人の生活に急速で包括的かつ根本的な変化をもたらすことを望んでいる。上からなされた過去の革命がトランプの試みがどうなるかを予測する指針となるならば、彼の革命は目標を達成できないだけでなく、反対者や墓掘り人を生み出す結果となるはずだ。

トランプの革命は失敗するに違いない。なぜなら、急速で包括的かつ根本的な変化は複雑すぎるし、成功には不確定要素や未知の要素が多すぎるからだ。意図しない結果が現れ、問題が生じ、遅かれ早かれプロジェクト全体が行き詰まる。もちろん、何百万人もの人々の人生を台無しにして。それらは通常は失うものが最も少ない人々の人生だ。

影響を受けるエリート層と大衆は、トランプ氏の熱狂的な支持者を除く全員なのだが、街頭に出て、非人道的な計画を支持する革命エリートに対する効果的な抵抗手段は「人民の力」だということを実証するだろう。それに対して政権は脅迫と暴力で応じるだろうが、フランス革命のような集団テロに手を染める覚悟がない限り、強制は抗議者の決意を強固にするだけだろう。集団的抗議行動は続くだろう。

しかし、反対派の一部は、政府の取り締まりに対して異なる教訓を引き出すだろう。米国のウェザー・アンダーグラウンド、ブラック・パンサー、ヤング・ローズ、ドイツの赤軍派、イタリアの赤い旅団のように、彼らは暴力には暴力で対抗しなければならないと結論づけるかもしれない。(訳注:日本では暴動化した全共闘運動、内ゲバ化したり、展望なき小児病的武装闘争に突き進んだセクト。)

銀行強盗や暗殺、大学のキャンパスの混乱が予想される。州兵が動員されるだろう。しかし、防衛の要であるFBIは、組織が混乱し士気が低下しているため、テロリストを追跡することはできないだろう。

そうなれば、事態はさらに悪化する可能性がある。FBIとCIAが混乱し、欧州の機関から信頼されないプーチン支持者が国家情報局の責任者となる中、FBI長官カシュ・パテルとイーロン・マスクによる米国安全保障機関の連続的な破壊を喜ぶ外国のテロリストにとって、米国は格好の標的となるだろう。9.11の再発はもはや想定外ではない。

トランプ革命に対する両方の反応、つまり全国的な抗議行動と国内外のテロリズムは、大統領とその政権の正当性を失わせるだろう。理由は単純だ。トランプ氏はアメリカ全土の責任を負っているため、うまくいくこととうまくいかないことのすべてに対して責任を問われることになる。そして、うまくいくことよりもうまくいかないことのほうがはるかに多い。

その時点で、アメリカ全土に混乱と無秩序が広がる中、トランプ氏は賭け金を上げて大規模な暴力を行使するか、あるいはおそらくJ・D・バンス副大統領のような日和見主義者が率いる宮廷クーデターの結果として退陣せざるを得なくなるだろう。大規模な暴力は政権を救うことはなく、同じくらい反対の反応を引き起こすだけだ。宮廷クーデターは国から非合法な指導者を排除し、穏健主義と民主主義への移行を導く可能性があるもののバンス副大統領が政治的に生き残る可能性は低いだろう。テルミドール(訳注:テルミドールのクーデターのこと。ロベスピエールの急進的暴力的恐怖政治を倒した反動的クーデター)とでも呼べばいいだろうか。

混乱は起こるだろう。だが、アメリカは革命家やテロリストから自らを救う機会を得ることになる。

原文(英語)を読む

 

 

<第2回>
トランプ政権は崩壊する運命にある
Trump’s regime is fated to collapse

 

(WAJ: モティル教授はカール・ドイチュがナチズムの全体主義を分析して導き出した結論をベースにトランプ政権の在り様を分析する。そこにはナチズムと同じく他の独裁政権が崩壊する必然的諸要素が存在すると指摘する。「極度に集中化されたシステムは、情報の不足、誤った決定、全体主義的な支配者の弱体化、部下の不服従をもたらし、その後システムの崩壊につながる。」トランプ政権内部には政権100日を経ずしてその萌芽がすでに芽生えつつある。トランプ氏やプーチン氏の思いがすべて間違っているとは言えないが、意思の表現や実行において、「プーチンがロシアにとって災難だったように、トランプもまたアメリカにとって災難となるだろう」と言い切るモティル教授の言説は確信に満ちている。)

 

アレクサンダー・J・モティル
2025年3月3日

トランプ大統領の政権は、誇らしげなレトリックにもかかわらず、実際には脆弱であり、無力化、崩壊、またはその両方に陥る運命にある。

アメリカ人は、何にでも口を出す現政権の性質に驚くかもしれないが、これは何も新しいことではない。歴史上、すべての決定を下す絶対的指導者と、その周囲を取り囲むおべっか使いの部下たちが、弱い組織を手なづけ、自らの地位を私腹を肥やすための場として利用している体制の例は枚挙にいとまがない。

こうした政権は、ありふれた独裁政権ではない。独裁者といえども、常に束縛のない権威と相手の服従を自由に享受できるわけではないからだ。実際、トランプ第2次政権は、人類が経験したすべてを知っていると主張し、その全体を監督、指導、形成を企図する全能の支配者をシンボルとする全体主義政治体制に似ている。驚くことではないが、全体主義の指導者は、自分の好みに合わせてすべてを変えようとする急進的な変革計画をしばしば所持している。

こうした政権は強力に見える。なぜなら、全能の指導者は通常、非常に賢明で、恐れ知らずで、有能な統治者たる力強く男性的なイメージを振りまくからだ。しかし実際には、こうした体制は致命的な欠陥を抱えており、それが政権の中心的な組織原理でもあるので厄介だ。つまり極度の中央集権化である。

全体主義の衰退理論への最も重要な貢献は、ハーバード大学の優れた社会学者カール・ドイチュによるものだ。 1954年に発表された独創的な論文「全体主義」で、ドイチュは理想的な「全体主義的意思決定システム」を構築した。このようなシステムの重要な働きは「指揮と情報の統一」であり、その実現には「ちょっとした機械的仕組みが必要で、単一の決断理由をひけらかすか、いろんな取り決めまたは仕掛けを駆使して複数の選択肢からこれしかないと強弁する。」

ドイチュはさらに、そのようなシステムが必然的に「政策決断を一手に引き受け進めんとする力には限界がある」ことを示した。その結果、システムは「もはや手に負えない決断を前に過負荷となり、耐え難い遅延か、潜在的に重大なミスの可能性の増加という代償を払う羽目に陥る。」

ドイチュによれば、「長い目で見れば、あらゆる全体主義的な政府システムには、意思決定のための中枢機関に過負荷をかける傾向、あるいは逆に、元来の中央集権的な構造が自動的に腐食し、細かい破片へと見る見る分解していく傾向が内在しているのかもしれない」。

言い換えれば、極度に集中化されたシステムは、情報の不足、誤った決定、全体主義的な支配者の弱体化、部下の不服従をもたらし、その後システムの崩壊につながるのだ。

社会科学の専門用語は無視して、ドイチュのモデルがトランプ政権をうまく表現していることに注目してほしい。全知全能とされる大統領が頂点に立っている。そのすぐ下には、大統領に正しい情報を提供したり、大統領の意見に反対したりすることを恐れる、大げさなイエスマン大臣が20人いる。既存の政府機関はイーロン・マスクによって骨抜きにされ、残った職員は極めて脆弱で細分化された立場に置かれ、責任転嫁、重要問題の先送り、その他多くの機能不全の行動へと突き動かされ、システムの構造的な無能さをさらに悪化させ、その結果効率的かつ効果的な意思決定を妨げる。

大統領が真実を無視しているように見えるのは、大統領が聞きたいことばかりを聞かされ、実際のことは聞かされていないからかもしれない。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の支持率は世論調査では50%を超えているのに、わずか4%だと主張するトランプ氏のウソや、ウクライナがロシアとの戦争を「始めた」というウソを、他にどう説明できるだろうか。おべっか使いは支配者の支持を得ようとしている。彼らは、悪い(または正確な)ニュースを伝えるとトラブルに巻き込まれる可能性があることを十分承知している。

意外ではないが、ドイチュのモデルはウラジーミル・プーチン政権の正確な描写でもある。そして、理論が示唆するように、プーチン氏は、おそらく本気でロシアを再び偉大にしたと信じているにもかかわらず、逆にわずか3年でロシア軍と経済を壊滅させることに成功した。

トランプ政権の最初の数週間で、すでに大きな失策が起こっている。カナダ、メキシコ、パナマ、ヨーロッパ、ウクライナなど多くの同盟国を侮辱することは、トランプの不条理な要求が正当だったとしても、間違いなく不必要だった。ケネディ・センターの会長に自ら就任することは、絶対的な支配者としてのトランプ氏の自己イメージからすれば完全に理にかなっているとはいえ、過去のどの大統領も手を出さなかった暴挙かもしれない。外交政策の希望をすべてプーチン氏に託すのは、トランプ氏を弱くて愚かに見せるようにロシアに頼んでいるようなものだ。

<参考記事> トランプ氏、ケネディセンターの理事を解任し自ら会長に就任すると発言
https://www.nytimes.com/2025/02/07/us/politics/trump-kennedy-center.html

 

プーチン氏がロシアにとって災難だったように、トランプ氏もいずれまたアメリカにとって災難となる。幸運なことに、黄金時代を先導していると信じている男にとっては、極度の中央集権化は良い考えのように聞こえるかもしれないが、うまくいかない。トランプ氏もプーチン氏も、知らないうちに歴史の灰の山に永遠に埋もれる運命にあるのだ。

最後に残った小さなよき知らせは、両氏とも自らが構築した超中央集権的システムの中核に鎮座しているため、両氏がいなくなったらそのシステムは存続しそうにないということだ。アメリカ、そしておそらくロシアでも民主主義が復活する希望がある。

原文(英語)を読む

 

<第3回>
トランプとロシアに関する5つの不都合な真実
5 uncomfortable truths about Trump and Russia

(WAJ: ここで例示されている5項目は、世界の歴史において破綻が実証された事象ばかりであり、現実世界の底流に流れる世界意思の反映でもある。トランプ氏とその取り巻きはそれらを知らないか、知っていても目をそらしているかである。彼らの主張と行動は、彼らには見えないアメリカ人民や世界人民の意思といずれ衝突し、破綻を余儀なくされるであろう。それまでに多くの人々の命が失われ、運命が狂わされる悲劇がおきる。それを少しでも小さくすることがわれわれの課題なのだ。)

 

アレクサンダー・J・モティル
2025年3月11日

言葉を濁さずに言おう。トランプ大統領とその政権に関する極めて不快な事実を5つ挙げよう。

まず、激化するロシアのミサイルとドローンの攻撃からウクライナの民間人を守る能力を弱めることによって、トランプ氏はウラジーミル・プーチン氏の大量虐殺戦争を事実上支持したことになる。軍事歴史家フィリップス・オブライエンが言うように、我々はとうとう「今週になって、米国によるウクライナ人の殺害開始」を経験した。

もちろん、トランプ氏とその追従的な部下や支持者たちは気にしないが、歴史は彼らを厳しく裁くだろう。国際刑事裁判所もいつかは裁くかもしれない。トランプ氏は、ウクライナをロシアとの交渉のテーブルに着かせたいという願望によって、罪のないウクライナ人に対する暴力を正当化したかもしれないが、それによって共謀罪から逃れられるわけではない。

第2に、トランプ氏は帝国主義者だ。最近の議会演説でグリーンランドとパナマ運河の領有権を主張し、彼は最終的にこれらを米国ホワイトハウスの公式政策に取り込むことを決めた。彼はまた、カナダのジャスティン・トルドー首相に対し、米国とカナダの国境を再検討し、おそらくは調整するつもりだと伝えた。

もう一度言う。トランプ氏とその支持者たちが気にしているとは思えないが、歴史、そしてほとんどの旧植民地国家が彼らを厳しく裁くだろう。

第3に、トランプはおそらく無意識のうちに、世界を第3次世界大戦に巻き込むことになる。彼がプーチン大統領を支援すれば、他の大量虐殺志向の好戦的国家がプーチン氏の後を追う試みを必然的に促すことになる。その結果、よりいっそうの武力衝突、国家間の不寛容の増大、テロリズムの活性化、そして世界的不安定性の増大が起こり、最終的には大国とその同盟国を大戦火に巻き込むことになる。

もちろん、トランプ氏とその追従者たちはこれに反対し、自分たちが望んでいるのは平和だけであり、ウクライナのような一見被害者風の者こそ戦争の本当の加害者だと主張するだろう。しかし、歴史は彼らの恥ずべきレトリックに騙されず、彼らの本質を裁くだろう。

第4に、トランプ氏は独裁志望者であり、おそらくファシスト志望者でさえある。これは私が軽々しく使う言葉ではない。独裁者は完全な権力をもって統治する(ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領にはまったく当てあはまらないのだが)。トランプ氏はその完全性にはまだ至っていない(プーチン大統領は達成している)が、2期目にはそれを達成しようと固く決意しているようだ。そして、彼が成功する可能性は少なくともフィフティフィフティに見える。

一方、ファシストは個人崇拝を伴う人気とカリスマ性をそなえた独裁者であり、イタリアのベニート・ムッソリーニがその典型だ。トランプ氏は総合的な権力の尺度では及ばないが、人気、カリスマ性、崇拝の点で優れており、「ファシスト」という修飾語にふさわしい。

以上4つの事実を合わせると、5つ目の事実が浮かび上がる。それは、トランプ氏がプーチン氏とますます区別がつかなくなってきていることだ。クレムリンのボスは、積極的な大量虐殺者であり、帝国主義者であり、戦争屋であり、長年のファシスト独裁者である。トランプ氏は、これらの点のそれぞれにおいてまだ道のりは遠いが、彼の目標は明確である。そしてわずか数週間で彼が成し遂げた進歩は、アメリカの民主主義と国際秩序の将来にとって悪い前兆である。もっと悪いことに、彼の行動は言葉よりも雄弁である。

トランプ氏とその取り巻きがプーチン氏の言い分に食いつき、釣り糸、重りもろとも釣り上げられたのは不思議ではない。こうして、トランプ氏は、ウクライナが戦争と大量虐殺の加害者であり、ゼレンスキー氏は非合法であり、「キーウ政権」はファシストだと言い募る。対照的に、ロシアは額に飾ってウクライナの邪悪な計画の犠牲者であり、プーチン氏は卓越した民主主義者であると言う。トランプ氏のMAGA基地の崇拝者でそのスポークスマンであるタッカー・カールソン(訳注:アメリカの保守派政治コメンテーター。FOXニュースの政治トーク番組『タッカー・カールソン・トゥナイト』の司会者)がロシアの言い分を鵜呑みにしているのも不思議ではない。

プーチン大統領の戦争、帝国主義、大量虐殺、独裁政治のプロパガンダは、帝国主義とソビエトロシアの政治文化の長い歴史に根ざしている。トランプ氏の願望は、それと比べればまだアメリカ人の心を鷲掴みにしていない。特に今のところ、大量虐殺、帝国主義、戦争、独裁政治を望むアメリカ人はほとんどいない。

残念ながら、ロシアの政治文化とその好ましくない側面が変わるのは、ロシアが大敗し、ロシア国民が正気を取り戻した場合のみだろう。トランプ氏がプーチン氏を支えている状況では、そのような結果は起こりそうにない。

最後のよき知らせは、トランプ氏の計画は遅かれ早かれアメリカの価値観と衝突し、不名誉な結末を迎えることになるという事実だ。ただし、その前にアメリカと世界に多大な損害を与えてしまうのは甚だ痛いが。

原文(英語)を読む