Afghanistan: Taliban’s return to ‘international norms’ is non-negotiable says UN mission chief
アフガニスタン:ターリバーンの「国際規範」への復帰は交渉の余地がない、国連代表団長の演説
(WAJ: ターリバーンは国連の議席を自分たちによこせと要求している。しかし、2年半たっても正式にターリバーンを承認する国がない現状では、軍事クーデターで民主政権を転覆したミャンマーと同じく旧政権の代表が国連の議席についている。国連ではなんどもこの問題が討議されている。2023年12月になされたこの国連での演説は、ターリバーンが国連の議席を得るための条件を示したものといえる。ターリバーンや国内治安についてかなり甘い評価が随所にみられるが、さまざまな点での「国際規範」の順守を求めている点は評価できる。とくに、女性と女児および男子の教育についてその内容にまで踏み込んで「国際規範」を要求している点が注目される。)
UN News
Global perspective Human stories
20 December 2023 Peace and Security
国連ニュース
グローバル・パースペクティブ・ヒューマン・ストーリーズ
2023年12月20日 平和と安全保障

安全保障理事会でアフガン情勢について説明する国連事務総長特別代表兼アフガニスタン支援ミッション代表ローザ・オトゥンバエワ(©UN Photo/Manuel Elías)
人権問題の解決における進展の欠如が、アフガニスタンと国際社会との間の現在の行き詰まりの主要な要因である、とアフガニスタンに対する国連特別代表は水曜日(2023年12月20日)、ニューヨークの安全保障理事会での会見で述べた。
<参考サイト>
https://reliefweb.int/report/afghanistan/briefing-united-nations-security-council-secretary-generals-special-representative-afghanistan-roza-otunbayeva-new-york-20-december-2023
国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の責任者でもあるローザ・オトゥンバエワは、2021年8月に権力を掌握したターリバーン暫定政府へのさらなる働きかけの必要性も強調した。
アフガニスタンの人権状況は、女性と女児に対する制度的差別、政治的反対意見と言論の自由の抑圧、少数民族の意味ある代表の欠如、超法規的殺害、恣意的な逮捕と拘禁、拷問と虐待の継続的な事例によって特徴づけられている、と彼女は理事会に述べた。
国際基準の順守
「アフガニスタンが批准している国連条約に定められている国際的な規範と基準を受け入れ、それを守るために努力することは、国連に席を得るための譲れない条件である」と彼女は述べた。
3月に採択された安全保障理事会決議(訳注:決議2679)に基づき、国連がアフガニスタンの課題への取り組みについて個別の評価を行ったことを彼女は歓迎した。
<参考サイト:決議2679>
https://www.securitycouncilreport.org/atf/cf/%7B65BFCF9B-6D27-4E9C-8CD3-CF6E4FF96FF9%7D/N2307809.pdf
オトゥンバエワ代表によると、「この報告書(訳注:昨年11月に、決議2679に従って出された個別の評価報告)に対する暫定政府の一般的反応は、彼らが多国間アプローチよりも二国間アプローチを好むこと(訳注:国連の役割を軽視し、各国と個別に国交回復を目指す姿勢)を示している。」だから、締結された条約の履行義務などそっちのけで、女子教育と女性の雇用の禁止は内政問題だと言い張るのだと付言した。
<決議2679に従って出された個別の評価報告>
https://www.securitycouncilreport.org/atf/cf/%7B65BFCF9B-6D27-4E9C-8CD3-CF6E4FF96FF9%7D/N2334580.pdf
<参考サイト>
https://www.securitycouncilreport.org/whatsinblue/2023/11/afghanistan-private-meeting-and-closed-consultations.php
同代表は、このような状況では報告書が解決しようとしている行き詰まりが長引くだけだと懸念を表明した。
安全保障理事会でアフガン情勢について説明する国連事務総長特別代表兼アフガニスタン支援ミッション代表ローザ・オトゥンバエワ(UN Photo/Manuel Elías)
対話と関与
オトゥンバエワ代表は、今後のアプローチは2つの要素によって導かれる必要があると述べた。1つは、アフガニスタンに関する持続的でより詳細な国際的合意を形成すること、もう1つは暫定政府に対して、国際社会のメンバーとより一層の意欲をもって対話し関与するよう働きかけることだ、と述べた。
「対話が相手を正当化するわけではない。対話は不支持を表明しながら変化を促すためにも使える」と。
「私たちは、2021年8月以来の取り組みから教訓を学ぶ必要があると頻繁に話してきた。教訓の1つは、単にその学びが十分ではなかったということだ。カーブルも含めて(訳注:オトゥンバエワは暫定政府の実権がカンダハルグループに帰することをほのめかしている)、暫定政府ともっと直接的に関与する必要がある。」
域内の安全保障に対する懸念
オトゥンバエワ代表はまた、アフガニスタンと域内の安全保障、人道問題、教育などの問題における進捗について理事会に確認を促した。
彼女は暫定政府がアフガニスタンで概して良好なレベルの治安を維持し続けてはいるものの、依然として不発弾は特に子供たちにとって重大な懸念であると述べた。
同代表は、シーア派コミュニティは依然として不当な危害を受ける恐れにさらされており、ここ数カ月間に3件の攻撃で39人のメンバーが死亡しており、これらの攻撃はすべてISIL-KP(訳注:イスラム国のアフガニスタン組織ホラーサーン)テロ組織が犯行声明を出していると指摘した。ヘラートではシーア派聖職者に対するさらなる標的型攻撃も3件あり、9人が死亡した。
一方、域内各国はアフガニスタンから新たな脅威が生じる可能性を懸念している。彼女は、これは特にパキスタンに当てはまると述べた。つまり、暫定政府が全く封じ込めようとしないためにパキスタンのターリバーンが国内で大規模なテロ攻撃を続けているとパキスタン側は確信している。

アフガニスタンへの帰国のため家財を積んだトラックに乗る少年(© WFP/Rana Deraz)
パキスタンからの追放
さらにパキスタンは先月、国内に住む不法滞在のアフガン人の国外追放を開始し、現在ではそのうち50万人近くが帰国している。オトゥンバエワ代表は、この状況が隣接する2国間の関係悪化につながっていると語った。
「帰国者は貧しい人々の中で最も貧しい人々だ。そのうち8万人はアフガニスタンで行き場を失っている。強制送還された女性と女児に対する人権への影響は特に深刻だ。」
質の高い教育への挑戦
彼女はまた、アフガニスタンにおける教育の質に対する懸念がいかに高まっているかを強調した。また国際社会がターリバーンによる女子教育禁止を撤回する必要性に当然の焦点を当てる一方で、教育の内容と通学環境の悪化が男子にも影響を与えていると述べた。
イスラームを教えるマドラサでなら何歳の女児でも学べるという噂話は、国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)のスタッフにますます多く漏れ聞こえているようだ。「だが、マドラサの全実態が明らかなわけではない。現代教育の各科目が整備されているのか。何人の女児を受け入れるのか」と。
暫定政府の教育省が、マドラサの実態調査に乗り出したと聞く。公教育におけるカリキュラム見直しと合わせて、女児を教室に戻す条件をいま整備中だとの報告もある。
「しかし積み残される女児たちには時間がない。男女かかわらず平等にすこぶる現代的なカリキュラムを提供しなくては、暫定政府が標榜する先々の経済的自立などおぼつかない。」
オトゥンバエワ代表は、麻薬対策についても言及した。ケシ栽培が95%も減少したのは、長きにわたり世界が暫定政府に要求してきた成果だと述べ、さらなる協力の必要性を強調した。
人道危機の深刻化:OCHA(国連人道問題長征事務所)報告
アフガニスタンは依然として人道支援がもっとも必要な国の一つで、支援にたよる人口は今年(2023年)中に2900万人を超えようとしている。
<参考サイト>
https://www.unocha.org/news/afghanistan-humanitarian-needs-push-record-levels-years-end#:~:text=As%20we%20come%20to%20the,to%20pile%20on%20the%20pressure.
OCHAのシニアリーダー、ラメシュ・ラジャシンガムによると、この数は今年1月よりも100万人増え、この5年で3.4倍となった。
10月にはヘラートを巨大地震が3度にわたり襲い、いまも数万人がテントや簡易シェルターで暮らしている。
さらにラジャシンガムによると、「アフガニスタンでは暫定政府の抑圧策によって、女性と女児の問題が広範囲に広がり、かつ深刻化した。」
確かにここ数か月、国際援助組織や国連で働く女性への追加の禁止や制限は課されていないが、彼女たちの職務を制限するさらなる試みはなされている。たとえば通達文書を出して彼女たちを管理職からひきずり降ろしたことなどだ、と彼は言った。
「しかしながら、われわれは地方レベルにおいては暫定政府と実質的協力関係をある程度むすぶことが引き続き出来ている。それによってアフガン女性の人道的活動を可能にしている。」
さらにこう述べた、「いくつかの人道プログラムは当初禁令によって宙に浮いていたが、いま再開し、前にも増して活発化している。」
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