Under Taliban Rule, Afghan Girls Turn to Drugs Amid Rising Depression
(WAJ: ターリバーンが6年生以下を除く女性や少女の学校教育を禁止して3年半がすぎた。女子の医療は女子にしか許さず、としながら女子の医学や医療保健従事者の教育も廃止した。このままの禁止措置状態がつづけば、2030年までに400万人以上のアフガニスタンの女性や少女が学校に通えなくなる可能性があると国連は警告している。4000万人といわれる人口のうち1000万人が国外に逃れている。残る3000万人のうち大多数が飢餓に怯え、数百万人の少女が学校にも通えない社会。破綻国家ではなく、破綻社会というべき未来が予想される。そのようななかにあって、ジェンダー・アパルトヘイトと批判される厳しい女性差別をうける少女らのなかには薬物に溺れる者もでてくる。その実態をアフガニスタンの独立系ジャーナルであるハシュテ・スブ・デイリー紙が調査しレポートを発表した。この悲痛な状況はアフガニスタンだけでなく、世界が共有すべきものではないだろうか。)
ベヘニア
2025年3月27日
ハシュテ・スブ・デイリー紙の調査報告は、全国7州での調査結果に基づいており、ターリバーンが女性の教育、学問、雇用を制限したことを受けて、多くの女性や少女がさまざまな中毒性物質に頼るようになったことを明らかにしている。これらの州の少女や女性は、心理的圧力、精神的緊張、うつ病から逃れる唯一の方法は、タバコ製品、特に紙巻きタバコ、タブレットK(訳注:アフガニスタンで違法に路上売買されている覚醒剤の通称)、ジーガップ錠(訳注:鎮痛剤)、電子水ギセルの使用であると述べている。これらの女性たちは、教育を受けられないこと、就職の機会がないこと、制限の強化、国外移住、ターリバーンによる投獄、家族からの圧力、強制結婚(訳注:児童婚含む)などの理由で、タバコや鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬に頼ってきた。心理学者、医師、薬局経営者らによると、過去1年間で、重度のうつ病のためタバコ、タブレットK、ジーガップ錠に頼るようになった若い女性や10代の患者が相当数いたという。報告書の調査結果によると、タバコの使用は18歳から25歳の少女や10代の若者に最も多くみられる。トラマドール、ゾロフト、プロレクサ、サンフレックス、ジング、アーニル、アミトリプチリン、ブルフェン、パラセタモールなどと称する経口薬、鎮静剤注射などは、教育を受けられなかった少女や女性全般に広く使用されている。報告書には、教育を受けられなかった少女、ターリバーンに投獄された経験のある女性、亡命生活を送る女性など30人へのインタビューが含まれており、彼女たちは、友人の多くも長期使用がもとで薬物やタバコに依存するようになったと述べている。
以上は過去6か月をかけたハシュテ・スブ・デイリーの調査結果によるもので、カーブル、ヘラート、バルフ、タハール、ジューズジャーン、ガズニー、サーレポルの各州での現状を伝えている。特にアフガニスタンでは女性の喫煙に対する社会的偏見があるため、その多くが、代わりに上述した鎮静剤、睡眠導入剤、抗不安剤を選んでいることは注目に値する。
さらに、カーブル市内のさまざまな地区にある薬局5軒、カーブル精神病院を含む心理療法センター4カ所の経営者、バルフとサーレポルの心理学者らは、ハシュテ・スブ・デイリー紙のインタビューで、教育を拒否され、鎮静剤に頼る女性患者が多数いることを認めた。心理学者らによると、過去1年間で100人から500人の少女が治療を求め、うつ病、ひどい頭痛、孤独感に苛まれ、それらを和らげ、自傷行為を防ぐためにこうした薬を使用している。
ゾロフト、プロレキサ、アミトリプチリンなどの薬物は、ターリバーンの規制下でうつ病や依存症と闘うアフガニスタンの少女たちにとって命綱となっている。(独占)
タバコで苦しみから逃れる
多くの女性や少女がこれらの物質に依存している中でも、教育を受けられないカーブル州とバルフ州の少女たち、亡命中の女性たち、ターリバーンによる投獄を経験した女性たちの間で際だって多く見られる。両州の心理学者、医師、薬剤師の数名は、過去1年間に、深刻なうつ状態のためタバコ、タブレットK、ジーガップ錠に頼るようになった若い10代の女性患者に多数遭遇したことを認めている。
少女の依存症に関する心理学者の見解
カーブル精神病院の心理学者によると、過去1年間に、カーブルや他の州から100人以上の少女が重度のうつ病でこの施設を訪れた。過去1カ月だけでも、タブレットKの使用が2件記録されている。「22歳と19歳の女性患者2人は、すべての扉が閉ざされていると感じており、心理的および精神的プレッシャーを軽減するためにタブレットKを使用していました。」
心理学者は、少女たちの精神的、感情的状態は日々悪化しており、若い少女や10代の若者が喫煙する主な理由は、教育の機会が閉ざされ、夢を実現できないことにあると付け加えた。
過去3年間、カーブルのいくつかの私立病院で働いてきた看護師のレザエイさんは、ターリバーンが政権を握って以来、タブレットK、タバコ、トラマドール、ジーガップ錠を使用する女性の患者数が急増したと語る。これらの女性の中には、タバコ製品の過剰摂取後に、さらに刺激的な薬物を手に入れようとして病院を訪れる人もいる。「私はカーブルの別々の場所にある3つの病院で働いていました。特にプル・エ・ソルク地区の少女たちのタブレットKとタバコの使用率は非常に高かったです。毎日3、4人の少女たちがやって来て、心理的および精神的プレッシャーを軽減し、悲しみを忘れて一時的に幸せを感じるためにタバコを吸っていると言っていました。」
さらに彼女は、タブレットKの過剰摂取により死の淵に立たされたが、医療介入により救われた患者もいたと述べている。「ある日、女性の患者が危篤状態で病院に来ました。私たちはできる限りのことをして点滴をしましたが、彼女の容態は改善せず、悪化するばかりでした。彼女を別の病院に移さなければなりませんでした。そこで血液検査を行った医師は、彼女がタブレットKを過剰摂取していたことを発見しました。彼女がもっと早く助けを求めていなかったら、間違いなく亡くなっていたでしょう。」
レザエイさんは、少女たちの喫煙の原因は教育を受けられないこと、家族からのプレッシャー、強制結婚にあるとしており、少女たちは圧倒的な孤独感、自宅監禁、家族からの束縛、結婚へのプレッシャーを薬物使用の理由として挙げることが多いと指摘している。
医師たちはターリバーンからの圧力により正確な統計を提供することはできないが、重度のうつ病に苦しむ少女や女性の間で喫煙が増加していることを確認している。
ハシュテ・スブ・デイリー紙の取材に応じた別の精神科医は、ターリバーンによる圧力と少女たちが目標を達成できないことが、彼女たちをタバコに走らせる原因になっていると述べている。少女たちにとって、タバコは数多くの悪影響があるにもかかわらず、精神的ストレスと心理的プレッシャーから逃れる唯一の手段とみなされている。
バルフ州のメンタルヘルスセンターで働く同州出身の心理学者は、センターでの業務では対処しきれず、教育や雇用を与えられず重度のうつ病に苦しむ少女や女性を他の組織と連携して個人的に支援しているという。過去1年間で、彼は個人診療所で130人以上の女性患者を診てきた。ターリバーンの女性に対する規制により、これらの患者の一部はタバコに頼るようになったと同氏は指摘する。「私の患者の80%は教育や雇用を与えられず、そのうち3、4人がタバコを吸っています。」
教育を拒否された学生がなぜ依存症に陥ったのか?
女子学生や大学生の中には、教育を受けられないことによる心理的、感情的なプレッシャーと、家族からのプレッシャーが重なって、喫煙に走ったという者もいる。喫煙しないと、ひどい頭痛、孤独感、息苦しさを感じ、人生を続けることへの絶望感に襲われると報告している。
高校1年生のニラブさん (仮名) は、教育を受けられないことと家族からのプレッシャーでストレスを感じており、それが重度のうつ病につながっている。このうつ病と、暗い将来に対する過度の不安が重なって、彼女はひどい頭痛に悩まされている。彼女は最初、睡眠薬と鎮静剤で痛みを和らげたが、今ではタバコが欠かせないと言う。「最初は睡眠薬と鎮静剤を使っていましたが、今はタバコも吸っています。家族に知られるのが怖いので、比較的的少量ではありますが。」彼女は、4人の友人も同じような状況にあり、家族に内緒でタバコを吸っていると付け加えた。
ニラブさんは何度かタバコや鎮静剤を止めようとしたが、そのたびに、ひどい孤独感に襲われ、頭痛も激しくなり、結局薬物や喫煙に頼らざるを得なくなると説明する。
報告書の調査結果によると、喫煙は18歳から25歳の、とくに10代の少女の間で最も蔓延している。
ストレスや精神的プレッシャーを軽減するためのさまざまな薬物の使用
トラマドール、ジーガップ、ゾロフト、プロレキサ、サンフレックス、ジング、アーニル、アミトリプチリン、ブルフェン、パラセタモール、鎮静剤注射などは、教育を受けられない少女や女性全般に広く使用されている薬物である。過去 3 年間、これらの薬物の使用により、多くの少女が中毒になり、1 日に 1 回から 4 回服用している。教育を受けられない少女たちが中毒になる理由には、夢を失ったこと、ターリバーンの女性に対する規制が強まっていること、人生の見通しがないこと、ターリバーンの権力掌握に伴う家族からのプレッシャー、強制結婚、移住、将来への不安などがある。
ターリバーンの投獄を経験した女性のタバコ中毒
ターリバーンによる投獄経験は、女性のタバコ中毒の大きな要因となっている。ターリバーンによって投獄された後、耐え抜いて亡命を果たした場合も、女性が抱える心理的・感情的プレッシャーは、精神科医が処方する鎮静剤だけでなく、タバコや電子水ギセルなどのさまざまなタバコ製品の使用につながっている。本報告書で匿名を希望した女性の中には、拷問や当時の苦い記憶など、ターリバーンの投獄の恐ろしい経験が彼女たちを苦しめ、心理的・感情的ストレスが長引き、苦しみを忘れることができないと語る人もいる。その結果、彼女たちの逃げ場は鎮静剤であり、加えて、さまざまな形のタバコへの依存となってあらわれている。
ターリバーンによる投獄を経験し、現在はパキスタンに住んでいるある女性は、同様の経験をした多くの女性が深刻な精神的、感情的ダメージを受け、精神的ストレスに対処するためにタバコや電子水ギセルに頼っていると述べている。そのような女性の間ではこれらのタバコ製品の使用が広まっている。彼女によると、「喫煙は女性の間で非常に一般的になり、24時間でタバコ1箱を消費するほどです。みな喫煙が心を落ちつかせ耐えがたい経験を忘れさせてくれると言います。みなときどき、フラッシュバックが起きて平常を保つには過度の喫煙や飲酒が欠かせなくなります。彼女たちは少しでもプレッシャーを受けると、すぐにさまざまなタバコ製品に頼りってしまうのです。」彼女は、タバコの使用で痛みが治まることはないが、女性たちは精神的プレッシャーの強さから逃れるために感情的にタバコに頼らざるを得ない状況に陥っていると信じている。
ターリバーンの投獄を生き延びた後、孤独に包まれたある女性は、アフガニスタン女性の間でタバコ中毒を引き起こすトラウマの隠れた犠牲を反映している。(独占)
カーブル
ターリバーン支配以前は女子生徒の教育機関への進学率が高かった主要州のひとつカーブル州は、ターリバーン最高指導者の女子教育禁止命令を受けて、現在では女子の薬物中毒率が最も高い。この州の女子が経験するうつ病や精神衛生上の問題により、多くの女子がさまざまな睡眠薬、鎮静剤、抗不安薬に頼らざるを得なくなっている。
市内のさまざまな地区に住む少女たちは、学校や大学の閉鎖、家に閉じこもり続けること、不確かな将来に対する過度の心配、結婚に関する家族からのプレッシャー、ターリバーンへの恐怖などにより、息苦しさ、不眠、息切れ、ひどい頭痛、腹痛、倦怠感に悩まされ、最終的には人生に絶望していると報告されている。この状況から逃れるために、少女たちはさまざまな薬物に頼り、長期間使用することで、多くが依存症になっている。
少女たちは、これらの薬物がないと、ひどい頭痛、不眠症、窒息感に襲われ、耐えられない状態になると言う。また、これらの薬物を使わないと自殺願望が湧き、自傷行為を防ぐために、1日に2回、3回、あるいは4回も薬物を飲まざるを得ないとも言う。
カーブル在住で教育を拒否された少女の一人であるラジアさんは、学校の閉鎖、将来への不安、ターリバーンにより強化される規制、同組織への恐怖などにより精神疾患を患っている。この症状による耐え難いプレッシャーから、ラジアさんは何度も心理学者に相談し、医師から薬を処方された。
教育を受けることを禁じられたこの少女は、ジング錠、ゾロフト、鎮静剤の注射を使用している。彼女の深刻な状態のために医師がこれらの薬を処方したことは一度だけだが、これらの薬によって穏やかで安らかな睡眠が得られるため、彼女はこれらの薬に依存するようになり、過去3年間、さまざまな量を使用してきた。
ラジアさんは言う。「学校が閉鎖された後、私は自分の将来がどうなるのか考え始めました。もし読み書きができないままだったら、どうなるのか? 結婚を強いられたら、どうなるのか? ターリバーンに連れ去られて暴行されたら、どうなるのか? こうした考えが朝まで私を眠らせず、常にストレスと不安を抱えていました。だから私は医者のもとに行き、薬をもらい、それ以来ずっとそれを飲んでいます。この薬を飲むと気分が良くなり、眠れます。飲んだ後は24時間のうち20時間は眠れます。でも飲まないと、頭が爆発しそうなほどひどい頭痛がして、顔が青ざめ、弱って引きこもり、ただ呼吸しているだけの生気のない体のようになってしまいます。そして、常に自分を傷つける方法を考えてしまいます。」
薬物の使用量と頻度は少女たちによって異なる。ラジアさんは忙しいときは使用量は少ないが、1日に2、3回服用することもあるという。これらの薬物、特に注射薬の鎮静効果は非常に強力で、医師はガン患者に生きる希望を持ち続けるために処方するほどだ。
ラジアさんはさらに言う。「前回医者からこの薬をもらったとき、もう使わないようにと言われました。なぜなら、この注射はガン患者に人生に希望を持ち続けてもらうために打つものだからです」。また、彼女の友人の多くがうつ病に苦しみ、さまざまな薬やタバコを使っていることにも触れた。
精神疾患のため薬物に頼るようになったもう一人の学生、マリアムさんは依存症になった。彼女はアミトリプチリン、プロレキサ、サンフレックスを、症状に応じて1日2~4錠服用している。マリアムさんは、うつ病と薬物使用の原因は学校閉鎖と社会活動の不足にあると考えている。これらの薬がないと、ひどい頭痛、激しい心臓の痛み、息切れで気を失い、体が弱くなると彼女は言う。
教育を拒否されたこの学生はこう説明する。「この薬を使わないと、音が耐えられなくなります。カップにお茶を注ぐ音さえも大きすぎて、気絶してしまいます。でも薬を飲むと頭痛が軽減し、気絶することもなくなり、少し気分が良くなります。」マリアムさんは、友人のうち5人ほどが同じ問題を抱えており、薬物を使用していると付け加えた。
中学3年生のシャキバさんは、学校から追い出された後、強制結婚の被害者となった。夫とその家族から暴力を受けたため、離婚して実家に戻った。離婚後の社会的な固定観念とプレッシャーでうつ病になり、現在は鎮静剤と抗不安薬を服用している。シャキバさんは言う。「状況は本当に悪かったです。結婚を強制され、とても苦しみました。離婚後、他人の言葉で落ち込み、鎮静剤と抗うつ剤を服用し始めました。服用しないと、頭が耐えられないほど圧迫されました。」
カーブルの心理学者、薬剤師、看護師数名は、ターリバーンの政権奪取以来、特に過去2年間、うつ病や息苦しい状況から薬物を使用する女性患者が多数見られたと証言している。これらの少女たちは、薬を入手し、症状を改善するために薬局、病院、または心理学者のもとを訪れている。
民間病院で看護師も務める薬剤師は、トラマドールを求める少女を毎日2、3人見かけるという。彼は、この鎮痛剤は主に負傷者に使われるが、過剰に服用すると依存症になる可能性があると説明する。「トラマドールの錠剤を求めて、毎日2、3人の少女がやって来ます。販売は違法なので、私たちは与えませんが、彼女たちは泣きながら懇願します。私たちが話を聞くと、彼女たちは依存症でタバコも吸っていると言います。」
もう一人の看護師レザエイさんもこれを認め、病院の薬局にはトラマドールとジーガップを求める女性客が毎日3、4人いたと述べている。彼女によると、これらの客はほとんどが少女で、ジーガップを好んだという。「ジーガップは心を落ち着かせ、悩みや悲しみを忘れさせてくれる鎮静剤です。トラマドールは中毒者に多く使われています。トラマドールがないと、神経障害を起こし、攻撃的になり、孤独を感じます。どちらの薬もうつ病の少女に使われていました。」彼女は、少女たちは、1袋10錠入りのものを大量に使用し、何袋も買うことが多かったと付け加えた。
教育を受けられなかった少女たちを専門とする心理学者ネザミ氏は、患者の多くが急性うつ病の少女たちで、薬物やタバコに手を出しがちだと指摘し、彼女たちのうつ病の深刻さに懸念を表明している。ネザミ氏は、これらの薬物には即効性があり、一時的な緩和をもたらすと強調する。しかし、心理療法がなければ、依存度が増すリスクが高まると考えている。ネザミ氏によると、患者の50%は助けを求める前に薬物を使用していたが、心理的介入により、重度のうつ病から救う努力がなされている。
カーブルでは、薬を入手するための薬局へのアクセスが他のどの地域よりも容易であるため、これらの薬物を使用している少女の数は他の州を上回っている。
ヘラート
ヘラート州では、教育を受けられない少女たちの間で、さまざまな鎮静剤や睡眠薬の使用や、それらへの依存も蔓延している。この州の少女たちは、特に過去2年間に教育を禁じられ、ターリバーンが女性に課した制限によってうつ病になり、対処するために薬物に頼るようになったと報告されている。
ヘラートで教育を拒否された少女の一人、ファリバさんは、2年間ひどいうつ病に苦しんでいるという。家に閉じこもり続け、勉強を続けることができないため、彼女は将来について絶えず心配し、不眠症に悩まされている。彼女はこう付け加える。「私たちの将来や夢に何が起こるかを考えすぎると、眠れなくなり、鎮静剤や睡眠薬を使わざるを得ません。」
ヘラートでは、ターリバーンの規制によりうつ状態が悪化し、鎮静剤に頼る中、一人の少女が窓の外を見つめながら自由を切望している。(独占)
ファリバさんは精神的に極度のストレスを感じ、ヘラートにある中央病院を受診せざるを得なくなった。そこで医師から薬を処方された。「医師は私の不眠症とうつ病は考えすぎが原因だと言いました。薬を処方してくれて、今ではいつも飲んでいます」と彼女は言う。薬がないと不眠症と考えすぎで気が狂いそうになると彼女は言う。ファリバさんはまた、学校が閉鎖されて以来、妹と姪が健康問題を抱えており、症状改善のために医師、シェイク(訳注:部族長や地域のリーダー)、ムラー(訳注:イスラム法学者・指導者)に助けを求めているとも言う。
ヘラート州出身のもう一人の学生、ギティさんは、学校閉鎖による精神疾患に悩まされており、症状は日に日に悪化している。彼女は常に恐怖を感じており、時間とともに状態が悪化しているという。ひとときの安らぎを求めて、彼女は睡眠薬や鎮静剤を服用している。「これらの薬は私の精神衛生の一部になっています。1日でも飲まないと、心と精神が以前の状態に戻ってしまいます。とても心配です。服用すると、何も考えず、気持ちのいい麻痺状態になりますが、効果はすぐに消えます。」
ギティさんは最初ヘラートの医師に治療を求めたが、その後、症状が悪化したため、心理学者に診てもらうためにカーブルまで行った。医師は彼女の症状が重かったため薬を処方した。「カーブルのジャムシッド・ラサ医師のところに3回行き、薬を処方してもらいました。」ギティさんは、この闘いは自分一人のものではなく、友人たちも薬物を使用していると付け加えた。彼女よりもひどい状態の人もいれば、やや軽い症状の人もいるとのことだ。
バルフ
アフガニスタンのもうひとつの主要州であるバルフには、ターリバーンの広範囲にわたる禁止令により精神衛生上の問題に悩む少女が多く住んでおり、薬物に頼らざるを得ない。この州で現在重労働に従事している少女の中には、不眠症と暗い将来に対する絶え間ない思いが薬物の使用や依存を強いる原因になっていると話す者もいる。
この州で教育を受けられなかった少女ダラクシャンさんは、平穏を維持できず2年間精神的苦痛に苦しんでいるという。不眠症と落ち着きのなさから、彼女は専門医に相談することなく地元の保健センターで睡眠薬を入手し、24時間以内に1錠か2錠服用している。彼女は説明する。「最初は夜に1錠服用していましたが、効かなかったので、今は2錠服用しています。」ダラクシャンさんは、自分のうつ病の原因をターリバーンの支配、夢の喪失、そして彼らの支配に従う社会的行動にあると考えている。彼女はこの州のカーペット織り工場で働いており、工場の少女数名と友人の1人も精神的な問題を抱えていると指摘する。
同州の大学生によると、友人の中には、当時の状況や家族からのプレッシャーから、密かに薬物を使用している人もいるらしい。「友人の1人は、ひどく落ち込んでいて、何も言わずに泣き出し、抑えきれないほど泣いていました。彼女は家族にそのことを隠して、薬物を常用していました。」
この報告では匿名を希望しているバルフ州の心理学者は、ある団体と協力し、バルフとサーレポルの精神保健センターで働いているという。過去1年間で、少女や女性を含む500人以上の女性患者がいた。これらの患者の80%は、現在の状況により教育を拒否され、その他の制限を受けている女性と少女であり、深刻なうつ状態に陥り、自殺を考えているという。
この心理学者によると、これらの少女たちは、直面するプレッシャーから逃れるために、さまざまな睡眠薬や鎮静剤に頼っているという。「不眠症、疲労、将来への絶望から、鎮痛剤や睡眠薬を使って心を落ち着かせようとし、それらに依存してしまう少女はたくさんいます。最近、私のクライアントの1人が鎮静剤を使用していて、依存していました。彼女は鎮静剤を飲まないと震えが起こり、ひどい気分になりました。比較的長期にわたるカウンセリングで、彼女の状態を改善することができました。」
サーレポル州で精神疾患に苦しむ少女たちも支援しているこの精神科医は、同州の女性や少女たちの状況はさらに悪く、多くの少女たちがさまざまな鎮静剤や睡眠薬を使っていると語る。同氏は、特にこれらの州の郊外に住む女性や少女たちがタバコや薬物中毒に陥るもうひとつの大きな要因として、強制結婚を挙げている。少女たちが教育を受けることを禁じられて以来、この習慣は大幅に増加している。
タハール
タハール州の少女数人は、ターリバーンの女性蔑視政策と女性の活動に対する広範な禁止により、より良い未来への唯一の希望であった教育の機会を奪われたと語る。学校に通うことを拒否されたことで、再び家に閉じ込められ、うつ病に陥った。この州の少女たちの間では薬物使用も見られる。心理学者の助けを求め、処方薬を使用する少女もいるが、薬局を利用できない少女たちは、自宅で一般的に入手でき、鎮痛剤として使用されるパラセタモールやブルフェンなどの薬物に大きく依存している。
この州の学生ファティマさんは、重度のうつ病のせいで引きこもりがちで、常に頭痛に悩まされているという。症状が悪化するせいで手が震え、薬物を使わざるを得なくなることもあると彼女は付け加える。「毎日とても疲れるようになりました。学校も大学も行かず、ずっと家に閉じこもっていると、常に落ち込んで孤立してしまいます。私のうつ病はひどく、手が震えてしまいますが、それはすべて大学が閉鎖されたせいです。震えや頭痛がひどくなると、家にあるパラセタモールやブルフェンなどの錠剤を使います」。彼女は心理学者に相談することなくこれらの錠剤を服用しており、この状態と孤立に慣れてしまい、医者に診てもらう気はないと言う。
ファティマさんは、母方のいとこや数人のクラスメートもうつ病で、医療支援を求めていると指摘している。彼女はこう付け加える。「うつ病になった人を私はたくさん知っています。叔父の娘たち、つまりいとこ、そして連絡を取り合っているクラスメートたちです。クラスメートやいとこの中には医者に行って薬をもらい、それを使用している人もいます。」
ジューズジャーン
ジューズジャーン州出身で法学と政治学を学ぶヘレン・マサ・ザヘドさんは、ターリバーンが学校と大学を閉鎖する命令を出した時から、彼女のうつと孤立が始まったと語る。時が経つにつれ、彼女のうつは悪化し、症状を改善する治療法はわからない。
ザヘドさんは、家族や社会からのプレッシャーにもかかわらず、夢を持ち、勉強に励んだが、ターリバーンが政権を握った後、すべてが破壊されたと語る。他の何十人もの少女たちと同様、彼女はトリプラミン、クロミプラミン、イミプラミンなどの鎮静剤や抗不安薬を使用して、一時的に心を落ち着かせ、暗い将来について考えないようにしている。
ザヘドさんはこう言う。「私のうつ病はひどくて、治療法がないと感じています。精神科の薬がどれほど有害で、私の体を弱らせるかは分かっていますが、私はどんな種類の薬もためらわずに使っています。」
この学生は昼夜を問わずさまざまな量の薬物を使用しており、薬物なしでは眠れず、息切れに悩まされている。彼女は続ける。「薬物を使用しないと、酸素のない監獄にいるような気分になり、息が詰まってしまいます。この状態から逃れるために、たとえ一瞬でも安眠を得るにはこれらの薬物を使用する必要があります。」
ザヘドさんは当初、医師の助言なしに地元の薬局で薬を入手していたが、症状が悪化したため、マザーリシャリフの神経科医と精神科医に相談し、彼らの指導のもとで薬を受け取った。「私たちの経済状況は良くありませんが、私のひどい症状のために家族が薬を買ってくれています。」
教育を受けられなかったこの学生は、諸悪の根源は今の状況で、多くの友人が同じ問題に直面しており、私と同じく法学と政治学を学んでいた友人の1人は、精神的プレッシャーに耐えられず自ら命を絶ったと付け加えた。彼女は「サラは私の友人で、私たちは2人とも法学と政治学を学んでいました。彼女は弁護士になり、女性の権利を訴えたいと強く望んでいました。サラの死体が吊るされているのを見たときのことを言葉で説明することができません。彼女はしばらく引きこもり、食事もとらず、誰とも話そうとしませんでした。家族は何度も精神科医に診てもらうよう勧めましたが、彼女は痛みは治らないし、夢がなければ自分は無価値だと言いました。結局、彼女は自ら命を絶ったのです」と語る。
ガズニー
ガズニー州も、女子生徒がうつ病で薬物を使用する州のひとつだ。学校に通うことを禁じられたマディアさんは、学校が閉鎖されたあと秘密の授業に出席することへのターリバーンの恐れから、ストレスと不安を抱えるようになったという。彼女は常に頭痛と倦怠感に悩まされており、医者に診てもらうこともできず、パラセタモールを大量に服用している。「最初、頭痛は目のせいだと思って眼科医に行ったら、視力に問題はないと言われました。その後、考えすぎとストレスが頭痛の原因だと気づき、薬物を使用し始めました」と彼女は説明する。
マディアさんは、薬がないと頭痛がひどくなり、耐えられなくなるため、唯一入手できる薬であるパラセタモールに頼らざるを得ないと言う。彼女はそれを手に入れるために3時間も歩く。
ガズニー州の丘から、ターリバーンによって閉鎖された遠くの学校を見つめる少女。その学校は、彼女のうつと薬物依存の原因となった失われた夢の象徴である。(独占)
この州出身のもう1人の学生、ファジラさんは、彼女の友人の何人かが、教育を受けられなかったことや家族からのプレッシャー、大量の薬物使用などにより、重度のうつ病を患ったと話す。また、極度の精神的プレッシャーとうつ病に圧倒された友人の1人は自ら命を絶ったと付け加えた。
亡命中の女性と少女の薬物中毒
国外脱出、不安定さ、経済的困難は、女性や少女がさまざまな鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬に依存する原因となっている。ターリバーンの政権奪取後、国外への逃亡を余儀なくされた多くの女性や少女は、パキスタンとイランで2年以上もの間、完全に不安定な生活を送っている。こうした不安定さと移住の困難がうつ病につながったと彼女たちは言う。これらの少女や女性の中には、うつ病が悪化した後、神経科医や精神科医に助けを求め、薬を処方してもらった者もいれば、自己治療に頼った者もいる。
ライラさん(仮名)は、ターリバーン政権後に母国を追われた少女の1人であり、現在はパキスタンに住んでいる。彼女は、外国生活の困難、仕事の不足、経済的苦境、不安定さが重度のうつ病の原因になっていると語る。疲労、ひどい頭痛、不眠症、そして絶え間ない孤独感から、彼女は神経科医と精神科医の診察を受け、さまざまな抗不安薬、鎮静薬、睡眠薬を処方された。
ライラさんはこう言う。「私は毎回4錠服用します。この薬のおかげで眠れて、気持ちが落ち着きます。私のうつと孤独感はひどく、体重は40キロまで落ち、毎日減り続けています。今少し落ち着いているのは薬のおかげです。そうでなければ、私はもう死んでいたでしょう。自殺を何度も考えました。孤独に圧倒されたときは、何かを飲んで終わらせようと自分に言い聞かせていました。一度、薬を全部一気に飲んで自殺しようとしたこともあります。」
教育を受けられなかったこの少女は、薬がないとひどい頭痛、孤独感、不眠症に悩まされ、自殺願望を避けて心の平穏を得るために薬に依存していると言う。彼女はこう付け加える。「私は薬に依存していて、飲まないと一晩中眠れません。薬にはたくさんの副作用があります。体重は毎日減り続け、コンピューターの使い方や書き方さえもすべて忘れてしまいました。」
イランに住むもうひとりの少女タマンナさんは、移住、祖国との別離、女性の苦境、そしてイランにおける生活の悲惨な状況がうつ病につながり、抗不安薬を自己治療しているという。彼女は医師の診察を受けておらず、ストレス解消のために母親が服用しているのと同じ薬を服用している。「この6か月で、私の症状は悪化しました。私は祖国に帰りたかったのですが、この移住とそれに伴う困難が私にストレスと不安をもたらしました。薬は有害だとわかっているので服用は好きではありませんが、不安が耐え難くなり、何か悪いことが起きるのではないかと考え続け、薬を使わざるを得なくなることがあります。」
この少女は動悸を抑えて気持ちを落ち着かせる薬を使って状況に対処しようとしている。「医者に診てもらうべきだとは分かっていますが、医者の勧めでこの薬をもらうわけではありません。でも、私の母も同じ問題を抱えているので、母の薬を使います。」
パキスタンに住む別の女性、ロキアさんは、深刻な経済状況、先行きの不透明感、そして同国で兄が亡くなったことがストレスと不安の原因になっていると話す。精神科医に相談した後、彼女は鎮静剤、抗不安薬、睡眠薬を服用している。彼女は1日に4錠服用しており、これらがないと眠れず心臓発作を起こすという。「この薬を飲まないと眠れず、心臓発作を起こし、体の片側が麻痺し、激しい痛みを感じます。」
自己投薬、高額な費用、そして薬へのアクセス
少女や女性の間で薬物が使用される場合、2つの異なる方法がある。まず心理学者に相談できる場合。神経科医や精神科医に相談し、処方された鎮静剤、抗ストレス薬、抗不安薬、睡眠薬を治療の一環として使用する。精神科医はこれらの薬物の長期使用を推奨していないが、多くの少女は即効性に惹かれて医師の診察を受けるのをやめ、自分で薬局から薬を入手し始める。これが第2の方法。特にカーブルや亡命先では、ほとんどの女性や少女が処方された治療が終了した後もこれらの薬物を使用し続ける。
そうした少女の1人であるラジアさんは、治療後、医師から鎮静剤はがん患者に処方されるものだとして、これ以上使用しないよう勧められたと話す。しかし、彼女は今日まで鎮静剤を使い続けている。
精神科医のネザミ氏はこの問題を認め、薬物療法は重篤な場合にのみ、また稀にしか推奨されないが、ほとんどの患者は薬物の即効性を体験した後、定期的に薬物療法を続けると述べている。また、精神科医の助けを求めることはアフガニスタン社会では広く受け入れられておらず、これが精神疾患を抱える人々が薬物療法に頼る主な理由であると指摘している。
こうして、少女や女性の大多数は、心理学者や精神科医に相談せずに鎮痛剤、鎮静剤、抗うつ剤を使用していると述べている。パラセタモールやブルフェンは安価で薬局で簡単に入手できるため、少女の間で広く使用されている。これは、精神科医や薬局へのアクセスが限られている州で特に一般的である。たとえば、ガズニー州のマディアさんは、ひどい頭痛のため地元の薬局まで3時間歩いてこれらの薬を手に入れており、精神科医にかかったことは一度もない。タハール州のファティマさんも、州の地元の病院から鎮痛剤と抗うつ剤を無料で入手している。
ラジアさんは、薬1つに1500アフガニ(訳注:約3000円)支払っているが、これは家族の小麦粉1袋分に相当する。薬を全部買うと、1か月に4000アフガニかかる。マリアムさんは、薬代に毎月400~800アフガニを費やしていると付け加えた。これは、彼女の厳しい経済状況にもかかわらず、彼女が負担しなければならない高額な金額だ。