The wonder of observing the universe at night

An imaginative piece of writing for my VCE students at Victrian School of Language(VSL)

ビクトリア言語学校(VSL)のVCE(注) の生徒のための想像力豊かな詩篇
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(WAJ: 今回は趣を変えて本サイト・アフガンサイド主筆のファテー・サミ氏が教え子たちに与えたエッセーを紹介します。地上で繰り広げられる日常の闘争と喧騒を離れて、人間として何を想うか、その思いを共有したいと思います。なおサミ氏がこの間、本サイトに執筆した論説のすべては「ファテー・サミ執筆記事一覧」で閲読できます。)

 

ファテー・サミ(本サイト・アフガン主筆)
2025年4月14日

春の夜だった。昼は果てしない青のキャンバスだった天空に無数の星々が煌めいていた。星たちは互いに輪となり、魅惑的な舞を繰り広げ、漆黒の闇にまばゆい光を投げかけていた。

私はその壮麗な自然の光景に見惚れ見つめていた。春のそよ風が頬を優しくなで、家のまわりでは、芽吹いたばかりの若葉と、咲き誇る花々が風にそよいでいた。風は愛おしむように肌に触れた。私は深く風を吸う。新鮮な空気を肺いっぱいに満たすたび、心は洗われ安らぎと新生の感覚を覚えた。

夜更け、ひとり空を見上げていると、近くにも遠くにも煌めく星々が広がり、私はしばし言葉を失う。そしてふと問いかけるのだ――この果てしない宇宙は、いったい誰の手によって、いかにして生まれたのだろうか、と。

宇宙はあまりにも広大で、想像力すら及ばない。天文学者たちは、星々が互いに引き合いながら軌道を描き、無限の方向へと広がっていくと言う。引力という不思議な力がそれらを繋ぎとめ、衝突を防いでいるのだ。

神秘に満ちたこの世界に心を奪われると、私は今どこにいるのかすら忘れてしまう。幼き日の私は、この世界は果たして神やアッラーのような偉大なる存在によって創造されたのか、それとも偶然と自然の営みによって生まれたのか、何度も思いを巡らせたものだった。しかし、その答えに近づく術は持ち得なかった。

遠い昔、古の哲人たちもまた、宇宙の起源について思索を巡らせていた。彼らは長きにわたり深い瞑想に耽り、真理を求めた。だが今なお、この壮大な宇宙の謎は解き明かされることなく、ただ我々の前に横たわっている。

ある晩、私が宇宙の神秘に思いを馳せ、現実を忘れていたそのとき、妻の声がふいに沈思を断ち切った。「風邪をひくわよ! こんな夜中に、どうしてそんなことばかり考えているの?」私はしぶしぶ家へと戻ったが、思いはなお星々の彼方にさまよい、宇宙の創造という永遠の問いに囚われ続けていた。

人はきっと、誰しも一度はこの謎に思いを馳せたことがあるだろう。しかし、答えを得られぬまま、やがて諦め、日々の暮らしに慣れ親しんでしまう。そして、自らがかつて存在せず、ある日突然この世界に現れたという事実に、何の疑問も抱かなくなってしまうのだ。

初めこそ、世界を不思議に満ちた目で見つめるが、時が流れればその目は曇り、無関心の中でただ日常を繰り返してゆく。

この世の複雑さは、我が身の内なる思考や身体の仕組みにも似ている。あまりに深遠であるがゆえに、人の知恵ではこの曖昧で巨大な謎を解き明かすことはできないのだろう。そしてこの謎は、かつてそうであったように、これからも答えのないまま残されるのかもしれない。

畢竟、われわれに許される選択肢は二つしかないのかもしれない。ひとつは、この宇宙を自然の偶発的な産物として受け入れること。もうひとつは、目には見えずとも、聖典とともに古より語り継がれてきた「創造主」の存在を信じること――「あれと言えばすべてはあった」(訳注:コーランの言葉)という言葉ひとつで、宇宙を生み出す偉大なる存在を。

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このエッセイは、筆者が宇宙の広大さを省察する中で、驚きと好奇心の本質を美しく捉えています。鮮やかな描写と深い熟考を通じて、それは存在の神秘に踏み込み、果てしない宇宙の起源や、澄み渡る夜空を見上げたときに湧き上がる深い畏敬の念について思索します。深遠な哲学的な調子と詩的なリズムが、著者の想像力に富んだ旅を描き出し、読者と宇宙の無限で奇跡的な構造との間に強力なつながりを築いています。

 

(注)オーストラリア・ビクトリア州教育証明書 (VCE) は、11年生と12年生に授与される資格。これらの学年の生徒は、VCE11年生と 12年生と呼ばれる。11年生と12年生の在学期間中、生徒は16単位 (科目) を修了する必要がある。これらの科目のうち、ペルシア語 – ダリ語のコースに登録して4単位を修了することができる。
筆者は過去26年間、12年生を教え、語学学校のコーディネーターとして活動してきた。これまでのキャリアを通じて、男女合わせて 4379名を超える生徒がVCEレベルで卒業している。
さらに、生徒は最終成績に 10%のボーナス点数を獲得し、希望する学部への入学に大きく役立たせることができる。