(WAJ: 『Zan Times(ザン・タイムズ)』編集長のザーラ・ナデルさんからアピールメールが送られてきた。折からのICCによるターリバーン幹部4名への逮捕状にふれる内容である。緊急性があり全文をシェアする。なお『Zan Times』は2022年にアフガニスタンのジャーナリストたちが設立した、女性主導の独立系調査報道メディア。末尾でより詳しく紹介する。)
2026年10月9日

読者の皆さまへ
ザーラ・ナデルです。カナダからお便りしています。このニュースレターを書くことは、私にとって1週間で最も楽しみな時間です。自分の思いを自由に表現できる場だからです。しかし最近は出張が続き、私は1歩退いて、同僚たちに語り手を任せていました。
2週間前、ソフィア・マレクが、こんな提案を持ってきました。「8月に私たちの調査報道が公表されて以降、フェミサイド〔女性であることを理由とする殺害〕が増えていることを、読者の皆さんに伝えられないでしょうか」
私は、書いてみませんかと頼みました。翌朝には、彼女の原稿が私の受信箱に届いていました。続いて彼女は、アフガニスタンが抱える数多くの危機の陰で、ほとんど注目されていないポリオの流行についても書いてよいかと尋ねてきました。
この2回のニュースレターを書いてから、彼女の声には希望が感じられるようになりました。自分の言葉が世界各地の『ザン・タイムズ』の読者に読まれたと知り、心から喜んでいます。そして、もっと書いてもよいかと尋ねています。
アフガニスタンにいるほかの同僚たちからも、原稿が届いています。誰もが、自分の地域で目の当たりにしている、けれども報道されずに終わってしまうかもしれない問題について書きたいと願っています。読者である皆さんに、語りかけたいのです。
『ザン・タイムズ』は、ソフィアのようなアフガニスタンの女性たちが、自分たちの地域で、自分自身に、そしてほかの女性たちに何が起きているのかを伝えられる機会をつくるために存在しています。皆さんに向けて書くことこそ、彼女たちの声を届ける最も意義深い方法だと、私は信じています。皆さんがソフィアに寄せてくださった温かいメッセージや言葉は、彼女にとって大切な支えとなりました。自分の存在に目を向け、声に耳を傾け、心を寄せてくれる人たちがいると感じられたのです。
来週からは、アフガニスタン国内の現場で活動する同僚たちの声をお届けします。その声に耳を傾けることで、アフガニスタンの女性たちがどのような暮らしを送っているのか、その全体像を少しずつ描いていただければと願っています。(彼女たちの安全を守るため、執筆には仮名を用い、居住する州も明らかにしません。)
お便りを締めくくる前に、大切なニュースをお伝えしたいと思います。
2026年10月5日、国際刑事裁判所(ICC)は、ターリバーン高官に対する4通の逮捕状を公開しました。このうち、最高指導者ハイバトラー・アフンザドと最高裁判所長官アブドゥル・ハキーム・ハッカーニに対して2025年7月に発付された2通については、すでに知られていました。今週、さらに教育相ハビーブッラー・アーガーと高等教育相ネダ・モハンマド・ナディームに対しても、2025年9月に逮捕状が発付されていたことが明らかになりました。
裁判所は、4人全員について、人道に対する犯罪に当たる迫害の責任を負うと信じるに足る合理的な根拠があると判断しました。裁判官らは、ターリバーンの布告が、女性や少女から教育、就労、移動の自由、表現の自由、医療を受ける権利を奪い、ジェンダーを理由に迫害してきたと認定しました。LGBTQの人々、抗議活動に参加した人々、そして女性を支援しているとみなされた男性の親族たちも、迫害を受けていました。
ICCには、自ら彼らを逮捕する権限を執行する手段がなく、逮捕の実行は各国に委ねられています。ターリバーンはすでに、逮捕状とICCの権限を拒否しています。
それでも、このニュースは一筋の希望をもたらしてくれます。とりわけ、ターリバーンの犯罪を記録し続けている私たちジャーナリストにとっては、そうです。いつの日か、私たちの記録が、アフガニスタンでジェンダー・アパルトヘイトを制度化した人々を法の裁きにかける一助となることを願っています。
心を込めて
ザーラ・ナデル(代名詞:she/her)
編集長

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<Zan Timesのホームページ>

ナデルさんがメールで触れているソフィア・マレクさんは、上の写真の右下の記事を執筆している。タイトルは「タリバンによる政権奪取は私たちを打ちのめしたが、私たちの声を封じることはできなかった」:で、ムビナ・ハイランディッシュさんへのインタビューである。彼女はバルク大学の元講師であり、ラジオ・ラビア・バルヒの元局長、そしてビダリ(覚醒)アカデミーの創設者でもあり、メディアと教育を通して意識を高め、社会のエンパワーメントにおいて決定的な役割を果たしてきたひとである。
また、現時点でのトップ記事は、2022年9月30日に引き起こされた悲惨な自爆テロの追悼記事である。この事件はカーブル西部ダシュテ・バルチ地区にあるカージ教育センターで発生したものだ。その日、数百人の学生が大学入学試験の模擬試験のために集まっていた。53人が犠牲となり、110人が負傷したと報道された。Zan Timesはこの事件を、ターリーバーンの女性と少女に対する高等教育からの排除と結びつけて批判してきた。
Zan Times(https://zantimes.com/)は、アフガンの女性たちが置かれている現状と現状打破の闘いを詳細に伝えている。必見のサイトだ。また、メール購読登録をすれば、ナデル編集長からのメールが定期的に届く。
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