キャンペーン協力のお願い:沖縄と気候変動とのたたかい

 森の映画社から 新年のご挨拶

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

私たちが撮影してきた人々に、米軍兵士たちがいます。キャンプ・ハンセンや演習場の前で海兵隊員に「殺すな」と訴えたベトナム帰還兵のアレン・ネルソン、イラク派遣を拒否して収監された元海兵隊員のジェフ・パターソン、無理やり連れていかれたイラクで、銃に弾を込めることを拒否した米陸軍衛生兵のアグスティン・アグワヨ。いくつも行動を共にしてきた彼らは、私たちの友人でもあります。

アメリカの彼らがそうしたように、今、私たちも本気で拒否しなければ、日本の戦争の時代の到来を止めることが出来ません。

「沖縄・琉球弧を第3の戦場にするな!全国キャンペーン」のご案内と撮影報告をお送りいたします。ご一読いただき、『戦争を拒否する』大きな世論と運動、現役自衛官や米軍兵士らにも届く大きな声をぜひ一緒につくって行きましょう。

今年3月には、海人・山城善勝さんが主人公の映画『勝ちゃん-沖縄の戦後』が完成します。1944年10月に生まれた山城さんの半生を沖縄の戦後の出来事とともに描きます。優れた漁師である山城さんの「一人追込み漁」や素晴らしい海中の景色も、ご期待ください。各地で上映いたしますので、ぜひ、お近くの上映にお運びください。

多くの皆様にご協力いただいています『世界の先住民と先住権』は、昨年、アメリカ、カナダ、アラスカと取材しました。昨年の取材報告は、今年、冊子にしてお届けします。2024年は、アメリカ・ワシントン州の20の先住民トライブが、サケの漁獲量の半分という巨大な権利を取り戻した裁判(ボルト判決)から50周年になります。この50周年の記念行事にあわせて、2月にアメリカ、カナダを取材し、6月にはアラスカを取材する計画です。

今年も全力です。

どうぞよろしくお願いします。

2024年1月1日
森の映画社
藤本幸久・影山あさ子

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「沖縄・琉球弧を第3の戦場にさせない!全国キャンペーン」出資のお願い
出資金: 一口 1万円
振込先:郵便払い込み口座 02790-1-59455 「森の映画社」
*出資金一口につき完成作品のDVDを1枚進呈。ぜひ、取りまとめて複数口でご協力ください。
連絡先:森の映画社札幌編集室 〒004-0004 札幌市厚別区厚別東4条8-17-12、2F
電話・FAX: 011-206-4570 メール:morinoeigasha@gmail.com
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戦争が迫る現実を伝えたい。5月までに映像をまとめます。

藤本幸久・影山あさ子

 

辺野古で撮影を始めたのは2004年。沖縄の住民たちはカヌーと身体一つで、必死に作業を止め続けていた。住民たちには「これ以上、戦争に加担させられたくない」という強い思いがあった。ベトナムへもイラクへも米軍は、沖縄から出撃していったからだ。在日米軍の再編計画とともに『日米の軍事的一体化』が打ち出される中、私たちも「辺野古の新基地建設を止めれば、日本の戦争を止められる」と思っていた。

20年後の今、辺野古の新基地は、まだ出来ない。しかし、九州の南から台湾に至る琉球弧の島々は、自衛隊の新基地だらけだ。「基地が来れば、戦争が来る」と言った沖縄戦の体験者の言葉は、正しかった。今、日米の戦争計画の主戦場は、琉球弧だ。自衛隊が米国のために、日本を戦場に、核保有国・中国と戦う戦争だ。

開戦前のウクライナさながら、日米共同演習は絶え間なく続けられている。宮古島や石垣島からミサイルが発射されれば、今、ガザで起きていることが、直ちに島の現実となる。

与那国島の町長は、「(有事となったら)自力で島を脱出して、生き延びてくれ」と言うが、ミサイルが降り注いでも、海に囲まれた島々から逃げ出す術はない。

五万人が暮らす宮古島にシェルターの建設が計画されているが、収容できるのは四千五百人。ミサイル基地いらない!宮古島住民連絡会の清水早子さんの調査で、公共施設にはすでに遺体収容袋が設置されていることも判明している。

「補充兵われも飢えつつ 餓死兵の骸焼きし宮古(しま)よ 八月は地獄」。元日本兵、高澤義人さんの短歌だ。78年前、宮古島も八重山も戦場だった。宮古島では3万人の日本兵のうち、2500人が死んだ。死因の9割は、餓死とマラリアだ。

制空権、制海権を失えば、食べるものは無い。島で食糧が自給できない状況は、今も変わらない。避難する?どこへ?どうやって生きてゆくのか。島々の人たちと共に、私たちは、どうやってこの時代を生き延びれば良いのか。

私たちは「沖縄・琉球弧を第3の戦場にさせない!全国キャンペーン」に取り組むことに決めた。今、馬毛島から与那国島までの島々と、各地の日米共同訓練の様子を全力で撮影している。島々の現在と日本各地の軍事演習から見える日米の戦争計画を1時間の作品にまとめ、5月から全国100か所で上映する計画だ。宮古島では清水早子さんと島をまわり、現在の状況と共に、かつての戦争で何が起きたのかも丁寧に撮影するつもりだ。

私たちは、「映画は希望を語るもの」と思っている。その希望は今、これから作品を見るひとりひとりの中にある。市民一人一人の行動が、未来を救う希望だ。この希望を大きなものに変えていくために、多くの皆さんのお力添えを心からお願いしたい。

 

徳之島での自衛隊統合演習を撮影して感じた事

中井信介(森の映画社 カメラマン)

 

2023年11月19日、徳之島の花徳浜に一本のトラロープが張られていた。ロープから海側では約20名の迷彩服を着た自衛隊員が銃を構え、蝋人形のように一点を見据えて、見た事もない敵を見ていた。そしてロープから集落側には、約40名の島民たちなどが居て、動かない自衛隊員たちを見つめていた。

武装した隊員と市民の距離は短い所で2m、手を伸ばせば届きそうな距離だ。中には幼い子供を連れた家族も見られた。子どもたちは恐怖に泣く事もなく、興味津々で水陸両用車や隊員たちを見ている。訓練を見学に来ていた人たちの中には誰一人として抗議の声を挙げる者はない。それを撮影していた私は「抗議の声を挙げないと、ここまでやるんだ」と空恐ろしく感じた。

 

そんな私とは対照的に、二人の幼い子どもを連れた母親にとっての自衛隊訓練は、動物園も遊園地もない島での数少ない子どもが喜ぶイベントだったと言う。それが訓練を見た後の彼女は、「今日、娘から『戦争になるの?』って聞かれて、『なるかもね』って答えました。訓練を見た事で戦争が身近に感じられたんです。もしも戦争になったら、島で生きていくために農作物を作って自給自足できるようにならないと・・・」と、もうすぐ戦争が始まるかのような事を言った。また、遠くから水陸両用車を眺めていた高齢の男性は「もしも中国が攻めて来たらジッとして殺される訳にいかんじゃないですか。戦争というのは人と人との殺し合いです」と言った。

 

この日、花徳海岸に訓練を見に来ていた人に限らず、11月10日から行われていた統合演習によって忍び寄る戦争の不安を感じた島民は案外多かったのかもしれない。というのは自衛隊基地が無く、訓練に反対する人も殆ど居ない徳之島での統合演習には、総勢1500名もの自衛隊員が参加し、海岸線を中心に15カ所以上で拠点をつくって幅広い訓練が行われていたからだ。

吉田圭秀統合幕僚長は「徳之島においては、当初防衛作戦、水陸両用作戦、空挺作戦、徳之島空港を使った起動展開運用訓練、負傷者が出た時の救護訓練、・・・それから宇宙、サイバーの領域も連携して訓練を行いました」と言った。そして「普段行っている訓練では、限られた演習場内を島に見立てて訓練を行っているが、ここでは実際に海があって、島という地形、気象の中で実戦的な訓練が行える意義は大きい」と言っていた。

つまり演習場という囲いの無い徳之島では期間中、島の様々な所を演習場して実践的な訓練が行われ、その中に島民が居た可能性もある。島民たちから聞いた話では「基地が出来ると有事の際に標的にされるから嫌だけど、訓練で一時的に来るだけなら良いじゃないか」という意見が多かった。しかし、その訓練によってウミガメの産卵地で白砂の美しい花徳浜に有刺鉄線が張り巡らされ、水陸両用車が轟音を立てて走り回り、砂浜はキャタピラの踏み跡だらけにされている。ふるさとの自然や安全な暮らしを守るために反対の声を挙げる事の大切さ。そして反対の声を挙げないと何をされてしまうのかという事。その恐怖をヒシヒシと感じた徳之島での自衛隊統合演習だった。

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沖縄・琉球弧を第3 の戦場にさせない!全国キャンペーン
2023
年11 月10 日
森の映画社 藤本幸久・影山あさ子
ウクライナ、ガザで起きていることを東アジア、琉球弧で起こさせてはなりません。
琉球弧の軍事要塞化と戦争準備は異常な勢いで進んでおり、日米の共同訓練は日本全国で休みなく続けられています。私たちは今年8 月から10 月末まで、全国30 か所で「琉球弧を戦場にするな!」上映キャラバンに取り組みましたが、「伝えられない現状を伝える映像」を求める多くの声がありました。
琉球弧の現状も住民たちの抵抗も、ミサイルと同居を強いられ、遺体収容袋も備えられた島から「いつ、脱出すればよいか」と考えざるを得ない住民の強い危機感も、伝えられていません。私たちは、沖縄島を始め、与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島、馬毛島などが今、どうなっているのか、最大の努力で撮影する事を決意しました。次の戦争を止めるのは、今しかないからです。
陸海空自衛隊の複合要塞基地建設がすすむ馬毛島、ミサイル基地とされた奄美大島、宮古島、石垣島、基地もないのに演習が行われる徳之島、ミサイル部隊配備と弾薬庫建設がすすむ沖縄島、レーダー基地に加えてミサイル部隊配備が計画される与那国島、海兵沿岸連隊MLR に改編される海兵隊、ウクライナと同じ装備で日出台(大分県)や矢臼別(北海道)など日本各地で行われる日米共同訓練。訓練には、野戦病院の設置や遺体の仮埋葬まで含まれています。
沖縄県政記者クラブの加盟社である森の映画社は、報道公開される自衛隊や海兵隊の訓練を奄美大島、宮古島、石垣島、与那国島、日出台などで撮影してきました。今回、改めて馬毛島から与那国島に至る島々の現在、住民の抵抗する姿、米軍と自衛隊が何をしようとしているのかを撮影し、キャンペーンに使えるよう1 時間の作品を仕上げます。完成は5 月です。誰でも、どこでも、何回でも上映できる作品として、DVDDVD(複製は不可)の形で1 枚1 万円で販売します。
この撮影のために、沖縄にカメラマンを一人張り付けます。交通費・宿泊費などの取材費を賄うため出資金1 00 口を以下の通り募ります。ぜひ、ご協力ください。

「沖縄・琉球弧を第3の戦場にさせない!全国キャンペーン」出資のお願い
出資金: 一口 1万円
振込先:郵便払い込み口座 02790-1-59455 「森の映画社」
*出資金一口につき完成作品のDVDを1枚進呈。ぜひ、取りまとめて複数口でご協力ください。
連絡先:森の映画社札幌編集室 〒004-0004 札幌市厚別区厚別東4条8-17-12、2F
電話・FAX: 011-206-4570 メール:morinoeigasha@gmail.com

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========<下記のイベントは終了しました>========

8月 ~9月 の2か月間、藤本幸久・影山あさ子が、
キャラバン上映で全国をまわります。

みな様のところにも、ぜひ、うかがわせてください。
2023年 7月 8日
森の映画社 藤本 幸久
影山あさ子

 

キャラバンに用意している内容は、以下の二つの映像レポートと講演です。
(1)「沖縄・琉球弧を戦場にするな」
(2)「地球規模の気候変動とたたかう先住民一アメリカ、力すダ、アラスカ」

 ☟ 詳しい説明は下記をクリック 
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