Poetry in Chains: Taliban’s Decree Seeks to Criminalize Creativity and Control the Afghanistani Mind

(WAJ:下記は、 NO JAILコーナーでソマイア・ラミシュ氏が抗議の声明を発したターリバーンの7月の新しい規制=詩作に対する検閲と禁止を定めた規則に関する詳報である。世界文学の歴史において、詩作行為に法的規制を敢えて課した政権はほとんどない、と本記事は述べているが、日本の戦前の状況はそのほとんどない政権のひとつ、しかも投獄、殺害まで行った稀有な実例のひとつであったことが理解される。

 

2025年7月15日
RASC NEWS Agency(アフガニスタンの独立系メディア)

 

世界文学の歴史において、詩作行為に法的規制を敢えて課した政権はほとんどない。しかし、アフガニスタンのターリバーン政権下では、この陰惨な不条理が今や公式政策となっている。ターリバーン指導者ムッラー・ハイバトゥラー・アフンザダの指示の下、情報文化省は「詩的集会規制」と題する新規制の施行を発表した。これは芸術的自由に対する前例のない侵害として広く非難されている措置だ。3章2節、13条からなるとされるこの新法は、単に詩的集会を監視する試みではない。批評家は、これは詩の機能そのものを再構築し、イデオロギー的服従の道具へと貶めようとする試みだと主張している。法律の全文は明らかにされていないが、ターリバーンの公式ウェブサイトでは、この措置は「イスラムの価値観への侮辱」を防ぎ、「民族的・言語的扇動」を避け、検閲の根拠となる曖昧な表現である「不道徳な内容」の拡散を阻止することを目的としていると主張している。

ターリバーンによれば、詩人は今後、精神の浄化、スンニ派正統派の肯定、イスラム教の理念の推進といったテーマに作品を限定しなければならない。ロマンチックな表現、感情の探求、さらには間接的な社会批判や政治批判さえも禁止されている。言い換えれば、ターリバーンは詩の魂を国家のスローガンに置き換えようとしているのだ。批評家たちは、この法律は芸術を導くものではなく、むしろそれを窒息させるものだと指摘する。アフガニスタンの、分裂しつつも活気に満ちた文学界(その多くが現在亡命生活を送っている)からの反応は迅速かつ明確だった。ディアスポラ各地の作家や詩人たちは、この法令を言語を統制し、独立した思考を根絶しようとする露骨な試みだと非難している。

「詩人は政府の職員ではない。詩人は命令には従わない」と、現在亡命中のアフガニスタンの詩人ファルーク・ファルダは記している。「詩人が権力の命令に従って詩を書いた瞬間、彼は詩人ではなくなる。真の詩は命令されるものではなく、内面から湧き出るものだ」。ターリバーンの活動に詳しい関係者によると、この法律はカンダハールで行われた伝統的な詩の集会で、参加者数名が比喩や寓話を通して政権を巧妙に批判したことを受けて、急遽制定されたという。これに対し、ターリバーンはジャララバードでの「グル・エ・アナール」集会を含む同様のイベントに厳しい規制を課し、公共の文学フォーラムを事実上、監視とイデオロギー強制のための軍事化された空間へと変貌させた。

情報文化省は、この法律は「シャリーア法に則った文化秩序」をもたらすことを目的としていると主張している。ターリバーンのアティクッラー・アジジ副大臣は、カーブルで行われたセミナーで、この法令は詩人を束縛するものではなく、彼らを宗教的価値観へと「導く」ためのものだと主張した。彼は国民の怒りを「根拠がない」と一蹴した。しかし、個人の自由が犯罪とされ、個人のアイデンティティを最も基本的な形で表現することさえ抑圧されている国では、このような正当化は空虚に響く。文化評論家たちは、この法令は芸術の誤解ではなく、芸術に対する計算された攻撃だと主張している。

「詩を法で規制することは、その本質を裏切ることだ」と、亡命中の文芸評論家は記した。「詩はプレスリリースでも説教でもない。魂の鏡であり、民衆の叫びなのだ」。アフガニスタンの知識人たちは、ターリバーンによるこの検閲は、アフガニスタンを数千年にわたる文学的遺産から切り離す危険性があると警告している。神秘的な洞察力、感情の深み、そして哲学的なニュアンスに富んだペルシアの詩の伝統は、戦争、侵略、そして亡命を乗り越えてきた。しかし、これほどまでにイデオロギー的な殺菌にさらされたことはかつてなかった。彼らは、詩は内的経験、想像力、そして矛盾と曖昧さを探求する自由から生まれるものだと主張する。詩人でさえ、創作の瞬間に、ページ上に生まれるものを完全にコントロールすることはできない。したがって、詩を固定された教義の型に押し込もうとするターリバーンの試みは、抑圧的であるだけでなく、芸術的に不可能でもある。

カーブル在住の作家の一人がソーシャルメディアに匿名で次のように投稿した。

「これは立法ではない。知的専制だ。詩を非合法化することはできても、意味への渇望を消し去ることはできない」。ターリバーンによる詩への攻撃は、あらゆる形態の創造性をイスラム教の厳格で文字通りの解釈に従わせるという、より広範な文化統制戦略の一環だ。音楽の禁止から大学図書館の粛清まで、政権はアフガニスタンの知的景観を服従の単色の砂漠へと変貌させようとしてきた。そうすることで、政権は問いかけの思想、想像力、そして権威主義体制を揺るがす言葉の力に対する深い恐怖を露呈している。

しかし、詩的な想像力は容易に抑えられるものではない。亡命先でも、地下に潜伏していても、アフガニスタンの詩人たちは書き続け、抵抗し、記憶し続ける。そしてそうすることで、彼らは美と真実の伝統を守るだけでなく、人々が考え、感じ、そして語る権利も守っているのだ。

原文(英語)を読む

 

[追加情報]

ターリバーンの情報文化省が本年7月に発表した「詩的集会規制」と題する新規制は3章2節、13条からなる新法で、8月30日から施行するとされている。その概要は下記の通り。

<名称>
詩的集会規制(Law on Regulating Poetry Gatherings)」

<施行日>
アフガニスタンの司法省(Ministry of Justice)は、ターリバーン最高指導者ハイバトゥラー・アフンドザドによって承認されたこの新法を、『ジャリーダ(官報)』に公開したと発表した。施行日は、2025年8月30日(土曜日)とされている。

<内容(構成と主な規定)>
この法律は、“序文”+2つの章(章はfasānと表現)、13条から構成される。
主な禁止事項・規制内容(抜粋)
 詩人に対して、次の行為を禁止:
 ―タリバン最高指導者の命令・指導・決定への批判
 ―恋愛詩の作成、特に「男女間の愛情・友情」を称える内容
 ―「青春や恋の詩」や「不適切な感情、愛情表現」の詩を避けるよう指示
 ―詩の主題として禁止または非イスラームとする思想等:
 ―フェミニズム、共産主義、民主主義、ナショナリズムなどを詩の中で言及することを禁じる
施行・監督体制:
 ―情報文化省(Ministry of Information and Culture)により、各地の首都や州において詩の内容を評価・選別する監視委員会が設置される。
 ―監視委員会には、情報文化省、勧善懲悪省(Virtue and Vice Authority)、ウレーマ評議会(Ulema Council)の代表が含まれ、詩とスピーチを審査し、適合性の判断を行う。
・制裁規定:
 ―詩人、スピーカー、詩的集まりの開催者が違反した場合、シャリーア(イスラム法)に従って処罰される。

(出典)
afintl.com
Facebook
revayataf.com など

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