『ウエッブ・アフガン』では、地球温暖化の影響で、水枯渇現象下の洪水や地震に襲われているアフガニスタンのニュースを紹介しているが、日本の自然災害もそれ以上に悲惨だ。
7月28日には熊本で震度7を記録する大地震が九州を襲った。10年前の2016年4月にも震度7の地震が2度、立て続けに熊本を襲った。2024年には能登半島を大地震が襲ったばかりだった。
大地震は多数の死傷者を生み、家屋や施設に多大の損傷を与える。被害にあわれた皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
熱暑の中、テレビに映し出される痛ましい地震による惨禍とそれにもめげず復旧に取り組む皆様のご努力にただただ頭を垂れるのみでありました。
そんな中、感動的な映像が飛び込んできました。私だけでなく、おそらくこの映像を見た日本中の視聴者が限りなく心を揺すぶられ勇気を与えられたと思います。
永遠に記憶に留めておくために、Yahoo!で配信されたABCニュースの番組をシェアします。
熊本地震、手術室の様子
ABCニュース/YAHOO!JAPAN
2026年8月7日
最大震度7を観測した熊本地震で、震度6強の揺れに襲われた熊本県八代市にある総合病院では、地震発生時に手術中だった医師らが患者を守ろうとする緊迫した様子がカメラに記録されていました。
病院から提供いただいた映像をノーカットでお送りします。
八代市にある熊本総合病院の手術室。突如襲った震度6強の揺れに医療機器やベッドが大きく揺さぶられるなか、医師2人が患者に覆いかぶさり、必死に押さえます。
激しい揺れで転倒した看護師が扉を開けて、避難ルートを確保する様子も。
病院によりますと、地震発生時、院内では4件の手術の最中でしたが、いずれもそのまま続行され、全て無事に終えたということです。
ANNの取材に対し病院は、「医療人として外科医を始めとした手術対応を真摯に行い、患者様ファーストで行動できたことを誇りに思っております」とコメントしています。
熊本総合病院は地域の中核病院で、地震の影響で通常診療を一時休止しましたが、5日から再開しています。
このニュースに接したのはちょうど宇沢弘文著『社会的共通資本』を再読している時でした。いま、<視点>で連載しているAIとAIが変える社会の行く末を考えるうえで必須の文献だからです。
医療は、農業や教育やその他さまざまな社会制度と並ぶ重要な社会的共通資本です。しかし、医療の本来の存在意義よりも経済を優先する貪欲な資本主義体制の中で医療制度も影響を受け、仁術のはずが算術に堕する現状がありました。
しかし、万巻の書をひもとくまでもなく、大嵐の波間に揺さぶられる小舟のように手術台や医療器具が動き回わるなかで、それらを必死に抑えようとしたり、扉が閉まってあかなくなるのを恐れてドアを開きに走り寄ったりする医療スタッフたちの寸分の無駄のない動き、とくに、施術中の患者に覆いかぶさって落下してくるかもしれない器具類から必死にまもろうとする2人の医師。その専門職意識の強さと普段からの訓練の存在を感じて、見ていて胸が詰まりました。まさに「聖職」というべきではないでしょうか。
宇沢さんは、技術者や職人や労働者が本能的に持っている「労働の価値への献身性」に信頼を寄せ、そこに依拠して社会の再構築を構想されています。
大地震の際に手術室で示した医療スタッフたちの一糸乱れぬ対処と献身性に、未来社会への希望をいただきました。
手術室で患者を守り抜いた医療スタッフの皆さま、このニュースを届けてくださった皆さまに、ただひたすら感謝いたします。
【野口壽一】